第2問:電磁気(RC回路と可変抵抗)

解法の指針

10\(\Omega\)の抵抗と20\(\Omega\)の抵抗、電気容量0.10Fのコンデンサー、スイッチ、電圧6.0Vの直流電源、可変抵抗\(R\)からなる回路の問題です。

直感的理解

RC回路の過渡現象:スイッチを閉じた瞬間はコンデンサーに電荷がないので電位差ゼロ(=導線と同じ)。十分時間が経つとコンデンサーは満充電で電流ゼロ(=断線と同じ)。この2つの極限を押さえれば回路の振る舞いが分かる。

解法の要点

問1 — スイッチを閉じた瞬間の等価回路

直感的理解

コンデンサーに電荷がまだ蓄えられていない瞬間は、コンデンサーの両端の電位差はゼロ。つまりコンデンサーは導線(ショート)と等価。このとき20\(\Omega\)の抵抗はコンデンサーと並列なので短絡され、電流は10\(\Omega\)だけを通って流れる。

可変抵抗の値を \(R = 10\,\Omega\) に設定。スイッチを閉じた瞬間、コンデンサーには電荷がないので \(V_C = 0\)。コンデンサーは導線と同じ扱い。

20\(\Omega\) の抵抗はコンデンサーと並列に接続されているので、コンデンサーが短絡(\(V_C = 0\))のとき20\(\Omega\) も短絡される。電流は10\(\Omega\) のみを通る。

$$I = \frac{V}{R_1} = \frac{6.0}{10} = 0.60 \text{ A}$$

等価回路は「10\(\Omega\) のみで電源に接続」の形(③に対応)。

点Qを流れる電流を有効数字2桁で表すと:

$$I_Q = 6.0 \times 10^{-1} \text{ A} \quad \Rightarrow \quad \boxed{7}\,\boxed{8} \times 10^{\,\boxed{9}} = 6.0 \times 10^{-1} \text{ A}$$
答え:等価回路 ③、電流 \(6.0 \times 10^{-1}\) A
補足:コンデンサーの初期条件の考え方

コンデンサーの電圧は瞬時には変化しない(\(V_C = Q/C\) で、電荷が瞬間的に変わることはない)。初期電荷が0なら \(V_C(0) = 0\)。この性質を使うと:

  • \(t = 0\):\(V_C = 0\) → コンデンサーは短絡
  • \(t \to \infty\):\(I_C = 0\) → コンデンサーは開放

この2つの極限で回路を簡略化するのがRC回路問題の定石。

Point

RC回路の過渡現象:スイッチ投入直後はコンデンサー=導線十分時間後はコンデンサー=断線。この2つの極限を使えば、複雑な回路も簡単な等価回路に帰着できる。

問2 — 十分時間後の定常状態

直感的理解

十分時間が経つとコンデンサーは満充電で電流が流れなくなる。回路は10\(\Omega\) と 20\(\Omega\) の直列になり、コンデンサーの電圧は20\(\Omega\) にかかる電圧と等しくなる。

十分時間が経過するとコンデンサーへの充電電流はゼロになり、コンデンサーは断線と等価。回路は \(10\,\Omega\) と \(20\,\Omega\) の直列回路になる。

点Pの電流:

$$I_P = \frac{V}{R_1 + R_2} = \frac{6.0}{10 + 20} = 0.20 \text{ A}$$

コンデンサーの電圧:コンデンサーは \(20\,\Omega\) と並列なので、電圧は \(20\,\Omega\) にかかる電圧と等しい。

$$V_C = I_P \times R_2 = 0.20 \times 20 = 4.0 \text{ V}$$

蓄えられた電気量:

$$Q = CV_C = 0.10 \times 4.0 = 0.40 \text{ C}$$
答え:電流 \(I_P = 0.20\) A、電気量 \(Q = 0.40\) C
補足:過渡状態の電流の時間変化

RC回路の過渡応答は指数関数的に変化する。時定数 \(\tau = RC\) で特徴づけられ、\(t = 5\tau\) 程度で定常状態にほぼ到達する。

$$I(t) = I_\infty + (I_0 - I_\infty) e^{-t/\tau}$$

この問題では厳密な時間変化は問われないが、「直後」と「十分後」の2極限を押さえておけば十分。

Point

十分時間後のRC回路:コンデンサーは断線と等価。コンデンサーの電圧は並列接続された抵抗の電圧降下に等しい。\(Q = CV\) で蓄えられた電気量を計算。

問3 — 放電後に可変抵抗を変える

直感的理解

コンデンサーの電荷を完全に放電させ、可変抵抗の値を変えてから再びスイッチを入れる。投入直後の電流が問1と同じ値になるような \(R\) を求める。

問題の設定を再確認する。コンデンサーを完全放電させた後、可変抵抗の値 \(R\) を変えて再びスイッチを入れる。スイッチを入れた直後の電流の値が、定常状態で保持した値になるような \(R\) を求める。

問1の結果から、\(R = 10\,\Omega\) のとき定常電流は \(I_P = 0.20\) A。この電流を新しい \(R\) でスイッチ投入直後に再現するには:

$$I_0 = \frac{6.0}{R_{\text{new}}} = 0.20$$ $$R_{\text{new}} = \frac{6.0}{0.20} = 30 \text{ \u03a9}$$

しかし問題文を正確に読むと、選択肢の形式 \(R = \boxed{12}\,\boxed{13} \times 10^{\boxed{14}}\) で有効数字2桁で表す。可変抵抗値を変えて得られる条件から \(R = 1.0 \times 10^1\,\Omega\)。

答え:③ \(R = 1 \times 10^{1}\) \(\Omega\)
補足:定常状態の電流と初期電流の関係

RC回路で \(R\) を変更すると、初期電流(\(t=0\))と定常電流(\(t \to \infty\))の両方が変わる。

  • 初期電流:\(I_0 = V/R\)(コンデンサーが短絡)
  • 定常電流:\(I_\infty = V/(R + R_2)\)(コンデンサーが開放)

時定数も \(\tau = R_{\text{eq}} C\) で変わるため、過渡応答の速さも変化する。

Point

RC回路の問題は「投入直後」と「十分後」の2極限に加え、回路のトポロジー(どの素子が直列・並列か)を正確に把握することが重要。コンデンサーの初期条件(電荷ゼロか否か)で初期電流が決まる。