前期 大問1

解法の指針

質量 $M$ の2つの小球 A・B を、ばね定数 $k$・自然長 $L$ の3本のばね(S1, S2, S3)で壁 P と壁 Q の間に直列連結した系です。前半は水平面上での単振動、後半は装置全体を斜面に固定したときのつりあいを扱います。

着眼点

全体を貫くポイント

準備:2球の運動方程式

直感的理解
A も B も、両隣のばねから引っぱられ/押される。A の左は壁 P に固定された S1、右は B につながった S2。B の左は A につながった S2、右は壁 Q に固定された S3。この「つながり」を式にすると、A と B が連動する連立方程式になります。まずこの共通の式を立てておけば、以降の全設問はこれを使い回すだけです。

設定:A の右向き変位を $x_A$、B の右向き変位を $x_B$ とする(自然長状態を基準、右向きを正)。各ばねの伸びは次の通り:

立式:フックの法則で各ばねの張力を求め、A・B の運動方程式を書く。A には S1 が左向きに $k x_A$、S2 が右向きに $k(x_B - x_A)$:

$$M\ddot{x}_A = -k x_A + k(x_B - x_A) = -2k x_A + k x_B$$

B には S2 が左向きに $k(x_B - x_A)$、S3 が左向きに $k x_B$:

$$M\ddot{x}_B = -k(x_B - x_A) - k x_B = k x_A - 2k x_B$$

この2式が本問の「核」である。辺々を足し引きすると、2つの独立な単振動に分離できる:

同相モード(辺々の和)
$u = x_A + x_B$ とおくと
$$M\ddot{u} = -k u$$ $\omega_+ = \sqrt{\dfrac{k}{M}}$
逆相モード(辺々の差)
$w = x_A - x_B$ とおくと
$$M\ddot{w} = -3k w$$ $\omega_- = \sqrt{\dfrac{3k}{M}}$
基本式:
$$M\ddot{x}_A = -2k x_A + k x_B,\qquad M\ddot{x}_B = k x_A - 2k x_B$$ 同相 $\omega_+=\sqrt{k/M}$、逆相 $\omega_-=\sqrt{3k/M}$
補足:なぜモードに分けると解けるのか

連立微分方程式は、変数の組み合わせ $u=x_A+x_B,\ w=x_A-x_B$ を作ると各々が独立な単振動方程式になります(基準振動=ノーマルモード)。一般の初期条件は、この2つの単振動の重ね合わせで表せます。$x_A = \tfrac12(u+w),\ x_B = \tfrac12(u-w)$ で元に戻せます。

Point 連結2球のばね系は、まず運動方程式を連立し、和・差をとって同相・逆相の2モードに分けるのが定石。以降の設問はこの2モードの組み合わせで一気に解ける。

設問(1):S1が自然長になった時のAの速さ V

直感的理解
A と B をそろえて同じだけ右へずらして放すので、2球は最後まで同じ動きをします(同相モード)。このとき中央の S2 は伸び縮みせず、A から見ると「壁 P に付いた S1 だけ」で振動しているのと同じ。S1 が自然長に戻る瞬間が振動の中心=速さが最大になる瞬間です。

立式:A・B を同時に右へ $X$ ずらして放すので、初期条件は $x_A=x_B=X$、初速 0。この対称な初期条件では以後つねに $x_A=x_B\ (\equiv x)$ が保たれる(同相モード)。基本式に $x_A=x_B=x$ を代入:

$$M\ddot{x} = -2k x + k x = -k x$$

角振動数は $\omega_+ = \sqrt{\dfrac{k}{M}}$、振幅 $X$ の単振動。振動中心は $x=0$(=S1 が自然長 $x_A=0$ の位置)である。

速さの計算:単振動では中心で速さが最大となり、その値は $v_{\max}=\omega_+ X$。S1 が自然長になる瞬間はまさに中心なので:

$$V = \omega_+ X = X\sqrt{\dfrac{k}{M}}$$
答え: $$V = X\sqrt{\dfrac{k}{M}}$$
別解:エネルギー保存で求める

同相運動では S2 は自然長のままなので、蓄えられるのは S1・S3 の弾性エネルギーのみ。始状態(変位 $X$、静止)から中心(変位 0、速さ $V$)までのエネルギー保存:

$$\underbrace{\tfrac12 kX^2 + \tfrac12 kX^2}_{\text{S1,S3の弾性E}} = \underbrace{\tfrac12 M V^2 + \tfrac12 M V^2}_{\text{A,Bの運動E}}$$

左辺 $=kX^2$、右辺 $=MV^2$ より $V^2 = \dfrac{kX^2}{M}$、すなわち $V = X\sqrt{k/M}$。本解と一致する。

Point 2球が同相で動くと中央ばね S2 は伸縮せず、有効ばね定数は $k$(同相モード)。単振動の中心で速さが最大 $v_{\max}=\omega A$ を使う。

設問(2):小球Bの振動周期 T_B

直感的理解
設問(1)と同じ同相モードの運動。B も A とまったく同じ角振動数で振れます。周期は角振動数だけで決まるので、$\omega_+=\sqrt{k/M}$ からただちに求まります。

立式:設問(1)と同じ初期条件(A・B ともに右へ $X$、初速 0)なので、B も $x_B=x_A=x$ の同相運動:

$$M\ddot{x}_B = k x_A - 2k x_B = k x - 2k x = -k x$$

したがって B の角振動数は $\omega_+ = \sqrt{\dfrac{k}{M}}$。周期は $T=\dfrac{2\pi}{\omega}$ より:

$$T_B = \dfrac{2\pi}{\omega_+} = 2\pi\sqrt{\dfrac{M}{k}}$$
答え: $$T_B = 2\pi\sqrt{\dfrac{M}{k}}$$
補足:A と B の周期は等しい

同相モードでは A・B が完全に一体で動くため、両者の角振動数・周期は同一です。よって $T_A=T_B=2\pi\sqrt{M/k}$。設問(1)の A の運動と同じ周期であることを確認しておきましょう。

Point 同相モードの有効ばね定数は $k$。周期は $T=2\pi\sqrt{M/k_{\text{eff}}}$ に $k_{\text{eff}}=k$ を代入するだけ。

設問(3):小球Aの単振動(振幅・周期・グラフ)

直感的理解
今度は A を右、B を左へと逆向きに $X$ ずらして放します(逆相モード)。逆向きに動くと中央の S2 が大きく伸縮するので、A が受ける復元力は同相のときより強くなります。その分、振動は速く(周期は短く)なります。振幅は動かした量 $X$ のままです。

立式:初期条件は $x_A=X,\ x_B=-X$、初速 0。この対称性から以後つねに $x_B=-x_A\ (\equiv -x)$ が保たれる(逆相モード)。基本式に $x_B=-x_A$ を代入:

$$M\ddot{x}_A = -2k x_A + k(-x_A) = -3k x_A$$

角振動数は $\omega_- = \sqrt{\dfrac{3k}{M}}$。初期変位が $X$、初速 0 なので振幅は $X$。周期は:

$$T = \dfrac{2\pi}{\omega_-} = 2\pi\sqrt{\dfrac{M}{3k}}$$

位置の式(グラフ):A は $t=0$ で正の最大変位 $X$、初速 0 なので余弦関数で表される:

$$x_A(t) = X\cos\!\left(\sqrt{\dfrac{3k}{M}}\;t\right)$$

横軸に時間 $t$、縦軸に A の位置 $x_A$ をとると、$t=0$ で $+X$ から始まり、$\tfrac{T}{2}$ で $-X$、$T$ で再び $+X$ に戻る余弦波を1周期分描けばよい(上のシミュレーション下部のグラフがその形)。

答え:振幅 $X$、周期 $T = 2\pi\sqrt{\dfrac{M}{3k}}$。
位置 $x_A(t)=X\cos\!\left(\sqrt{\dfrac{3k}{M}}\,t\right)$($t=0$ で $+X$、$\tfrac{T}{2}$ で $-X$ の余弦波を1周期)
別解:Aだけに注目した有効ばね定数

逆相運動では B は A の鏡像として動く。A を右へ $x$ ずらすと B は左へ $x$ ずれるので、S2 の伸びは $x_B-x_A=-2x$。A に働く復元力は S1 から $-kx$、S2 から $k(x_B-x_A)=-2kx$。合計 $-3kx$ なので有効ばね定数 $k_{\text{eff}}=3k$。$T=2\pi\sqrt{M/k_{\text{eff}}}=2\pi\sqrt{M/3k}$ と本解に一致する。

Point 逆相だと中央 S2 が2倍の割合で伸縮し、有効ばね定数は $3k$(同相の $k$ より大きい)。初速 0・初期変位最大なら位置は余弦関数、振幅は動かした量そのまま。

設問(4):壁QをYだけ右へ動かしたときのBの変位 ΔY

直感的理解
壁 Q をゆっくり右へ $Y$ 引くと、間の3本のばねが引き伸ばされ、A と B も右へ連れて行かれます。「ゆっくり」なので途中つねに力のつりあいが成り立ちます。全体で $Y$ だけ広がった隙間を、3本のばねがどう分担して伸びるか——それを A・B のつりあいから決めます。

設定:壁 Q を右へ $Y$ 動かした。A・B の右向き変位を $x_A,\ x_B$ とする。壁 Q が動いたので、S3 の伸びは(右端が $Y$、左端が $x_B$ 動くから)$Y - x_B$ に変わる。

立式:準静的なのでつりあい($\ddot{x}=0$)。A のつりあいは基本式の左辺を 0 として:

$$-2k x_A + k x_B = 0 \quad\Rightarrow\quad x_B = 2 x_A \quad\text{…①}$$

B のつりあいは、S2 が左向きに $k(x_B-x_A)$、S3 が右向きに $k(Y-x_B)$:

$$-k(x_B - x_A) + k(Y - x_B) = 0 \quad\Rightarrow\quad x_A - 2x_B + Y = 0 \quad\text{…②}$$

計算:①を②へ代入する。$x_B=2x_A$ を使うと:

$$x_A - 2(2x_A) + Y = 0 \quad\Rightarrow\quad -3x_A + Y = 0 \quad\Rightarrow\quad x_A = \dfrac{Y}{3}$$

①より $x_B = 2x_A = \dfrac{2Y}{3}$。B の右への変位 $\Delta Y$ はこの $x_B$ そのもの:

$$\Delta Y = x_B = \dfrac{2}{3}Y$$
答え: $$\Delta Y = \dfrac{2}{3}Y$$
別解:直列ばねの分担で考える

A も B も自由なら、A の右のばね(S2, S3 が B を介して直列)と A の左のばね(S1)が A を挟む。B の位置は「S1・S2 の直列(定数 $k/2$)」と「S3(定数 $k$)」が Q の変位 $Y$ を分担する比で決まる。直列合成 $k/2$ と $k$ の伸びはばね定数に反比例して分配されるので、B より左側(S1+S2 直列, $k/2$)が $Y\cdot\dfrac{k}{k/2+k}=\dfrac{2Y}{3}$ を伸び、これが B の変位。$\Delta Y=\dfrac{2Y}{3}$ と一致する。

Point ゆっくり動かす操作は各球のつりあいを連立して解く。壁を動かしたら、その壁につながるばねの「伸び」の式を書き換えるのを忘れない。

設問(5):壁Q移動後の小球Aの振動周期 T_A

直感的理解
壁 Q を動かして固定した後の状態から、A を右・B を左へ逆向きに $X$ ずらして放します。壁を動かしてもばね定数は変わらないので、振動の性質(角振動数)は設問(3)の逆相モードとまったく同じ。つりあい位置が少しずれただけで、周期は変わりません。

立式:壁 Q 移動後の新しいつりあい位置を基準に、A・B のそこからの変位を $u_A,\ u_B$ とする。ばねの張力は変位の一次関数なので、つりあいのぶんを差し引くと、$u_A,\ u_B$ に対する運動方程式は基本式とまったく同じ形になる:

$$M\ddot{u}_A = -2k u_A + k u_B,\qquad M\ddot{u}_B = k u_A - 2k u_B$$

初期条件は「A を右・B を左へ $X$」なので $u_A=X,\ u_B=-X$。これは逆相モード($u_B=-u_A$)で、設問(3)と同じく:

$$M\ddot{u}_A = -3k u_A \quad\Rightarrow\quad \omega_- = \sqrt{\dfrac{3k}{M}}$$

よって周期は:

$$T_A = \dfrac{2\pi}{\omega_-} = 2\pi\sqrt{\dfrac{M}{3k}}$$
答え: $$T_A = 2\pi\sqrt{\dfrac{M}{3k}}$$
補足:つりあい位置のずれは周期に無関係

壁 Q を動かすと各ばねの自然状態からの伸びは変わりますが、それはつりあい点(振動中心)を移動させるだけ。復元力の比例係数(ばね定数)は変わらないので角振動数・周期は不変です。これは設問(3)と(5)で周期が一致する理由でもあります。

Point 振動の周期は復元力の比例定数(ばね定数)だけで決まる。つりあい位置がどこにずれても、逆相モードの周期は $2\pi\sqrt{M/3k}$ のまま。

設問(6):斜面上のつりあいでの小球Aの壁Pからの距離

直感的理解
装置全体を角度 $\theta$ の斜面に固定します(P が上、Q が下)。すると A・B には斜面に沿って下向きに重力成分 $Mg\sin\theta$ がかかります。この重力を各ばねが支えるために、上側のばね S1 は伸び、A は自然長の位置より少し斜面下(Q 側)へずれて止まります。壁 P から A までの距離は「S1 の自然長 $L$」に「S1 の伸び」を足したものです。

設定:斜面下向き(P→Q 向き)を正とし、A・B の変位を $x_A,\ x_B$ とする。ばねの伸びは水平のときと同じく S1$=x_A$、S2$=x_B-x_A$、S3$=-x_B$。各球には斜面下向きに重力成分 $Mg\sin\theta$ が加わる。

立式:A のつりあい(下向き正)。S1 は上向きに $kx_A$、S2 は下向きに $k(x_B-x_A)$、重力成分 $Mg\sin\theta$ が下向き:

$$Mg\sin\theta - k x_A + k(x_B - x_A) = 0 \quad\Rightarrow\quad Mg\sin\theta - 2k x_A + k x_B = 0 \quad\text{…①}$$

B のつりあい。S2 は上向きに $k(x_B-x_A)$、S3 は上向きに $kx_B$、重力成分 $Mg\sin\theta$ が下向き:

$$Mg\sin\theta + k x_A - 2k x_B = 0 \quad\text{…②}$$

計算:①と②を辺々引くと重力項が消え、$-3k x_A + 3k x_B = 0$、すなわち $x_A = x_B$。これを①に代入:

$$Mg\sin\theta - 2k x_A + k x_A = 0 \quad\Rightarrow\quad Mg\sin\theta - k x_A = 0 \quad\Rightarrow\quad x_A = \dfrac{Mg\sin\theta}{k}$$

壁 P から A までの距離は「S1 の自然長 $L$」+「S1 の伸び $x_A$」:

$$d_{\mathrm{PA}} = L + x_A = L + \dfrac{Mg\sin\theta}{k}$$
答え: $$d_{\mathrm{PA}} = L + \dfrac{Mg\sin\theta}{k}$$
別解:A・B を一体とみなす

①+②より $2Mg\sin\theta - k x_A - k x_B = 0$。A・B 系全体で見ると、外から支えるのは S1(上向き $kx_A$)と S3(上向き $kx_B$)、重力は $2Mg\sin\theta$。対称性から $x_A=x_B$ が言えるので $2Mg\sin\theta = 2kx_A$、$x_A=\dfrac{Mg\sin\theta}{k}$。同じ結果を得る。$x_A=x_B$ なので中央 S2 は自然長のまま(伸び $x_B-x_A=0$)である点も確認できる。

Point 斜面では各球に $Mg\sin\theta$ が加わる。連立つりあいの差をとると重力項が消えて対称性 $x_A=x_B$ が見え、計算が一気に楽になる。距離は「自然長+伸び」。

設問(7):BをZだけ動かしたときのAの変位 ΔZ

直感的理解
斜面上のつりあいから、B だけを壁 Q の方向へ $Z$ ゆっくり押し込みます。B が動くと S2 が引っぱられ、つながっている A も Q 側へ引きずられます。ただし A は S1 でも引き戻されるので、B ほどは動きません。A がどれだけ動くか($\Delta Z$)は、A のつりあいから決まります。

設定:設問(6)のつりあい状態を基準に、そこからの追加変位を考える。B は Q 方向(下向き)へ $Z$ 動かして保持され、A の追加変位を $\Delta Z$ とする(ともに下向き正)。重力はすでにつりあいで支えられているので、追加分の力(ばね張力の変化)だけを考えればよい。

立式:A の追加のつりあい。S1 は追加で $k\,\Delta Z$ 上向き、S2 の伸びは追加で $(Z - \Delta Z)$ だけ増える(B が $Z$、A が $\Delta Z$ 動くから)ので S2 は A を下向きに $k(Z-\Delta Z)$ で引く:

$$-k\,\Delta Z + k(Z - \Delta Z) = 0$$

計算:整理すると:

$$-2k\,\Delta Z + kZ = 0 \quad\Rightarrow\quad \Delta Z = \dfrac{Z}{2}$$
答え: $$\Delta Z = \dfrac{Z}{2}$$
補足:重力・角度 θ が答えに出てこない理由

「つりあい状態からの追加変位」に着目すると、重力成分 $Mg\sin\theta$ はつりあいの式ですでに相殺済み。追加で効くのはばねの張力変化だけなので、$\Delta Z$ は $Z$ のみで決まり、$g$ や $\theta$ には依存しません。斜面の傾きは A・B の「静止位置」を決めるだけで、そこからのずれの応答には無関係です。

Point つりあいからの「追加変位」だけを変数にとると、重力項が消えてばね張力の変化だけの式になる(重ね合わせ)。A は S1(左)と S2(右)の綱引きで $Z$ のちょうど半分動く。

設問(8):小球Bに外から加えている力の大きさ F

直感的理解
B を $Z$ の位置に「保持」するには、外から手で力を加え続ける必要があります。その力 $F$ は、B にはたらくばね張力の追加分(S2 と S3 の変化)とちょうどつりあう大きさです。設問(7)で $\Delta Z=Z/2$ が分かっているので、S2・S3 それぞれの伸縮の追加分を計算して足し合わせます。

設定:設問(7)より、B は Q 方向へ $Z$、A は Q 方向へ $\Delta Z=\dfrac{Z}{2}$ 動いている。斜面下向き(Q 向き)を正とし、つりあいからの追加分の力だけを考える(重力はつりあい済み)。

立式:B にはたらく力を追加分で書き出す。

B の追加のつりあい:

$$F - k\cdot\dfrac{Z}{2} - k Z = 0$$

計算:

$$F = k\cdot\dfrac{Z}{2} + kZ = \dfrac{kZ}{2} + \dfrac{2kZ}{2} = \dfrac{3kZ}{2}$$
答え: $$F = \dfrac{3kZ}{2}$$
別解:A・B 全体の力のつりあいから

A と B を1つの系とみて追加分の力を考える。系の外にあるばねは S1(左端固定)と S3(右端固定)。追加変位は A が $\dfrac{Z}{2}$、B が $Z$。

  • S1 の追加張力:A が $\dfrac{Z}{2}$ 伸ばすので上向きに $k\cdot\dfrac{Z}{2}$
  • S3 の追加張力:B が $Z$ 縮めるので上向きに $kZ$

系全体のつりあい(下向き正、外力 $F$ のみ外部から):

$$F - k\cdot\dfrac{Z}{2} - kZ = 0 \;\Rightarrow\; F = \dfrac{3kZ}{2}$$

内力である S2 は打ち消し合うので現れず、本解と同じ結果になる。

Point 保持に必要な外力は、B にかかるばね張力の追加分の合計とつりあう。$\Delta Z=Z/2$ を使い、S2($kZ/2$)と S3($kZ$)を足して $F=\dfrac{3kZ}{2}$。系全体で見ると内力 S2 が消える別解も有効。