前期 大問2(万有引力:楕円軌道と静止衛星)

解法の指針

直感的理解
惑星のまわりを周回する探査機の運動を扱う。円軌道から楕円軌道への遷移、ケプラーの法則、静止衛星軌道、質量体の打ち出しと軌道変更まで、万有引力の総合問題。各段階で力学的エネルギー保存と角運動量保存を使い分ける。

この問題は以下の段階で構成されています。

問題設定の確認
・惑星の質量 \(M\)、中心 O、静止と見なす
・探査機の質量 \(m\)(\(m \ll M\))
・円軌道の半径 \(R\)、点Aで惑星に最接近
・円軌道上の速さ \(V_1\)
・楕円軌道:点A(距離 \(R\))で最接近、点B(距離 \(R'\))で最遠
・万有引力定数 \(G\)、位置エネルギーの基準は無限遠
・点Aでの位置エネルギー \(= -G\dfrac{Mm}{R}\)
Point

楕円軌道の問題では、エネルギー保存と角運動量保存(ケプラーの第2法則)を連立させて2つの未知数(遠地点の速さと距離)を求めるのが定石です。

問1:円軌道の速さ \(V_1\)

直感的理解
円軌道では万有引力が向心力になる。これは万有引力の最も基本的な関係式。

半径 \(R\) の円軌道上を速さ \(V_1\) で等速円運動するとき、万有引力が向心力となります:

$$ G\frac{Mm}{R^2} = \frac{mV_1^2}{R} $$ $$ V_1^2 = \frac{GM}{R} $$ $$ V_1 = \sqrt{\frac{GM}{R}} $$
答え:
$$V_1 = \sqrt{\frac{GM}{R}}$$
💡 別解:力学的エネルギーから確認

円軌道の力学的エネルギーは \(E = -\dfrac{GMm}{2R}\) です。

これは \(E = \dfrac{1}{2}mV_1^2 - \dfrac{GMm}{R} = \dfrac{GMm}{2R} - \dfrac{GMm}{R} = -\dfrac{GMm}{2R}\) で確認できます。

Point

\(V_1 = \sqrt{GM/R}\) は第一宇宙速度の一般形です。\(R\) が大きいほど速さは小さくなります。

問2:楕円軌道に入るための速度条件

直感的理解
円軌道から楕円軌道に遷移するには、点Aで速度を変える。惑星から最も遠ざかる楕円軌道(Bが最遠点)は、Aでの速さが円軌道の速さより大きいが、脱出速度より小さい範囲にある。

探査機が惑星の周りの楕円軌道(円軌道ではない)を描くには、点Aでの速さ \(V_1'\) は:

脱出速度との関係:

$$ V_e = \sqrt{\frac{2GM}{R}} = \sqrt{2} \cdot V_1 $$

したがって楕円軌道の条件は:

$$ V_1 < V_1' < \sqrt{2}\,V_1 $$
答え:

\(V_1'\) はある値 \(V_1\) より大きく(\(V_1' > V_1\))なければならない。

また、無限遠に飛び去らないためには \(V_1' < \sqrt{2}\,V_1\)。

\(V_1\) を \(G, M, R\) で表すと:\(V_1' > \sqrt{\dfrac{GM}{R}}\)、かつ \(V_1' < \sqrt{\dfrac{2GM}{R}}\)

📐 別解:力学的エネルギーの符号から

楕円軌道(束縛軌道)の条件は、全力学的エネルギーが負であること:

$$ E = \frac{1}{2}m{V_1'}^2 - \frac{GMm}{R} < 0 $$ $$ {V_1'}^2 < \frac{2GM}{R} \quad \Rightarrow \quad V_1' < \sqrt{\frac{2GM}{R}} $$

一方、円軌道より膨らむためには \(V_1' > V_1 = \sqrt{GM/R}\) が必要です。

Point

脱出速度は円軌道速度の \(\sqrt{2}\) 倍です。\(V_1 < V_1' < \sqrt{2}\,V_1\) の範囲で楕円軌道となります。

問3:ケプラーの第2法則(面積速度一定)

直感的理解
中心力(万有引力)のもとでは角運動量が保存するため、惑星に近いほど速く、遠いほど遅く動く。これがケプラーの第2法則(面積速度一定の法則)。

ケプラーの第2法則は角運動量保存と等価です。点Aと点Bでは速度と位置ベクトルが直交するため:

$$ R \cdot V_1' = R' \cdot V_1' $$

正確に書くと、点Aでは距離 \(R\)、速さ \(V_1'\)、点Bでは距離 \(R'\)、速さ \(V_B\) として:

$$ R \cdot V_1' = R' \cdot V_B $$

これを \(R\) と \(V_1'\) で表すと:

答え:
$$R V_1' = R' V_B$$

(点Aと点Bで面積速度が等しい)

📐 別解:角運動量保存の導出

万有引力は中心力なので、惑星中心まわりのトルクはゼロです:

$$ \vec{\tau} = \vec{r} \times \vec{F} = 0 \quad (\vec{F} \parallel \vec{r}) $$

よって角運動量 \(L = m r v_\perp\) が保存されます。楕円の近点・遠点では速度が接線方向なので \(v_\perp = v\) となり、\(L = mRV_1' = mR'V_B\)。

Point

楕円軌道の近点と遠点では、速度ベクトルが位置ベクトルに垂直なので、角運動量保存が \(rv = \text{const}\) の簡潔な形になります。

問4:点Bでの速さ \(V_B\) と距離 \(R'\)

直感的理解
エネルギー保存と角運動量保存を連立して、\(V_B\) と \(R'\) の2つの未知数を求める。これが楕円軌道問題の定石。

力学的エネルギー保存(AとBの間):

$$ \frac{1}{2}m{V_1'}^2 - \frac{GMm}{R} = \frac{1}{2}m V_B^2 - \frac{GMm}{R'} $$

角運動量保存(問3より):

$$ R V_1' = R' V_B \quad \Rightarrow \quad V_B = \frac{R V_1'}{R'} $$

エネルギー保存に代入します:

$$ \frac{1}{2}{V_1'}^2 - \frac{GM}{R} = \frac{1}{2}\left(\frac{R V_1'}{R'}\right)^2 - \frac{GM}{R'} $$ $$ \frac{1}{2}{V_1'}^2 - \frac{GM}{R} = \frac{R^2 {V_1'}^2}{2{R'}^2} - \frac{GM}{R'} $$

整理すると(\(\dfrac{1}{R'}\) について解く):

$$ \frac{1}{2}{V_1'}^2\left(1 - \frac{R^2}{{R'}^2}\right) = \frac{GM}{R} - \frac{GM}{R'} = GM\left(\frac{1}{R} - \frac{1}{R'}\right) $$ $$ \frac{1}{2}{V_1'}^2 \cdot \frac{(R' - R)(R' + R)}{{R'}^2} = GM \cdot \frac{R' - R}{R \cdot R'} $$

\(R' \neq R\) なので両辺を \(R' - R\) で割ると:

$$ \frac{{V_1'}^2(R' + R)}{2{R'}^2} = \frac{GM}{R \cdot R'} $$ $$ \frac{{V_1'}^2 R(R' + R)}{2R'} = GM $$

これと \(V_1^2 = GM/R\) を使って:

$$ R' = \frac{R{V_1'}^2}{2GM - R{V_1'}^2} \cdot R = \frac{{V_1'}^2 R^2}{2V_1^2 R - {V_1'}^2 R} = \frac{{V_1'}^2 R}{2V_1^2 - {V_1'}^2} $$

そして \(V_B\):

$$ V_B = \frac{RV_1'}{R'} = \frac{RV_1'(2V_1^2 - {V_1'}^2)}{{V_1'}^2 R} = \frac{2V_1^2 - {V_1'}^2}{V_1'} $$
答え:
$$R' = \frac{{V_1'}^2 R}{2GM/R - {V_1'}^2} = \frac{{V_1'}^2 R}{2V_1^2 - {V_1'}^2}$$ $$V_B = \frac{R V_1'}{R'} = \frac{2V_1^2 - {V_1'}^2}{V_1'}$$

(\(G, M, V_1, R\) で表現)

💡 別解:ビエタの公式(2次方程式の解の性質)を使う方法

エネルギー保存と角運動量保存を \(r\) について整理すると、\(r = R\) と \(r = R'\) が2次方程式の2解になります。

角運動量 \(L = mRV_1'\)、エネルギー \(E = \dfrac{1}{2}m{V_1'}^2 - \dfrac{GMm}{R}\) として、

$$ E = \frac{L^2}{2mr^2} - \frac{GMm}{r} $$

これを整理すると \(r\) の2次方程式になり、\(R \cdot R' = -\dfrac{L^2}{2mE}\) が得られます。

Point

\(V_1' \to \sqrt{2}\,V_1\) のとき \(R' \to \infty\)(放物線軌道)、\(V_1' = V_1\) のとき \(R' = R\)(円軌道)となり、物理的に矛盾がないことを確認しましょう。

問5:静止衛星軌道上の探査機の速さ

直感的理解
質量体を打ち出して質量が \(m - m_1\) になった探査機が半径 \(R\) の円軌道で静止衛星となる。静止衛星とは、惑星の自転と同じ周期で周回し、惑星から見て静止して見える衛星。

問題文から、探査機は質量体 \(m_1\) を打ち出し、質量 \(m - m_1\) で半径 \(R\) の円軌道を周回します。この軌道が静止衛星軌道です。

円軌道の速さは質量によらず:

$$ V_s = \sqrt{\frac{GM}{R}} = V_1 $$
答え:
$$V_s = V_1 = \sqrt{\frac{GM}{R}}$$

(\(G, M, R\) を用いて表す)

💡 別解:静止衛星の定義からの導出

静止衛星軌道上を運動する探査機(惑星上から見て静止)の軌道速さは、惑星の質量と軌道半径だけで決まります。探査機の質量には依存しません。これは万有引力の式 \(F = GMm/R^2\) と向心力 \(F = mv^2/R\) の両方に \(m\) が含まれ、約分されるためです。

Point

円軌道の速さは衛星の質量に依存しません。これが万有引力の「等価原理」に関連する重要な性質です。

問6:惑星の自転周期

直感的理解
静止衛星は惑星の自転周期と同じ周期で周回する。円軌道の周期を求めればよい。

半径 \(R\) の円軌道の周期は:

$$ T = \frac{2\pi R}{V_1} = \frac{2\pi R}{\sqrt{GM/R}} = 2\pi\sqrt{\frac{R^3}{GM}} $$

静止衛星の周期 = 惑星の自転周期なので:

答え:
$$T = 2\pi\sqrt{\frac{R^3}{GM}} = \frac{2\pi R}{V_1}$$
📐 別解:ケプラーの第3法則から

ケプラーの第3法則 \(T^2 = \dfrac{4\pi^2}{GM}R^3\) を直接使えば同じ結果が得られます。

Point

静止衛星は \(T = \text{自転周期}\) を満たす特定の軌道半径に存在します。地球では約 36,000 km の高度(半径約 42,000 km)です。

問7:打ち出し直後の質量体の相対速度 \(u\)

直感的理解
探査機が質量体 \(m_1\) を進行方向に速さ \(u\)(相対速度)で打ち出す。運動量保存から、打ち出し後の探査機と質量体の速度を求める。

打ち出し前:全体の質量 \(m\)、速度 \(V_1'\)(\(V_1' < V_1\)、つまり Aで減速して静止軌道に入るシナリオ)。

実際に問題文を確認すると、探査機は速度 \(V_1'\) で円軌道上を運動しており、質量体 \(m_1\) を探査機進行方向に相対速度 \(u\) で打ち出して、残った探査機(質量 \(m - m_1\))が円軌道(速さ \(V_1\))に乗ります。

運動量保存則:

打ち出し前の全運動量 = 打ち出し後の運動量の和

$$ mV_1' = (m - m_1)V_s + m_1(V_s + u) $$

ここで打ち出し後の質量体の速さは、探査機から見て相対速度 \(u\) で進行方向に打ち出されるので \(V_s + u\) ではなく... 問題文をもう一度確認します。

「探査機から見て相対的な速さ \(u\) で探査機進行方向に打ち出した」ので、惑星系での質量体の速度は打ち出し後の探査機の速度 + \(u\) です。

打ち出し後の探査機の速度を \(V_s = V_1\) とすると:

$$ mV_1' = (m - m_1)V_1 + m_1(V_1 + u) $$

展開して整理:

$$ mV_1' = mV_1 - m_1 V_1 + m_1 V_1 + m_1 u = mV_1 + m_1 u $$ $$ m_1 u = m(V_1' - V_1) $$

ここで \(V_1' > V_1\)(楕円軌道に入るためAで加速していたので)、待ってください。問題の流れを再確認します。

問題文では、探査機は最初に円軌道(速さ \(V_1\))上にあり、点Aで加速して楕円軌道(速さ \(V_1'\))に入ります。その後、静止衛星軌道に乗るために質量体を打ち出します。

実は問5以降は別の状況設定で、探査機が質量 \(m_1\) の質量体を打ち出して(速さ \(V_1'\) で進行方向に打ち出し)、質量 \(m - m_1\) の探査機が半径 \(R\) の円軌道(静止衛星)に残るという状況です。

$$ mV_1' = (m - m_1)V_1 + m_1(V_1 + u) $$

ではなく、打ち出し後の探査機の速度が \(V_1\) になるように質量体を打ち出すのですが、実際の打ち出し方向が進行方向であることに注意します。

再整理:運動量保存

$$ m V_1 = (m - m_1)V_1 + m_1 v_1' $$

ここで \(v_1'\) は質量体の惑星系での速度。相対速度 \(u = v_1' - V_1\)(探査機から見た質量体の速度)なので \(v_1' = V_1 + u\)。

しかし問5では探査機は静止衛星(\(V_s = V_1\))になるので状況が異なります。

問題文に戻ると、質量体打ち出しの直前は円軌道上で速度 \(V_1\) でした(問8の文脈)。打ち出しで探査機が静止衛星に「なった」のではなく、既に円軌道上にいて質量体を打ち出す場面です。

答え:

運動量保存より:

$$u = \frac{m(V_1' - V_1)}{m_1}$$

を \(G, M, m, m_1, V_1, R\) で表す。

💡 別解:エネルギー収支の確認

打ち出し前後のエネルギー差は、質量体打ち出しに使われた内部エネルギー(推進剤のエネルギー等)に相当します。これが問9で問われます。

Point

質量体打ち出しの問題では、運動量保存(外力なし or 短時間の打ち出し)を適用し、惑星系での速度と相対速度の関係を正確に区別することが重要です。

問8:質量体が脱出するための条件(\(m_1\) の最小値 \(m_0\))

直感的理解
打ち出した質量体が惑星の引力を振り切って無限遠に飛び去るためには、質量体の速度が脱出速度以上でなければならない。

質量体の惑星系での速度 \(v_{\text{mass}}\) は打ち出し後の探査機の速度 \(V_s = V_1\) に相対速度 \(u\) を加えたもの:

$$ v_{\text{mass}} = V_1 + u $$

脱出条件は:

$$ v_{\text{mass}} \geq v_{\text{esc}} = \sqrt{\frac{2GM}{R}} = \sqrt{2}\,V_1 $$

問7の結果 \(u = \dfrac{m(V_1' - V_1)}{m_1}\) を使うと:

$$ V_1 + \frac{m(V_1' - V_1)}{m_1} \geq \sqrt{2}\,V_1 $$ $$ \frac{m(V_1' - V_1)}{m_1} \geq (\sqrt{2} - 1)V_1 $$ $$ m_1 \leq \frac{m(V_1' - V_1)}{(\sqrt{2} - 1)V_1} $$

脱出できなくなる限界の \(m_0\) は等号のとき:

答え:
$$m_0 = \frac{m(V_1' - V_1)}{(\sqrt{2} - 1)V_1}$$

(\(G, M, m, m_1, V_1, R\) で表現。\(m_1 > m_0\) のとき質量体は脱出できない)

📐 別解:力学的エネルギーの符号からの導出

質量体が無限遠に到達するための条件は、力学的エネルギーが非負であること:

$$ \frac{1}{2}m_1 v_{\text{mass}}^2 - \frac{GMm_1}{R} \geq 0 $$ $$ v_{\text{mass}}^2 \geq \frac{2GM}{R} = 2V_1^2 $$

これは \(v_{\text{mass}} \geq \sqrt{2}\,V_1\) と同じ条件です。

Point

\(m_1\) が大きいほど \(u\) が小さくなり(同じ運動量変化を大きい質量に配分)、質量体の速度が小さくなります。\(m_1 = m_0\) でちょうど脱出速度に等しくなる限界値です。

問9:質量体打ち出しに必要なエネルギー \(\Delta E\)

直感的理解
打ち出し前後の運動エネルギーの差が、打ち出しに必要な内部エネルギー(化学エネルギー等)に相当する。

打ち出し前の運動エネルギー:\(\dfrac{1}{2}m{V_1}^2\)(探査機全体が速さ \(V_1\))

打ち出し後の運動エネルギー:

ここで \(V_s\) は打ち出し後の探査機の速度。\(\Delta E\) は打ち出し前後の運動エネルギーの差です。

問題文は \(\Delta E = C'(V_s - V_1)^2\) の形で表せるとしており、\(C'\) を \(m, m_1\) で表せと問うています。

打ち出し前後を一般的に考えます。質量 \(m\)、速度 \(V_1\) の探査機が、質量 \(m_1\) を相対速度 \(u\) で打ち出し:

$$ \Delta E = \frac{1}{2}(m - m_1)V_s^2 + \frac{1}{2}m_1(V_s + u)^2 - \frac{1}{2}mV_1^2 $$

運動量保存 \(mV_1 = (m-m_1)V_s + m_1(V_s+u)\) より \(V_s = V_1 - \dfrac{m_1 u}{m}\)。

重心系で考えると、内部運動エネルギーの変化のみが \(\Delta E\) です:

$$ \Delta E = \frac{1}{2}\frac{m_1(m - m_1)}{m}u^2 $$

ここで \(u = \dfrac{m(V_s - V_1)}{-m_1}\) ではなく... 運動量保存から

\(mV_1 = (m - m_1)V_s + m_1(V_s + u) = mV_s + m_1 u\)

\(\Rightarrow u = \dfrac{m(V_1 - V_s)}{m_1}\)

代入すると:

$$ \Delta E = \frac{1}{2}\frac{m_1(m-m_1)}{m} \cdot \frac{m^2(V_1 - V_s)^2}{m_1^2} = \frac{m(m - m_1)}{2m_1}(V_1 - V_s)^2 $$
答え:
$$C' = \frac{m(m - m_1)}{2m_1}$$

(\(\Delta E = C'(V_s - V_1)^2\) の形)

💡 別解:直接計算による確認

直接展開して確認します。\(V_s = V_1 - \dfrac{m_1 u}{m}\)、\(v' = V_s + u = V_1 + \dfrac{(m-m_1)u}{m}\) として:

$$ \Delta E = \frac{1}{2}(m-m_1)\left(V_1 - \frac{m_1 u}{m}\right)^2 + \frac{1}{2}m_1\left(V_1 + \frac{(m-m_1)u}{m}\right)^2 - \frac{1}{2}mV_1^2 $$

展開すると交差項が打ち消し合い、\(\dfrac{m_1(m-m_1)}{2m}u^2\) が残ります。これは重心系での換算質量 \(\mu = \dfrac{m_1(m-m_1)}{m}\) を使った相対運動の運動エネルギーです。

Point

打ち出しのエネルギーは「重心系での相対運動の運動エネルギー変化」に等しくなります。換算質量 \(\mu = m_1(m-m_1)/m\) が自然に現れるのが特徴です。