直流電源・抵抗・コイルの回路から出発し、コイルの自己インダクタンス、相互インダクタンス、そして2つのコイルを近づけた場合の相互誘導を扱う問題です。
\(0 \leq t \leq t_1\) で電流が0からI₁に比例して増加するとき、点Bを基準とした点Aの電位 \(V\) は一定です。
コイルの誘導起電力 \(V_L = L_1 \frac{\Delta I}{\Delta t} = L_1 \frac{I_1}{t_1}\)(一定)。
ソレノイドコイル1(巻数 \(N\)、長さ \(l\)、断面積 \(S\))内部の磁場は:
$$ H = \frac{NI}{l}, \quad B = \mu H = \frac{\mu NI}{l} $$全鎖交磁束 \(N\Phi = \frac{\mu N^2 I_1 S}{l}\) より:
$$ L_1 = \frac{N\Phi}{I_1} = \frac{\mu N^2 S}{l} $$真空の透磁率 4π × 10-7 H/m、巻数 500 回、断面積 1.0 × 10-4 m²、長さ 0.10 m のとき:
$$ L_1 = \frac{4\pi \times 10^{-7} \times 500^2 \times 1.0 \times 10^{-4}}{0.10} = 3.14 \times 10^{-4} \text{ V}\cdot\text{s/A} $$すなわち約 0.31 mH です。電流を 1.0 A 流したときのコイル1本あたりの磁束は 6.3 × 10-7 V·s です。
交流電源に接続したとき、コイル1に生じる誘導起電力は:
$$ V_{L1} = -L_1 \frac{\Delta I_1}{\Delta t} $$コイル1と2が交流電源に並列接続されている場合、両コイルの端子電圧は等しいので:
$$ L_1 \frac{\Delta I_1}{\Delta t} = L_2 \frac{\Delta I_2}{\Delta t} $$ $$ \frac{\Delta I_1}{\Delta I_2} = \frac{L_2}{L_1} $$2つのコイルを近づけると、相互インダクタンス \(M\) により:
$$ V_1 = -L_1\frac{\Delta I_1}{\Delta t} - M\frac{\Delta I_2}{\Delta t} $$ $$ V_2 = -L_2\frac{\Delta I_2}{\Delta t} - M\frac{\Delta I_1}{\Delta t} $$コイル1と2の誘導起電力が等しいので:
$$ L_1\Delta I_1 + M\Delta I_2 = L_2\Delta I_2 + M\Delta I_1 $$ $$ (L_1 - M)\Delta I_1 = (L_2 - M)\Delta I_2 $$\(L_1 = L_2\)(同一コイル)の場合:
$$ \frac{\Delta I_1}{\Delta I_2} = \frac{L_1 - M}{L_1 - M} = 1 $$しかし \(L_1 \neq L_2\) の場合は条件次第です。\(M = \frac{1}{10}L_1\) を代入:
$$ \frac{\Delta I_1}{\Delta I_2} = \frac{L_2 - L_1/10}{L_1 - L_1/10} = \frac{L_2 - L_1/10}{9L_1/10} $$相互インダクタンスは \(M = k\sqrt{L_1 L_2}\) で表されます(\(k\) は結合係数、\(0 \leq k \leq 1\))。\(M = L_1/10\) かつ \(L_1 = L_2\) なら \(k = 1/10 = 0.1\) で弱結合です。