質量 \(m\) の小球 P が高さ \(h\) の斜面を滑り降り、ばねにつながれた質量 \(M\) の小球 Q(\(m \lt M\))と B 点で衝突する総合問題です。問1は完全非弾性衝突(合体)、問2は「衝突後 Q が静止し P が逆向きに跳ね返る」衝突で反発係数を扱い、問3は弾性衝突後の斜方投射を扱います。
静止していた P は、A 点(高さ \(h\))から摩擦のない斜面を滑り落ちて B 点(高さ 0)に達する。位置エネルギー \(mgh\) がすべて運動エネルギーに変わるので、これは高さ \(h\) の自由落下と同じ速さになる。
A 点(高さ \(h\)、静止)から B 点(高さ 0)まで、摩擦がないので力学的エネルギー保存則を立てる。求める速さを \(v_1\) とおく:
$$mgh = \frac{1}{2}m v_1^{\,2}$$両辺を \(m\) で割って \(v_1\) について解く:
$$v_1^{\,2} = 2gh \quad\Rightarrow\quad v_1 = \sqrt{2gh}$$摩擦のない斜面では、B 点での速さは高さの変化 \(h\) だけで決まり、斜面の角度や長さにはよらない。これは問3で角度が \(\pi/6\) に指定されても、問1の \(v_1=\sqrt{2gh}\) がそのまま使える理由でもある。
摩擦のない斜面は力学的エネルギー保存。\(mgh=\tfrac12 mv^2\) より \(v=\sqrt{2gh}\)。自由落下と同じ結果。
質量 \(m\) の P が速さ \(\sqrt{2gh}\) で、静止している質量 \(M\) の Q に衝突して合体する。合体は完全非弾性衝突で、運動量だけが保存する。合体後は質量が \(m+M\) に増えるので、速さは元より遅くなる。\(m \lt M\) だから、\(\sqrt{2gh}\) の半分より小さい速さになる。
衝突の直前、P は速さ \(v_1=\sqrt{2gh}\)、Q は静止。合体後の共通の速さを \(V\) とおく。運動量保存則より:
$$m\,v_1 + M\cdot 0 = (m + M)\,V$$\(V\) について解いて、\(v_1=\sqrt{2gh}\) を代入する:
$$V = \frac{m}{m+M}\,v_1 = \frac{m}{m+M}\sqrt{2gh}$$衝突前の運動エネルギー \(K_0 = \tfrac12 m v_1^{\,2} = mgh\)。合体後 \(K_1 = \tfrac12(m+M)V^2 = \dfrac{m^2 gh}{m+M}\)。
失われた分は \(\Delta K = K_0 - K_1 = \dfrac{mMgh}{m+M}\)。この分が変形・熱・音になる。
合体(完全非弾性衝突)では運動量は保存するが運動エネルギーは保存しない。共通速度は「(動いていた物体の運動量)÷(合体後の全質量)」。
合体した P+Q(質量 \(m+M\)、速さ \(V\))がばねを押し縮めていく。ばねが最も縮んだ瞬間、物体は一瞬止まる。このとき運動エネルギーがすべてばねの弾性エネルギーに変わっている。
合体物体の運動エネルギーがすべてばねの弾性エネルギーに変わる。最大の縮みを \(x\) とすると:
$$\frac{1}{2}(m+M)V^2 = \frac{1}{2}k x^2$$\(x\) について解く:
$$x = V\sqrt{\frac{m+M}{k}}$$問1(2)の \(V = \dfrac{m}{m+M}\sqrt{2gh}\) を代入して整理する:
$$x = \frac{m}{m+M}\sqrt{2gh}\cdot\sqrt{\frac{m+M}{k}} = \frac{m\sqrt{2gh}}{\sqrt{k(m+M)}} = \sqrt{\frac{2m^2 gh}{k(m+M)}}$$理想ばねはエネルギーを失わないので、ばねが自然長に戻ったとき合体物体は再び速さ \(V\) になり、今度は左向き(斜面と反対)に進む。以後、ばねと合体物体は単振動を続ける。
ばねの最大縮みは運動エネルギー → 弾性エネルギーの変換で決まる。最大縮みの瞬間は速さ 0(一瞬静止)。
ばねを縮めた C 点で放された Q は単振動を始める。C 点は最大の縮み(振動の端)で、B 点は自然長(振動の中心)。端から中心まで進むのにかかる時間は、周期のちょうど 1/4 である。これが「衝突より早く放すべき時間」になる。
ばね定数 \(k\)、Q の質量 \(M\) の単振動の周期は:
$$T = 2\pi\sqrt{\frac{M}{k}}$$C 点は振動の端(最大の縮み)、B 点は振動の中心(自然長)。端から中心までは 1/4 周期なので、放してから B 点に初めて到達するまでの時間 \(\Delta t\) は:
$$\Delta t = \frac{T}{4} = \frac{1}{4}\cdot 2\pi\sqrt{\frac{M}{k}} = \frac{\pi}{2}\sqrt{\frac{M}{k}}$$P と Q は B 点で同時に出会う必要がある。P が A から滑り降りて B に着く時刻は決まっている。Q はその時刻ちょうどに B に到達するよう、\(\Delta t = T/4\) だけ前もって放しておく必要がある。
ばねに乗った物体は単振動。端(最大変位)→ 中心(自然長)は 1/4 周期。周期 \(T=2\pi\sqrt{M/k}\) は振幅によらない。
今回は「衝突後に Q が静止し、P が衝突前の速さの \(\alpha\) 倍で逆向きに跳ね返る」という条件が与えられている。P の衝突前の速さは \(\sqrt{2gh}\)。運動量保存に、この条件を代入すれば Q の衝突直前の速さ \(u\) が求まる。
右向きを正とする。衝突直前、P は左向き(\(-v_1\)、\(v_1=\sqrt{2gh}\))、Q は右向き(\(+u\))。衝突後、Q は静止(\(0\))、P は右向きに \(\alpha v_1\) で跳ね返る。運動量保存則:
$$m(-v_1) + M\,u = m(\alpha v_1) + M\cdot 0$$\(u\) について解く:
$$M\,u = m v_1 + m\alpha v_1 = m(1+\alpha)v_1$$ $$u = \frac{m(1+\alpha)}{M}v_1 = \frac{m(1+\alpha)}{M}\sqrt{2gh}$$P と Q は向かい合って進むので、衝突前の運動量は互いに逆符号。P の衝突前速度を \(-v_1\)(左向き)と正しく符号付けするのがポイント。ここを \(+v_1\) にしてしまうと \(u\) の式を誤る。
正面衝突では正の向きを1つ決め、速度に符号を付けて運動量保存を立てる。「跳ね返り」は速度の符号が変わることを意味する。
Q は C 点(縮み \(\ell\))で静止して放され、B 点(自然長)で速さ \(u\) になる。C 点でのばねの弾性エネルギーがすべて Q の運動エネルギーに変わる。\(u\) は問2(5)で分かっているので、逆にたどれば縮み \(\ell\) が求まる。
C 点(縮み \(\ell\)、静止)から B 点(自然長、速さ \(u\))まで、力学的エネルギー保存則:
$$\frac{1}{2}k \ell^2 = \frac{1}{2}M u^2$$\(\ell\) について解く:
$$\ell = u\sqrt{\frac{M}{k}}$$問2(5)の \(u = \dfrac{m(1+\alpha)}{M}\sqrt{2gh}\) を代入して整理する:
$$\ell = \frac{m(1+\alpha)}{M}\sqrt{2gh}\cdot\sqrt{\frac{M}{k}} = \frac{m(1+\alpha)}{\sqrt{Mk}}\sqrt{2gh} = m(1+\alpha)\sqrt{\frac{2gh}{Mk}}$$問1(3) は「衝突後の合体物体がばねを縮める」最大量、問2(6) は「衝突前に Q を放すためあらかじめ縮めておく量」。同じばねでも、質量と速さが違うので値は別物になる。
ばねの縮みと速さはエネルギー保存 \(\tfrac12 k\ell^2=\tfrac12 Mu^2\) で結ばれる。速さが分かれば縮みは逆算できる。
反発係数 \(e\) は「衝突後に遠ざかる速さ ÷ 衝突前に近づく速さ」。衝突前は P と Q が向かい合って近づき、衝突後は P だけが跳ね返って遠ざかる(Q は静止)。それぞれの相対速度を計算すればよい。
右向きを正とする。衝突前:P は \(-v_1\)、Q は \(+u\)。衝突後:P は \(+\alpha v_1\)、Q は \(0\)。
近づく速さ(衝突前の相対速度の大きさ)は、Q の速度から P の速度を引いた大きさ:
$$u - (-v_1) = u + v_1$$遠ざかる速さ(衝突後の相対速度の大きさ)は:
$$\alpha v_1 - 0 = \alpha v_1$$反発係数の定義より:
$$e = \frac{\alpha v_1}{u + v_1}$$問2(5)の \(u = \dfrac{m(1+\alpha)}{M}v_1\) を代入し、\(v_1\) で約分する:
$$e = \frac{\alpha v_1}{\dfrac{m(1+\alpha)}{M}v_1 + v_1} = \frac{\alpha}{\dfrac{m(1+\alpha)}{M}+1} = \frac{\alpha M}{m(1+\alpha)+M}$$\(\alpha\) が大きい(よく跳ね返る)ほど \(e\) も大きくなる。特に \(e=1\)(完全弾性衝突)となる \(\alpha\) は問2(9)で求める。逆に \(\alpha=1\)(同じ速さで跳ね返る)のときは \(e = \dfrac{M}{2m+M} \lt 1\) で、非弾性衝突になる。
反発係数は\(e = \dfrac{|v_Q'-v_P'|}{|v_Q-v_P|}\)。分子・分母とも「相対速度の大きさ」で、向きの符号を正しく入れるのがコツ。
P は B 点で速さ \(\alpha v_1 = \alpha\sqrt{2gh}\) で跳ね返り、斜面を上って A 点(高さ \(h\))に戻る。上る間に高さ \(h\) 分の位置エネルギーを得るので、その分だけ運動エネルギーが減る。エネルギー保存で A 点の速さが出る。\(\alpha \ge 1\) なので、ちゃんと A まで戻れる。
P は B 点で速さ \(\alpha v_1 = \alpha\sqrt{2gh}\)。A 点(高さ \(h\))まで上るときの力学的エネルギー保存則(求める A 点の速さを \(v_A\) とおく):
$$\frac{1}{2}m(\alpha v_1)^2 = \frac{1}{2}m v_A^{\,2} + mgh$$\(v_1^{\,2} = 2gh\) を代入し、両辺を \(\tfrac12 m\) で割る:
$$\alpha^2 \cdot 2gh = v_A^{\,2} + 2gh$$\(v_A\) について解く:
$$v_A^{\,2} = 2gh\,\alpha^2 - 2gh = 2gh(\alpha^2 - 1) \quad\Rightarrow\quad v_A = \sqrt{2gh(\alpha^2 - 1)}$$もし \(\alpha=1\)(同じ速さで跳ね返り)なら \(v_A = 0\)。ちょうど A 点で速さ 0 になり、それ以上は上がれない。\(\alpha \gt 1\) のときだけ、A 点でも速さが残り、そこから斜面を飛び出せる(問3につながる)。
斜面を上る運動は運動エネルギー \(\to\) 位置エネルギー。高さ \(h\) 上るごとに \(mgh\) 分だけ運動エネルギーが減る。角度によらない。
弾性衝突とは反発係数 \(e=1\) の衝突のこと。問2(7)で求めた \(e\) の式に \(e=1\) を代入して、\(\alpha\) について解けばよい。\(m \lt M\) なので \(\alpha \gt 1\) となるはず。
弾性衝突は反発係数 \(e=1\)。問2(7)の結果に \(e=1\) を代入する:
$$1 = \frac{\alpha M}{m(1+\alpha)+M}$$分母を払う:
$$m(1+\alpha)+M = \alpha M$$\(\alpha\) を含む項を左辺にまとめる:
$$m + M = \alpha M - m\alpha = \alpha(M - m)$$\(\alpha\) について解く:
$$\alpha = \frac{M + m}{M - m}$$静止した Q(質量 \(M\))に P(質量 \(m\)、速さ \(v_1\))が弾性衝突する標準公式では、衝突後 P の速度は \(\dfrac{m-M}{m+M}v_1\)(\(m\lt M\) なので負=逆向き)。その速さは \(\dfrac{M-m}{M+m}v_1\)。「衝突前の \(\alpha\) 倍で逆向き」なので \(\alpha=\dfrac{M-m}{M+m}\) …と一見思えるが、これは Q も動き出す一般の場合。本問は「Q が静止する」特別条件のため、Q が動く前の相対運動を含めた反発係数から \(\alpha=\dfrac{M+m}{M-m}\) となる。
弾性衝突は\(e=1\)。反発係数の式に \(e=1\) を代入すれば、未知パラメータを1つ決められる。\(M\gt m\) なので \(\alpha\gt 1\)。
問3では \(\theta=\pi/6\) の弾性衝突。跳ね返された P は A 点まで戻り、そこで「B 点で衝突する直前の速さの 2 倍」で斜面を飛び出す、と与えられている。(10) はエネルギー保存で \(\alpha\) を出し、(11) は問2(9)の \(\alpha=\dfrac{M+m}{M-m}\) と組み合わせて質量比を出す。
【問3(10)】P は B 点で速さ \(\alpha v_1\) で跳ね返り、A 点で速さ \(2 v_1\)(B 点直前の速さ \(v_1=\sqrt{2gh}\) の 2 倍)になる。B→A の力学的エネルギー保存則:
$$\frac{1}{2}m(\alpha v_1)^2 = \frac{1}{2}m(2 v_1)^2 + mgh$$\(v_1^{\,2}=2gh\) を代入し、両辺を \(\tfrac12 m\) で割る:
$$\alpha^2 \cdot 2gh = 4\cdot 2gh + 2gh$$両辺を \(2gh\) で割って \(\alpha\) を求める:
$$\alpha^2 = 4 + 1 = 5 \quad\Rightarrow\quad \alpha = \sqrt{5}$$【問3(11)】問2(9)より、弾性衝突では \(\alpha = \dfrac{M+m}{M-m}\)。これに \(\alpha=\sqrt5\) を代入する:
$$\sqrt{5} = \frac{M+m}{M-m}$$分母を払って整理する:
$$\sqrt{5}\,(M-m) = M+m \quad\Rightarrow\quad \sqrt{5}\,M - M = m + \sqrt{5}\,m$$ $$(\sqrt{5}-1)M = (\sqrt{5}+1)m$$\(M/m\) について解き、分母を有理化する:
$$\frac{M}{m} = \frac{\sqrt{5}+1}{\sqrt{5}-1} = \frac{(\sqrt{5}+1)^2}{(\sqrt{5}-1)(\sqrt{5}+1)} = \frac{6+2\sqrt{5}}{4} = \frac{3+\sqrt{5}}{2}$$\(\alpha=\sqrt5 \fallingdotseq 2.24 \ge 1\) を満たしている。また \(M/m = \dfrac{3+\sqrt5}{2}\fallingdotseq 2.6 \gt 1\) で、問題の前提 \(m \lt M\) とも矛盾しない。
(10) はエネルギー保存で \(\alpha\) を数値化、(11) は問2(9)の関係式に代入して質量比へ。前問の結果を「文字のまま」使い回すのが総合問題のコツ。
P は A 点(床から高さ \(h\))から、速さ \(2 v_1 = 2\sqrt{2gh}\)、水平から \(\theta=\pi/6\) 上向きに斜方投射される。水平方向は等速、鉛直方向は投げ上げ。(12) は最高点の床からの高さ、(13) は A の真下から着地点 D までの水平距離。発射点が高さ \(h\) にあることを忘れないのがカギ。
発射条件を整理する。速さ \(v_0 = 2 v_1 = 2\sqrt{2gh}\)、角度 \(\theta=\dfrac{\pi}{6}\)(\(\sin\theta=\tfrac12,\ \cos\theta=\tfrac{\sqrt3}{2}\))。速度成分:
$$v_{0x} = v_0\cos\theta = 2\sqrt{2gh}\cdot\frac{\sqrt3}{2} = \sqrt{6gh},\qquad v_{0y} = v_0\sin\theta = 2\sqrt{2gh}\cdot\frac{1}{2} = \sqrt{2gh}$$【問3(12) 最高点の床からの高さ】最高点では鉛直速度が 0。発射点(高さ \(h\))からの上昇分を \(\Delta y\) とすると:
$$0 = v_{0y}^{\,2} - 2g\,\Delta y \quad\Rightarrow\quad \Delta y = \frac{v_{0y}^{\,2}}{2g} = \frac{2gh}{2g} = h$$床からの高さは発射点の高さ \(h\) に上昇分 \(\Delta y=h\) を足す:
$$H = h + \Delta y = h + h = 2h$$【問3(13) 水平距離】A 点は床から高さ \(h\)。着地(\(y=0\)、床)までの飛行時間 \(t_D\) を、鉛直方向の式 \(y = h + v_{0y}t - \tfrac12 g t^2 = 0\) から求める:
$$\frac{1}{2}g\,t_D^{\,2} - \sqrt{2gh}\,t_D - h = 0$$両辺を \(\tfrac{2}{g}\) 倍して解の公式へ。判別式の中身は
$$\left(\frac{2\sqrt{2gh}}{g}\right)^2 + 4\cdot\frac{2h}{g} = \frac{8h}{g} + \frac{8h}{g} = \frac{16h}{g}$$正の解を取る:
$$t_D = \frac{\dfrac{2\sqrt{2gh}}{g} + \sqrt{\dfrac{16h}{g}}}{2} = \frac{\sqrt{2gh}}{g} + 2\sqrt{\frac{h}{g}} = \sqrt{\frac{2h}{g}} + 2\sqrt{\frac{h}{g}} = (\sqrt2 + 2)\sqrt{\frac{h}{g}}$$水平方向は等速なので、A の真下から D までの水平距離 \(L = v_{0x}\,t_D\):
$$L = \sqrt{6gh}\cdot(\sqrt2+2)\sqrt{\frac{h}{g}} = (\sqrt2+2)\sqrt{6h^2} = (\sqrt2+2)\sqrt6\,h = (2\sqrt3 + 2\sqrt6)\,h$$おなじみの水平到達距離 \(\dfrac{v^2\sin 2\theta}{g}\) は、発射点と着地点が同じ高さのときの式。本問は発射点 A が床より \(h\) 高いので、その分だけ飛行時間が延び、水平距離も長くなる。落下距離 \(h\) を含めた鉛直の2次方程式をきちんと解く必要がある。
斜方投射は水平:等速、鉛直:等加速度で独立に扱う。発射点の高さ \(h\) を必ず足す/落下に含める。最高点は「発射点+上昇分」、水平距離は「\(v_{0x}\times\)(床に着くまでの時間)」。
代表値 \(h = 1.0\) m, \(g = 9.8\) m/s² で主要な量の大きさを確認する。文字式の答えに数値を入れて、「だいたいどれくらいか」を体感しよう。
\(h = 1.0\) m, \(g = 9.8\) m/s² を各答えに代入する。
衝突直前の速さ:
$$v_1 = \sqrt{2\times 9.8\times 1.0} = \sqrt{19.6} \fallingdotseq 4.4\ \text{m/s}$$跳ね返り倍率と質量比:
$$\alpha = \sqrt5 \fallingdotseq 2.24,\qquad \frac{M}{m} = \frac{3+\sqrt5}{2} \fallingdotseq 2.6$$最高点の高さと水平距離:
$$H = 2h = 2.0\ \text{m},\qquad L = 2(\sqrt3+\sqrt6)\,h \fallingdotseq 2\times(1.73+2.45)\times 1.0 \fallingdotseq 8.4\ \text{m}$$\(v_1 \fallingdotseq 4.4\) m/s, \(\alpha \fallingdotseq 2.24\), \(M/m \fallingdotseq 2.6\), \(H = 2.0\) m, \(L \fallingdotseq 8.4\) m
発射速さが \(2v_1 = 2\sqrt{2gh}\) と大きく、しかも A 点が高さ \(h\) にあるため滞空時間が長い。水平成分 \(v_{0x}=\sqrt{6gh}\) も大きいので、水平距離は高さ \(h\) の 8 倍以上に達する。エネルギーが最初の位置エネルギー \(mgh\) の何倍にもなっている(\(\alpha^2=5\) 倍で跳ね返った運動エネルギーが源)ことの帰結。
文字式で答えたら代表値で数値を入れて規模感を確認すると、計算ミスに気づきやすい。ここでは高さ 1 m の斜面が、最終的に 8 m 以上の飛距離を生む。