惑星 O(質量 \(W\))の万有引力を受ける物体の運動を、円軌道 → 分裂 → 楕円軌道 → ケプラーの法則の順で扱う総合問題です。万有引力定数を \(G\)、位置エネルギーの基準を無限遠にとります。貫くのは次の 4 本の柱です。
物体 S が半径 \(R\) の円周上をぐるぐる回り続けられるのは、惑星に引かれる万有引力が、ちょうど円運動に必要な向心力になっているから。引力が強い(\(W\) 大)ほど速く回り、軌道が大きい(\(R\) 大)ほどゆっくり回る。
物体 S(質量 \(M\))の等速円運動では、惑星 O からの万有引力 \(\dfrac{GWM}{R^2}\) が向心力 \(\dfrac{MV_0^2}{R}\) に等しい。運動方程式(向心方向)を立てる:
$$\frac{MV_0^2}{R}=\frac{GWM}{R^2}$$両辺の \(M\) を消し、\(R\) を掛けて \(V_0^2\) を求める:
$$V_0^2=\frac{GW}{R}\quad\Rightarrow\quad V_0=\sqrt{\frac{GW}{R}}$$仮に \(G=6.67\times10^{-11}\ \mathrm{N\cdot m^2/kg^2}\)、\(W=6.0\times10^{24}\ \mathrm{kg}\)、\(R=7.0\times10^{6}\ \mathrm{m}\) とすると:
$$V_0=\sqrt{\frac{6.67\times10^{-11}\times6.0\times10^{24}}{7.0\times10^{6}}}=\sqrt{5.7\times10^{7}}\fallingdotseq 7.6\times10^{3}\ \text{m/s}$$およそ 7.6 km/s。実際の低軌道人工衛星の速さ(約 7.9 km/s)に近い値で、式が現実的なオーダーを与えることが確かめられる。
等速円運動は「万有引力=向心力」の一本で始める。\(M\) は両辺で消えるので、軌道速度は物体の質量によらず \(V_0=\sqrt{GW/R}\)。
1 周の距離(円周 \(2\pi R\))を速さ \(V_0\) で割れば周期が出る。軌道が大きいほど距離が延び、しかも速さも落ちるので、周期は \(R\) が大きいほど急激に長くなる(実は \(R^{3/2}\) に比例)。
1 周の道のりは円周 \(2\pi R\)、それを速さ \(V_0\) で走るので周期は \(T_0=\dfrac{2\pi R}{V_0}\)。問(1)の \(V_0=\sqrt{GW/R}\) を代入する:
$$T_0=\frac{2\pi R}{\sqrt{GW/R}}=2\pi R\sqrt{\frac{R}{GW}}$$根号の中に \(R\) を入れてまとめる(\(R\sqrt{R}=\sqrt{R^3}\)):
$$T_0=2\pi\sqrt{\frac{R^3}{GW}}$$両辺を 2 乗すると \(T_0^2=\dfrac{4\pi^2}{GW}R^3\)、すなわち \(T_0^2\propto R^3\)。円軌道は楕円の特別な場合(半長軸 \(L=R\))なので、これは「周期の 2 乗は半長軸の 3 乗に比例する」というケプラーの第三法則そのもの。問(12)(13)の伏線になっている。
周期は「1周の距離 ÷ 速さ」で出す。\(V_0\) に \(R\) 依存が入っているので、代入して整理すると \(T_0\propto R^{3/2}\) が自然に現れる。
点 A で物体 S が「後ろ向き」に S2 を吐き出して 2 つに割れた。前を行く S1 の速度が \(V_A\)。S2 は S1 から見て速さ \(V\) で遠ざかる(後ろへ)。だから惑星から見た S2 の速度は、S1 の速度から相対速度 \(V\) を引いたものになる。
分裂直前の物体 S の速度の向きを正とする。分裂後、S1 の(惑星 O から見た)速度は \(V_A\)。S2 は S1 から見て速さ \(V\) で「遠ざかる(後ろ向き=負の向き)」ので、相対速度は \(-V\)。相対速度の定義より:
$$v_{\mathrm{S2}}-v_{\mathrm{S1}}=-V$$\(v_{\mathrm{S1}}=V_A\) を代入して \(v_{\mathrm{S2}}\) を解く:
$$v_{\mathrm{S2}}=V_A-V$$\(V
「A から見た B の速度」は\(v_B-v_A\)。遠ざかる向きに合わせて符号(正負)を丁寧に決めるのが相対速度の要。
分裂を引き起こすのは物体内部の力(内力)だけで、外から力が加わっていない。外力がなければ全体の運動量は変わらない——これが運動量保存。だから「分裂前の運動量 = S1 の運動量 + S2 の運動量」と書ける。
分裂前は質量 \(M\)、速度 \(V_0\) の物体 S が 1 つ。運動量は \(MV_0\)。分裂後は、S1(質量 \(m\)、速度 \(V_A\))と S2(質量 \(M-m\)、速度 \(V_A-V\)=問(3))の 2 つ。運動量保存則「分裂前=分裂後(各成分の和)」を立てる:
$$MV_0=mV_A+(M-m)(V_A-V)$$右辺をばらすと \(mV_A+(M-m)V_A-(M-m)V=MV_A-(M-m)V\)。よって等価な式:
$$MV_0=MV_A-(M-m)V$$この形は「全体は \(V_A\) を基準に、S2 の分だけ後ろへずれる」と読める。問(10)ではこの式に数値を入れて \(m/M\) を決める。
分裂・合体・衝突は外力がなければ運動量保存。各破片の質量×(O 系での)速度をていねいに足す。相対速度で与えられた速度は必ず O 系に直してから足す。
楕円軌道では惑星に近い点 A で速く、遠い点 B でゆっくり動く。エネルギーのやりとりを見ると、近いほど位置エネルギーが低く(負で大きい)運動エネルギーが高い。摩擦がないので、運動+位置のエネルギーの合計はどこでも同じ。
S1(質量 \(m\))は惑星 O の万有引力だけを受けて運動するので、力学的エネルギー(運動+万有引力の位置エネルギー \(U=-\dfrac{GWm}{r}\))が保存する。点 A は距離 \(R\)・速さ \(V_A\)、点 B は距離 \(8R\)・速さ \(V_B\)。点 A と点 B でのエネルギーを等しくおく:
$$\frac{1}{2}mV_A^2-\frac{GWm}{R}=\frac{1}{2}mV_B^2-\frac{GWm}{8R}$$無限遠を基準にした万有引力の位置エネルギーは \(U=-\dfrac{GWm}{r}\) で、いつも負。近い点 A ほど \(-\dfrac{GWm}{R}\) は「より深い(小さい)負の値」で、その分だけ運動エネルギーが大きい。式の左右で分母が \(R\) と \(8R\) に変わっているのがポイント。
楕円運動では力学的エネルギー保存が最強の道具。位置エネルギーは \(-\dfrac{GWm}{r}\)、距離が変わる 2 点で等式を立てる。
点 A では速度が動径 OA に垂直。ごく短い時間 \(\Delta t\) の間に S1 は \(V_A\Delta t\) だけ横へ動く。O・A・移動先を結ぶと、底辺 \(R\)、高さ \(V_A\Delta t\) の直角三角形ができる。その面積が「面積速度 × \(\Delta t\)」に相当する。
点 A では速度 \(V_A\) が動径 OA(長さ \(R\))と垂直。微小時間 \(\Delta t\) の間に S1 は OA に垂直な方向へ \(V_A\Delta t\) だけ動く。O・A・移動後の点を頂点とする図形は、A を直角とする直角三角形で近似できる。底辺 \(R\)、高さ \(V_A\Delta t\) の三角形の面積は:
$$S=\frac{1}{2}\times R\times V_A\Delta t=\frac{1}{2}RV_A\,\Delta t$$面積を時間で割った \(\dfrac{S}{\Delta t}=\dfrac12 RV_A\) が面積速度。ケプラーの第二法則は「面積速度が一定」なので、軌道上のどこで測っても \(\tfrac12 rv_\perp\)(\(v_\perp\)=動径に垂直な速度成分)が同じ値になる。近点・遠点では速度がまるごと動径に垂直なので \(v_\perp=v\) となり、計算が最も簡単。
近点・遠点では速度が動径に垂直。掃く面積は「底辺 \(r\) × 高さ \(v\Delta t\) ÷2」=\(\tfrac12 r v\Delta t\) と直角三角形で捉えられる。
面積速度はどこでも同じ。近点 A(距離 \(R\))と遠点 B(距離 \(8R\))で「\(\tfrac12 rv\)」を等しくおくと、距離が 8 倍の B では速さが \(1/8\) になる。てこの原理のように、腕(距離)が長いほど速さが小さくてすむ。
点 A・B とも速度は動径に垂直なので、面積速度は \(\tfrac12 R V_A\)(A)と \(\tfrac12 (8R) V_B\)(B)。ケプラー第二法則(面積速度一定)より両者は等しい:
$$\frac{1}{2}R V_A=\frac{1}{2}(8R)V_B$$両辺の \(\tfrac12 R\) を払って \(V_B\) を解く:
$$V_A=8V_B\quad\Rightarrow\quad V_B=\frac{V_A}{8}$$面積速度一定は、S1 の角運動量 \(mrv_\perp\) が一定であることと同値。\(mR V_A=m(8R)V_B\) から同じ \(V_B=V_A/8\) が出る。惑星からの引力は常に動径向き(中心力)なので、O まわりの力のモーメントが 0 で角運動量が保存する。
近点・遠点をつなぐときは面積速度(=角運動量)一定が便利。\(rv\) が一定なので、距離が 8 倍なら速さは 1/8。
点 A(距離 \(R\))で、円軌道なら速さ \(V_0\)。楕円軌道の S1 は同じ A でもっと速い \(V_A\) をもつ。エネルギー保存(問5)に面積速度の関係(問7)を代入すると、この 2 つの速さの比がきれいに \(4:3\) になる。
問(5)のエネルギー保存に、問(7)の \(V_B=\dfrac{V_A}{8}\) を代入する。両辺を \(m\) で割り、\(GW=V_0^2 R\)(問1より)を使う:
$$\frac{1}{2}V_A^2-\frac{GW}{R}=\frac{1}{2}\Bigl(\frac{V_A}{8}\Bigr)^2-\frac{GW}{8R}$$\(V_A^2\) の項と \(\dfrac{GW}{R}\) の項をそれぞれまとめる:
$$\frac{1}{2}V_A^2\Bigl(1-\frac{1}{64}\Bigr)=\frac{GW}{R}\Bigl(1-\frac{1}{8}\Bigr)\;\Rightarrow\;\frac{1}{2}V_A^2\cdot\frac{63}{64}=\frac{GW}{R}\cdot\frac{7}{8}$$\(V_A^2\) について解き、\(GW/R=V_0^2\) を代入する:
$$V_A^2=\frac{GW}{R}\cdot\frac{7}{8}\cdot\frac{2\cdot 64}{63}=\frac{16}{9}\cdot\frac{GW}{R}=\frac{16}{9}V_0^2$$よって \(V_A=\dfrac{4}{3}V_0\)、比は:
$$\frac{V_A}{V_0}=\frac{4}{3}$$楕円上の速さは \(v^2=GW\Bigl(\dfrac{2}{r}-\dfrac{1}{L}\Bigr)\)(\(L\)=半長軸)で与えられる。S1 の半長軸は \(L=\dfrac{R+8R}{2}=\dfrac{9R}{2}\) なので、点 A(\(r=R\))では
$$V_A^2=GW\Bigl(\frac{2}{R}-\frac{2}{9R}\Bigr)=\frac{GW}{R}\cdot\frac{16}{9}=\frac{16}{9}V_0^2.$$同じく \(\dfrac{V_A}{V_0}=\dfrac43\) を得る。
エネルギー保存と面積速度一定を連立すれば速さの比が数値で確定する。\(GW/R=V_0^2\) の置き換えを忘れずに。
問(3)で S2 の速度は \(V_A-V\)。ここに \(V_A=\tfrac43 V_0\)(問8)と \(V=2V_0\) を入れると、答えは負になる。つまり S2 は分裂前の向きと逆向きに動き出す。速さ(大きさ)を答える。
問(3)より、惑星 O から見た S2 の速度は \(v_{\mathrm{S2}}=V_A-V\)。問(8)で \(V_A=\dfrac43 V_0\)、条件より \(V=2V_0\) を代入する:
$$v_{\mathrm{S2}}=\frac{4}{3}V_0-2V_0=\Bigl(\frac{4}{3}-\frac{6}{3}\Bigr)V_0=-\frac{2}{3}V_0$$負号は「分裂前の向きと逆向き」を意味する。速さ(大きさ)は:
$$|v_{\mathrm{S2}}|=\frac{2}{3}V_0$$S1 は前へ \(\tfrac43 V_0\)、S2 は後ろへ \(\tfrac23 V_0\)。両者の相対速度は \(\tfrac43 V_0-(-\tfrac23 V_0)=2V_0=V\) で、確かに「S1 から見て速さ \(2V_0\) で遠ざかる」という条件に一致する。O 系では逆向きでも、互いには離れていく。
相対速度の式は前問の結果をそのまま数値化するだけ。「速度」と「速さ」の違いに注意し、負号が出たら向きを言葉で添える。
速度がすべて決まった(\(V_A=\tfrac43V_0\)、S2 は \(-\tfrac23V_0\))。運動量保存の式に入れると、つじつまが合う質量の割り振りはただ 1 通りに決まる。それが \(m/M\)。
問(4)の運動量保存 \(MV_0=mV_A+(M-m)(V_A-V)\) に、\(V_A=\dfrac43V_0\) と \(V_A-V=-\dfrac23V_0\)(問9)を代入し、両辺を \(V_0\) で割る:
$$M=\frac{4}{3}m+\Bigl(-\frac{2}{3}\Bigr)(M-m)$$右辺を展開して \(m\) と \(M\) を整理する:
$$M=\frac{4}{3}m-\frac{2}{3}M+\frac{2}{3}m=2m-\frac{2}{3}M$$\(M\) を左辺に集める:
$$M+\frac{2}{3}M=2m\;\Rightarrow\;\frac{5}{3}M=2m\;\Rightarrow\;\frac{m}{M}=\frac{5}{6}$$\(\dfrac{m}{M}=\dfrac56<1\) なので \(m
速度がすべて数値で決まった後に運動量保存へ代入すると、質量比が一意に決まる。得られた比が問題の前提(\(m
S2 は点 A(距離 \(R\))で速さ \(\tfrac23V_0\)——円軌道の速さ \(V_0\) より遅い。遅すぎて円を保てず、惑星に引き込まれて内側へ落ちる。A が遠点(一番外)、点 B 側で一番近づく。そこがエネルギーと面積速度で計算できる。
S2 は点 A で距離 \(R\)、速さ \(v_a=\dfrac23V_0\)(動径に垂直)。これが遠点なので、最接近点(近点)を距離 \(r\)、速さ \(v_p\) とする。まず面積速度一定(角運動量保存):
$$R\,v_a=r\,v_p\;\Rightarrow\;v_p=\frac{R}{r}v_a$$次にエネルギー保存(\(GW=V_0^2R\) を使う):
$$\frac{1}{2}v_a^2-\frac{V_0^2R}{R}=\frac{1}{2}v_p^2-\frac{V_0^2R}{r}$$\(v_a=\dfrac23V_0\)、\(v_p=\dfrac{R}{r}\cdot\dfrac23V_0\) を代入し、両辺を \(V_0^2\) で割る。\(u=\dfrac{R}{r}\) とおくと:
$$\frac{2}{9}-1=\frac{2}{9}u^2-u\;\Rightarrow\;2u^2-9u+7=0$$因数分解 \((2u-7)(u-1)=0\) より \(u=\dfrac72\) または \(u=1\)。\(u=1\)(\(r=R\))は出発点 A なので、近点は \(u=\dfrac72\):
$$\frac{R}{r}=\frac{7}{2}\;\Rightarrow\;\frac{r}{R}=\frac{2}{7}$$S2 の半長軸を \(L_2\) とする。ヴィス・ヴィヴァ \(v^2=GW\Bigl(\dfrac2r-\dfrac1{L_2}\Bigr)\) を点 A(\(r=R\)、\(v=\tfrac23V_0\)、\(GW=V_0^2R\))で使うと \(\dfrac49=2-\dfrac{R}{L_2}\)、よって \(\dfrac{R}{L_2}=\dfrac{14}{9}\)、\(L_2=\dfrac{9R}{14}\)。遠点 \(R\) と近点 \(r\) の和が \(2L_2=\dfrac{9R}{7}\) だから \(r=\dfrac{9R}{7}-R=\dfrac{2R}{7}\)。同じ \(r/R=2/7\)。
近点・遠点はエネルギー保存+角運動量保存の連立で解く。出てくる 2 次方程式の「もう一つの解 \(u=1\)」は出発点そのものなので捨てる。
問(2)で円軌道について \(T_0^2\propto R^3\) を見た。円は楕円の特別な場合で、一般には半長軸 \(L\) について \(T^2\propto L^3\)(ケプラー第三法則)。2 つの軌道の周期比は、半長軸比の \(3/2\) 乗になる。
ケプラーの第三法則は「周期の 2 乗は半長軸の 3 乗に比例」。軌道 P・Q について同じ比例定数 \(k=\dfrac{4\pi^2}{GW}\) を用いると:
$$T_P^2=k\,L_P^3,\qquad T_Q^2=k\,L_Q^3$$辺々割って \(k\) を消し、平方根をとる:
$$\frac{T_P^2}{T_Q^2}=\frac{L_P^3}{L_Q^3}\;\Rightarrow\;\frac{T_P}{T_Q}=\Bigl(\frac{L_P}{L_Q}\Bigr)^{3/2}$$円軌道(半長軸=半径 \(R\))では \(T_0=2\pi\sqrt{\dfrac{R^3}{GW}}\)。2 乗すると \(T_0^2=\dfrac{4\pi^2}{GW}R^3\) となり、比例定数 \(k=\dfrac{4\pi^2}{GW}\) が惑星(\(W\))だけで決まることが分かる。同じ惑星のまわりの軌道なら \(k\) が共通なので、周期比は半長軸比だけで書ける。
ケプラー第三法則は\(T^2\propto L^3\)。周期の比を問われたら、まず 2 乗の比で書いてから平方根をとると符号ミスがない。
S1 の楕円は近点 \(R\)・遠点 \(8R\) なので、半長軸は \(\dfrac{R+8R}{2}=\dfrac92R\)——もとの円軌道(半径 \(R\))の \(4.5\) 倍も大きい。軌道が大きいほど 1 周に時間がかかるので、周期は \(4.5^{3/2}\approx9.5\) 倍にもなる。
もとの円軌道の半長軸は \(L_0=R\)、周期は \(T_0\)。S1 の楕円軌道は近点 \(R\)・遠点 \(8R\) なので、半長軸は:
$$L_1=\frac{R+8R}{2}=\frac{9}{2}R$$問(12)のケプラー第三法則(同じ惑星なので比例定数共通)に \(L_1,L_0\) を入れる:
$$\frac{T_1}{T_0}=\Bigl(\frac{L_1}{L_0}\Bigr)^{3/2}=\Bigl(\frac{9R/2}{R}\Bigr)^{3/2}=\Bigl(\frac{9}{2}\Bigr)^{3/2}$$指数を計算する。\(\Bigl(\dfrac92\Bigr)^{3/2}=\dfrac{9^{3/2}}{2^{3/2}}=\dfrac{27}{2\sqrt2}=\dfrac{27\sqrt2}{4}\):
$$\frac{T_1}{T_0}=\frac{27\sqrt{2}}{4}\fallingdotseq 9.55$$楕円の周期は「細長いか丸いか(離心率)」にはよらず、半長軸 \(L\) だけで決まる。近点 \(R\)・遠点 \(8R\) というかなり細長い楕円でも、半長軸が \(\dfrac92R\) でありさえすれば周期は同じ。遠くまで行く軌道ほど 1 周が長いという直感とも合う。実際 \(27\sqrt2/4\approx9.55\) 倍なので、円軌道の物体が約 9.5 周する間に S1 はやっと 1 周する。
楕円の周期は半長軸 \(L=\dfrac{r_{\text{近}}+r_{\text{遠}}}{2}\) だけで決まる。周期比は \((L_1/L_0)^{3/2}\) に代入するだけ。指数 \(3/2\) の処理(\(9^{3/2}=27\)、\(2^{3/2}=2\sqrt2\))に注意。