物理 > 第1編 力と運動 > 第4章 円運動と万有引力
すでに学んだ等速円運動。じつはこの運動を「真横から」見るだけで、まったく違う往復運動が現れます。これが単振動です。
単振動がどんな運動かを、まず 3D で体感しましょう。等速円運動する物体を真横から見ると、上下に往復する運動——これが単振動です。[単振動の物体]でばね振り子を並べると円運動の影とぴったり重なり、[スクリーンに影]では横からの光でスクリーンに映る影が上下に単振動します。速度・力・加速度のボタンで、円運動のベクトルを分解すると単振動のベクトルになることも確認できます(詳しい式は「2. 単振動の式」で扱います)。
このような往復運動は、物体に変位に比例し、変位と逆向きの力(復元力)がはたらくときに生じます。この振動を単振動といいます。ばねにつけた物体を引いて離すと、まさにこの単振動が起こります。
まず水平なばね振り子を1つずつ見ていきます。ばねが自然の長さのときのおもりの位置を原点 O、右向きを \(x\) の正と決めましょう。おもりを右へずらす(\(x>0\))とばねは左向き(負)に引き戻し、左へずらす(\(x<0\))と右向き(正)に押し返します。下の図で \(x\) を動かし、力の向きがつねに O に戻る向きになることを確かめましょう。
力の大きさは変位の大きさに比例し、向きはつねに変位と逆です。比例定数を \(k\)(ばね定数)とすると、符号(マイナス)も込めて次のように書けます。マイナスが「変位と逆向き=もとに戻す向き」を表しているのがポイントです。
運動方程式 \(ma = -kx\) より加速度は \(a = -\dfrac{k}{m}x\)。加速度が変位に比例し、向きが逆——これが「単振動」の目印です。
次に単振り子(長さ \(l\) の糸につけたおもり)。最下点を原点 O、水平方向の変位を \(x\) とします。おもりにはたらく重力 \(mg\) を「糸の方向」と「振れを戻す接線方向」に分解すると、戻す向きの成分は \(-mg\sin\theta\) です。下の図で角 \(\theta\) を動かし、重力の分解を見てみましょう。
振れ角が小さいとき \(\sin\theta \fallingdotseq \theta\)、また水平変位は \(x = l\sin\theta\) なので \(\sin\theta \fallingdotseq \dfrac{x}{l}\)。よって復元力は
$$ F \fallingdotseq -mg\sin\theta \fallingdotseq -mg\cdot\frac{x}{l} = -\frac{mg}{l}\,x $$
これは「ばね定数 \(k\) にあたる量が \(\dfrac{mg}{l}\)」のばね振り子と同じ形。単振り子も、微小な振れなら \(F = -(\text{定数})\times x\) の単振動になります。
1つずつ見た2つの振り子を、最後に並べて整理します。どちらも復元力が \(F = -(\text{定数})\,x\) の形で、その定数から周期が決まります(周期の式は「2. 単振動の式」で導きます)。
| ばね振り子 | 単振り子 | |
|---|---|---|
| 復元力 | \(F = -kx\) | \(F \fallingdotseq -\dfrac{mg}{l}x\)(微小振幅) |
| \(k\) にあたる量 | \(k\)(ばね定数) | \(\dfrac{mg}{l}\) |
| 周期 T | \(2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}\) | \(2\pi\sqrt{\dfrac{l}{g}}\) |
| 周期が依存する量 | 質量 \(m\)、ばね定数 \(k\) | 糸の長さ \(l\)、重力加速度 \(g\) |
| 質量への依存 | あり(\(m\) が大きいと周期が長い) | なし(質量によらない) |
| 成立条件 | ばねの弾性限界内 | 振れ角が十分小さいとき |
単振動の周期は振幅によらず一定(等時性)。大きく振っても小さく振っても、1往復にかかる時間は同じ。周期を決めるのはばね振り子なら質量 \(m\) とばね定数 \(k\)(単振り子なら糸の長さ \(l\) と重力加速度 \(g\))で、振幅 \(A\) にはよらない。その式は次の「2. 単振動の式」で導きます。
円運動の正射影として見えてきた単振動を、こんどは式で表してみよう。変位・速度・加速度がどんな関数になるかを、図から順に導いていきます。
冒頭の3Dシミュレーションで見たように、単振動は等速円運動を真横から見た(直径方向へ射影した)運動でした。ここでは円運動の位置・速度・加速度を射影方向に分解して、単振動の3つの式を導きます。
半径 \(A\)、角速度 \(\omega\) で等速円運動する点 P を考え、回転角を \(\theta = \omega t\) とします。下の図で \(\theta\) を動かす(または再生する)と、各ベクトルの鉛直成分がそのまま単振動の量になっていることが見えます。
① 変位:P の鉛直方向の位置が、そのまま単振動の変位 \(x\) です。半径 \(A\)・回転角 \(\omega t\) だから、変位は次のように表せます。
② 速度:円運動の速さは \(A\omega\)(接線方向)。この速度ベクトルの鉛直成分をとると、\(\cos\) で表されます。
③ 加速度:円運動の加速度は中心を向く向心加速度で、大きさは \(A\omega^2\)。その鉛直成分をとると、\(-\sin\) で表されます。
③ のマイナスは「中心(つりあい位置)に向かう向き」を表します。力でいえば \(F = ma = -m\omega^2 x\)。ばね振り子ではこれが \(-kx\) と一致するので \(k = m\omega^2\)、すなわち \(\omega = \sqrt{\dfrac{k}{m}}\) と分かります。
速度 \(v\) は等速円運動の速さ \(A\omega\) の \(x\) 成分なので \(\cos\) で表される。加速度 \(a\) は向心加速度 \(A\omega^2\) の \(x\) 成分なので \(-\sin\) で表される。変位に対して速度は \(\frac{\pi}{2}\) 進み、加速度は \(\pi\) 進む(逆位相)。
いま導いた角振動数 \(\omega\) から、周期もすぐに出ます。\(\omega\) は「1周期 \(T\) の間に位相(回転角)が \(2\pi\) 進む」量なので、\(\omega T = 2\pi\)。したがって
$$ T = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}} $$
単振り子では、ばね定数にあたる量が \(\dfrac{mg}{l}\) なので \(\omega = \sqrt{\dfrac{g}{l}}\)、周期は \(T = 2\pi\sqrt{\dfrac{l}{g}}\) となります。
いま導いた周期 \(T = 2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}}\)(単振り子は \(T = 2\pi\sqrt{\dfrac{l}{g}}\))は振幅 \(A\) を含まない(等時性)。大きく振っても小さく振っても、1往復にかかる時間は同じである。
条件:ばね定数 \(k = 50\) N/m のばねに質量 \(m = 0.20\) kg のおもりをつけて振動させる。
角振動数は
$$ \omega = \sqrt{\frac{k}{m}} = \sqrt{\frac{50}{0.20}} = \sqrt{250} \fallingdotseq 15.8 \text{ rad/s} $$周期は
$$ T = \frac{2\pi}{\omega} = \frac{2\pi}{15.8} \fallingdotseq 0.40 \text{ s} $$検算:\(T = 2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k}} = 2\pi\sqrt{\dfrac{0.20}{50}} = 2\pi\sqrt{0.004} = 2\pi \times 0.0632 \fallingdotseq 0.40\) s。
答え:周期 \(T \fallingdotseq 0.40\) s(1秒間に約2.5往復)。
条件:糸の長さ \(l = 1.0\) m の単振り子。\(g = 9.8\) m/s²。
$$ T = 2\pi\sqrt{\frac{l}{g}} = 2\pi\sqrt{\frac{1.0}{9.8}} = 2\pi\sqrt{0.102} = 2\pi \times 0.319 \fallingdotseq 2.0 \text{ s} $$糸の長さを 4 倍の 4.0 m にすると \(T = 2\pi\sqrt{\dfrac{4.0}{9.8}} \fallingdotseq 4.0\) s と2倍になる(\(\sqrt{4} = 2\) 倍)。
答え:周期 \(T \fallingdotseq 2.0\) s。長さ1 m の振り子はほぼ2秒で1往復する。
ここまでの式を、動きとグラフで確かめましょう。左のばね−質点系と右のグラフが連動しています。左では ●変位 x・●速度 v・●復元力 F のベクトルの変化を、右では x(t)・v(t)・a(t) の3曲線を3段に分けて表示します。速度 \(v\) は変位 \(x\) より \(\frac{T}{4}\) 先行し、加速度 \(a\) は \(x\) と逆位相になる様子が一目で分かります。振幅 A・ばね定数 k・質量 m を変えて、周期や波形の変化を確認しましょう。
ガリレオの発見:教会の天井から揺れるシャンデリアを見て、振り子の等時性(振幅によらず周期が一定)を発見したとされる。単振り子の周期は \(T = 2\pi\sqrt{\dfrac{l}{g}}\) で、振幅が小さいとき成り立つ。
変位最大のとき速度が 0 になる理由:エネルギー保存から理解するのが最も明快。端では全エネルギーが弾性エネルギー \(\tfrac{1}{2}kA^2\)、中心では全エネルギーが運動エネルギー \(\tfrac{1}{2}mv_{\max}^2\)になるため、中心で速度が最大になる。
復元力 \(F = -kx\) と運動方程式 \(F = ma\) から:
$$ m\frac{d^2x}{dt^2} = -kx \quad \Longrightarrow \quad \frac{d^2x}{dt^2} + \omega^2 x = 0 \quad (\omega = \sqrt{\dfrac{k}{m}}) $$
この2階線形微分方程式の一般解は \(x(t) = A\sin(\omega t + \varphi)\) です。変位を時間で微分すると速度が得られます。
$$ v = \frac{dx}{dt} = A\omega\cos(\omega t + \varphi) $$
さらに速度を時間で微分すると加速度になり、変位との関係が明らかになります。
$$ a = \frac{dv}{dt} = -A\omega^2\sin(\omega t + \varphi) = -\omega^2 x $$
加速度が変位に比例し逆符号(\(a = -\omega^2 x\))であることが、「単振動の条件」そのものです。この微分方程式の形を見抜けば、周期が \(T = \dfrac{2\pi}{\omega}\) であることは自動的に出てきます。
エネルギー保存の微積分的導出:運動方程式 \(\frac{d^2x}{dt^2} = -\omega^2 x\) の両辺に \(\frac{dx}{dt}\) をかけて時間で積分すると、次の保存量が得られます。
$$ \frac{1}{2}\left(\frac{dx}{dt}\right)^2 + \frac{1}{2}\omega^2 x^2 = \text{一定} $$
両辺に質量 \(m\) をかけ、\(k = m\omega^2\) を用いると、これは力学的エネルギー保存 \(\frac{1}{2}mv^2 + \frac{1}{2}kx^2 = E\) そのものであることがわかります。
変位や速度は時間とともに変わるが、全体のエネルギーはどうなるだろう?——運動エネルギーと弾性エネルギーが交互に変換され、力学的エネルギーは保存される。
ばねが振動すると、運動エネルギー \(\frac{1}{2}mv^2\) と弾性エネルギー \(\frac{1}{2}kx^2\) が交互に変換されます。その和(全エネルギー \(E\))は常に一定。速度が 0 になる端(\(x=\pm A\))では全部が弾性エネルギーになるので、その一定値は \(E=\frac{1}{2}kA^2\) と分かります。
| 位置 | 変位 x | 速度 v | 運動エネルギー | 弾性エネルギー |
|---|---|---|---|---|
| つりあい位置 | 0 | 最大 (\(A\omega\)) | 最大 (\(\frac{1}{2}kA^2\)) | 0 |
| 振幅の端 | \(\pm A\) | 0 | 0 | 最大 (\(\frac{1}{2}kA^2\)) |
| 中間点 | \(\pm\dfrac{A}{\sqrt{2}}\) | \(\pm\dfrac{A\omega}{\sqrt{2}}\) | \(\frac{1}{4}kA^2\) | \(\frac{1}{4}kA^2\) |
ばねを鉛直につるすと、重力の位置エネルギーも絡んで一見ややこしくなります。ところがつりあい位置を原点(基準)にとると、水平ばねとまったく同じ \(\frac12 mv^2 + \frac12 kx^2 =\) 一定 で計算できます。下の図で確かめましょう。
なぜ重力を無視できるのか。 おもりをつるすとばねは \(\Delta l = \dfrac{mg}{k}\) だけ伸びた位置でつりあいます。このつりあい位置を原点にとり、そこからの変位を \(x\) とすると、おもりにはたらく合力は
$$ F = mg - k(\Delta l + x) = \underbrace{(mg - k\Delta l)}_{=\,0} - kx = -kx $$
重力 \(mg\) は「\(\Delta l\) ぶんの弾性力」とちょうど打ち消し合うので、実質的に \(F=-kx\) の水平ばねと同じになります。だからエネルギーも、重力の位置エネルギーを別に書かず、つりあい位置を基準にした弾性エネルギーだけで保存則が成り立ちます。
次のシムでは、おもりにはたらく重力 \(mg\)・弾性力 \(k(\Delta l + x)\)・合力 \(-kx\) をボタンで 1 つずつ消したり出したりできます。重力と弾性力を消して合力だけにすると 🔄 ボタンが押せるようになり、振動したまま画面全体が反時計まわりに 90° 回転します。天井は左の壁になり、\(+x\) は右向きになりますが、合力はどこまでも \(F = -kx\) のまま。最後に「重力とつりあっていた伸び \(\Delta l\)」が縮んで自然長の位置が振動中心 \(\mathrm{O}\) に一致し、まったくの水平ばね振り子になります。
ここが急所。重力と弾性力は「鉛直につるしたからこそ現れる 2 力」ですが、その和は \(-kx\) しかない。運動を決めるのは合力だけなので、向きを変えても水平ばね振り子と同じ運動になり、周期も同じ \(T = 2\pi\sqrt{m/k}\) です。だから鉛直ばねの問題は、つりあい位置を原点にとった瞬間に水平ばねの問題に読み替えてよいのです。
条件:ばね定数 \(k = 40\) N/m のばねに質量 \(m = 0.10\) kg のおもりをつるし、つりあい位置から \(A = 0.050\) m だけ引き下げて静かに離す。つりあい位置(\(x = 0\))を通過するときの速さを求める。
つりあい位置を基準にとれば、重力は相殺されているのでエネルギー保存は \(\frac12 kx^2\) と \(\frac12 mv^2\) だけで書けます。
$$ \frac{1}{2}kA^2 = \frac{1}{2}mv_{\max}^2 \quad\Longrightarrow\quad v_{\max} = A\sqrt{\frac{k}{m}} = 0.050\times\sqrt{\frac{40}{0.10}} = 0.050\times 20 = 1.0 \text{ m/s} $$答え:つりあい位置での速さ \(v_{\max} = 1.0\) m/s。重力の位置エネルギーを一切書かずに解けた点に注目しましょう。
条件:ばね定数 \(k = 200\) N/m、質量 \(m = 0.50\) kg、振幅 \(A = 0.10\) m のばね振り子。つりあい位置での速さ(最大速度)を求める。
全エネルギーは
$$ E = \frac{1}{2}kA^2 = \frac{1}{2} \times 200 \times 0.10^2 = 1.0 \text{ J} $$つりあい位置(\(x = 0\))では全エネルギーが運動エネルギーになるので
$$ \frac{1}{2}mv_{\max}^2 = E \quad \therefore\ v_{\max} = \sqrt{\frac{2E}{m}} = \sqrt{\frac{2 \times 1.0}{0.50}} = \sqrt{4.0} = 2.0 \text{ m/s} $$検算:\(v_{\max} = A\omega = 0.10 \times \sqrt{\dfrac{200}{0.50}} = 0.10 \times 20 = 2.0\) m/s で一致。
答え:最大速度 \(v_{\max} = 2.0\) m/s。
振り子時計:単振り子の等時性(周期が振幅に依存しない)を利用。厳密には \(\sin\theta \fallingdotseq \theta\) の近似で成り立つため、振幅が大きくなると周期はわずかに長くなります。ホイヘンスはサイクロイド曲線のガイドを使って完全な等時性を実現しようとした。
車のサスペンション:ばねとダンパー(減衰器)の組合せ。ばねだけなら単振動が続くが、ダンパーがエネルギーを熱に変換して振動を素早く減衰させる。ばね定数が大きい(硬い足回り)と周期が短くなる。
大学入試で頻出のテーマと解法のポイントを整理しよう。
単振動の問題は「変位・速度・加速度の関係」を素早く読めるかが勝負です。下の図で3つの時間変化を並べ、速度 \(v\) は変位 \(x\) より \(\frac{T}{4}\) 先行し、加速度 \(a\) は \(x\) と逆位相——という位相のずれを目に焼き付けてから、典型問題に進みましょう。
ここまでの内容を、入試で頻出の3つの型で使ってみましょう。どれも「つりあい位置を原点にとって \(F=-kx\) の形をつくる」のが共通のコツです。
ばね定数 \(k\) のばねに質量 \(m\) をつるすと、自然長から \(\Delta l = \dfrac{mg}{k}\) だけ伸びた位置でつりあいます(力の関係は「3. 単振動のエネルギー」の鉛直ばねの図を参照)。このつりあい位置を原点にとり、そこからの変位を \(x\) とします。
【立式】ばねの全伸びは \(\Delta l + x\)。おもりの運動方程式は
$$ ma = mg - k(\Delta l + x) = (mg - k\Delta l) - kx $$
つりあい条件 \(mg = k\Delta l\) より \(mg - k\Delta l = 0\) なので
$$ ma = -kx \quad\Longrightarrow\quad T = 2\pi\sqrt{\frac{m}{k}} $$
重力があっても、周期は水平ばねとまったく同じになるのがポイントです。
【数値例】\(k = 20\) N/m、\(m = 0.50\) kg のとき
$$ T = 2\pi\sqrt{\frac{0.50}{20}} = 2\pi\sqrt{0.025} = 2\pi\times0.158 \fallingdotseq 0.99 \text{ s} $$
振幅 \(A = 0.10\) m で振らせたときの最大の速さは \(v_{\max} = A\omega = A\sqrt{\dfrac{k}{m}} = 0.10\times\sqrt{40} \fallingdotseq 0.63\) m/s。下の図で、つりあい位置を中心に振動する様子を確かめましょう。
ばねが2本になると、まず合成ばね定数 \(k_{合成}\) を求めてから \(T = 2\pi\sqrt{\dfrac{m}{k_{合成}}}\) を使います。つなぎ方で合成のしかたが変わります。
| つなぎ方 | ようす | 合成ばね定数 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 並列 (両側から挟む/並べる) | 物体を \(x\) 動かすと2本とも同じ \(x\) だけ変形 | \(k_{合成} = k_1 + k_2\) | 復元力が両方から足される:\(F=-(k_1+k_2)x\) |
| 直列 (縦につなぐ) | 同じ力がかかり、伸びが2本に分かれる | \(\dfrac{1}{k_{合成}} = \dfrac{1}{k_1}+\dfrac{1}{k_2}\) | 全体の伸び=各ばねの伸びの和 |
【数値例】\(k_1 = k_2 = 30\) N/m を並列にして \(m = 0.60\) kg を支えると、\(k_{合成} = 60\) N/m だから
$$ T = 2\pi\sqrt{\frac{0.60}{60}} = 2\pi\sqrt{0.010} = 2\pi\times0.10 \fallingdotseq 0.63 \text{ s} $$
同じ2本でも直列なら \(k_{合成} = 15\) N/m になり、周期は \(\sqrt{\dfrac{60}{15}} = 2\) 倍の約 1.3 s。つなぎ方で周期が変わるのがポイントです。下の図で[並列][直列]を切り替えて確かめましょう。
「ある位置での速さ」はエネルギー保存で求めるのが定石です。振幅 \(A\)、変位 \(x\) のときの速さ \(v\) を出しましょう。
【立式】力学的エネルギー保存(つりあい位置基準)より、任意の位置の \(\frac12 mv^2 + \frac12 kx^2\) は端 \(x=A\) での弾性エネルギー \(\frac12 kA^2\) に等しい:
$$ \frac{1}{2}mv^2 + \frac{1}{2}kx^2 = \frac{1}{2}kA^2 $$
\(v^2\) について解き、\(\omega = \sqrt{\dfrac{k}{m}}\) を使うと
$$ v^2 = \frac{k}{m}(A^2 - x^2) = \omega^2 (A^2 - x^2) \quad\Longrightarrow\quad v = \omega\sqrt{A^2 - x^2} $$
中心 \(x=0\) で \(v_{\max} = A\omega\)、端 \(x=\pm A\) で \(v = 0\)。下の図でスライダーを動かすと、位置ごとの速さが右のグラフと連動して変わります。
ばね振子・単振り子・U字管の3タイプを切り替えて、周期 T を予測しよう。練習問題ボタンでランダムな値が出題されます。エネルギー図も同時に確認できます。