物理 > 第1編 力と運動 > 第1章 平面内の運動
「船はどこにいる? どこへ向かった?」——正確に伝えるには,大きさと向きをもつベクトルが必要になる。
「北に 200 m」「東に 3 km/h」のように,ある量を伝えるとき 大きさだけでなく向きも必要なことがある。 このように,大きさと向きの両方で決まる量を ベクトル(vector)という。 図では矢印で表し,矢印の長さが大きさ,矢印の方向が向きを示す。
2つのベクトルの和は,平行四辺形の法則で求められる。 始点をそろえて描き,平行移動すると平行四辺形ができ,対角線が和ベクトルになる。
物体が点 P(位置ベクトル \(\vec{r}_1\))から点 Q(位置ベクトル \(\vec{r}_2\))に移動したとき, 位置の変化を表すベクトルを 変位 といい \(\Delta\vec{r}\) で表す。
P → Q への経路がどう変わっても,始点と終点が同じなら変位 \(\Delta\vec{r}\) は同じ。 変位は「どこを通ったか」ではなく「どれだけ位置が変わったか」を表す。
「川を横切る船は,岸からどう見える?」——速度もベクトルだから,合成・分解ができる。
時間 \(\Delta t\)〔s〕の間に物体が P から Q まで進むとき,平均の速度 \(\bar{\vec{v}}\) は変位を時間で割った
この式で \(\Delta t\) を限りなく小さくしていくときの極限が,点 P での船の瞬間の速度であり,その向きは経路の接線方向になる。
静水時の船の速度を \(\vec{v}_1\),流水の速度を \(\vec{v}_2\) とすると, 岸から見た船の速度(合成速度)は
速度 \(\vec{v}\)(大きさ \(v\))が x 軸の正の向きとなす角を \(\theta\) とすると