起電力 \(V\) の電池、抵抗 \(R_1, R_2, R_3\)、電気容量 \(C\) のコンデンサー、自己インダクタンス \(L\) のコイル、スイッチ \(S_1, S_2, S_3\) からなる回路で、手順 1〜5 の順にスイッチを操作します。電池の内部抵抗とコイルの抵抗は無視でき、最初はすべてのスイッチが開いており、コンデンサーには電荷が蓄えられていません。
S1 だけ閉じると、電池 → R1 の単純な回路ができます。S2, S3 は開いているので、コンデンサーやコイル側には電流は流れません。
S1 のみ閉じると、回路は電池 V → S1 → R1 → 電池 の閉回路になります。S2, S3 は開いているため、コンデンサーやコイル側に電流は流れません。
$$I_1 = \frac{V}{R_1}$$S1 を閉じたまま S2 を a 側に入れると、コンデンサー C が R1 と R2 の分圧回路に接続されます。十分時間が経つと、コンデンサーに電流が流れなくなり、R2 にも電流が流れません。
(ア) コンデンサー C の極板間の電位差
十分時間が経つと定常状態になり、コンデンサーには電流が流れません。するとR2にも電流が流れないので、R2 の両端の電位差は 0 です。
コンデンサーは R2 と並列接続なので:
$$V_C = \frac{R_2}{R_1 + R_2} \cdot V$$待ってください。定常状態ではコンデンサーに電流が流れないので、R2 にも電流が流れず、R2 の両端電位差は 0。したがってコンデンサーの電位差は R1 の電圧降下を差し引いた残り:
回路: V → R1 → 分岐(R2 と C が直列?)。いいえ、回路構造を再確認します。
回路図から、S2 を a 側にすると R2 と C は直列接続になり、R1 と並列に電池に接続されます。定常状態ではコンデンサーに電流が流れないので、R2-C の経路の電流は 0。R1 には \(V/R_1\) の電流が流れ続けます。
コンデンサーの両端電位差 = R2-C 経路の両端電位差 = \(V\)(電池の起電力に等しい)。R2 に電流が流れないので R2 での電圧降下は 0、よって:
$$V_C = V$$いいえ、これも回路構造次第です。問題図を再度確認すると、R2 は R1 と直列に接続され、コンデンサー C は R2 に並列に接続されていると読めます。
正しい回路構成:電池 V → S1 → R1 → R2(← ここに C が並列)→ 電池
定常状態で C に電流が流れないので、全電流は R1 → R2 を流れます。
$$I = \frac{V}{R_1 + R_2}$$R2 の電圧降下 = コンデンサーの電位差:
$$V_C = IR_2 = \frac{R_2 V}{R_1 + R_2}$$(イ) R1 に流れる電流
$$I_{R_1} = \frac{V}{R_1 + R_2}$$(ア) R1 を流れる電流
定常状態では C に電流が流れないので、回路は V → R1 → R2 の直列回路です。
$$I_{R_1} = \frac{V}{R_1 + R_2}$$(イ) R1 の両端の電圧
$$V_{R_1} = \frac{R_1}{R_1 + R_2} V$$(ウ) コンデンサー C の上下極板の電荷
上の極板が + V 側に接続されているとすると、電荷 \(+Q\)(上)と \(-Q\)(下):
$$Q = CV_C = \frac{CR_2 V}{R_1 + R_2}$$(エ) コンデンサー C に蓄えられた静電エネルギー
$$U_C = \frac{1}{2}CV_C^2 = \frac{1}{2}C\left(\frac{R_2 V}{R_1 + R_2}\right)^2 = \frac{CR_2^2 V^2}{2(R_1 + R_2)^2}$$どちらの表現でも同じ結果になります。
S3 を a 側に入れてコイル L に電流を流し、十分時間が経つとコイルは導線と同じ。その後 S3 を開いてコイル回路を切断すると、コイルに蓄えられたエネルギーが R3 で消費されます。
S3 を a 側に入れて十分時間が経過すると、コイル L に流れる定常電流は \(I_L = V/R_1\) です(コイルの抵抗は無視、定常状態では誘導起電力 0)。
S3 を開いてもコイルの電流は急には変わりません。しかし S3 を開くとコイル側の回路が切れるので、R1 側の電流は電池から直接供給されます。
$$I_{R_1} = \frac{V}{R_1}$$S3 を開いた後、コイルに蓄えられていたエネルギーが R3 で消費されます。十分時間が経って電流が 0 になると:
$$W_{R_3} = \frac{1}{2}LI_L^2 = \frac{LV^2}{2R_1^2}$$コイルの電流は急には変わらない(レンツの法則)。スイッチを開くと、コイルに蓄えられたエネルギー \(\frac{1}{2}LI^2\) が抵抗で消費されます。
S2 を b 側にするとコイル L が回路に接続されます。時間変化 \(\Delta t\) の間に電流が \(\Delta I\) 変化するとき、コイルには誘導起電力 \(L \frac{\Delta I}{\Delta t}\) が生じます。
コイル L を流れる電流が時間 \(\Delta t\) の間に \(\Delta I\) だけ変化するとき、コイルに生じる誘導起電力の大きさは:
$$|\mathcal{E}| = L\frac{\Delta I}{\Delta t}$$この誘導起電力はコイルを流れる電流の変化を妨げる向きに生じます(レンツの法則)。
問題文の空欄に入る言葉は「妨げる」(「促進する」ではない)です。
コイルの電流は急には変わらないので、直前の値が維持されます。手順3の最後で S3 を開いて十分時間が経っているので、コイルの電流は 0 です。
S2 を b 側に入れた直後、コイルの電流は依然として 0 です。しかし、コンデンサーに蓄えられた電荷による電位差で回路に電流が流れ始めます。
(ア) R1 を流れる電流
S2 を b 側にすると、R1 は電池と直結のままなので:
$$I_{R_1} = \frac{V}{R_1}$$定常状態ではコイルの両端電圧が 0(\(\Delta I / \Delta t = 0\))なので、コイルは導線と同じです。R3 を流れる電流を \(I\) とすると:
$$I_{R_3} = \frac{V}{R_1 + R_3}$$とも考えられますが、回路構成によります。コイル L と R3 が直列で、これが R1 と直列に電池に接続されている場合:
ここで \(I\) は定常状態でのコイルの電流です。
RL直列回路では、スイッチを入れた後の電流は:
$$I(t) = \frac{V}{R}\left(1 - e^{-\frac{R}{L}t}\right)$$時定数 \(\tau = L/R\) が大きいほど、定常電流に達するのに時間がかかります。
十分時間が経過した後 S3 を開くと、コイルに蓄えられたエネルギーが R3 を通して放出されます。コンデンサーの静電エネルギーの変化も考慮する必要があります。
S3 を開くとコイル側の回路が変わりますが、R1 は電池に直列接続されたままです。
$$I_{R_1} = \frac{V}{R_1}$$S3 を開いた後、十分時間が経つとコイルの電流は 0、コンデンサーの電位差も新しい定常値に変わります。
エネルギー保存則:
$$W_{R_3} = \frac{1}{2}LI_0^2 + \frac{1}{2}CV_{C,\text{before}}^2 - \frac{1}{2}CV_{C,\text{after}}^2$$ここで \(I_0\) は手順4の定常電流、\(V_{C,\text{before}}\) と \(V_{C,\text{after}}\) はそれぞれ S3 を開く前後のコンデンサー電圧です。
系全体のエネルギー収支を考えると:
正確な値は回路のトポロジーに依存します。
RC・RL 回路の問題では、定常状態と過渡状態を明確に区別することが重要です。定常状態では「コンデンサーに電流が流れない」「コイルの両端電圧が0」という条件が解法のカギになります。エネルギー保存では、コイル \(\frac{1}{2}LI^2\) とコンデンサー \(\frac{1}{2}CV^2\) の増減を正しく追跡しましょう。