ソレノイドの内部磁場、電磁誘導による誘導起電力、そしてRL回路の過渡現象を扱う電磁気の総合問題です。
立式:アンペールの法則より、十分に長いソレノイドの内部磁場は、
$$B = \mu_0 n I$$
ここで $n$ は単位長さあたりの巻数、$I$ はコイルに流れる電流です。
数値例:例えば巻数密度 n = 1000 /m のソレノイドに電流 I = 2.0 A を流すと、内部の磁束密度は B = 4π × 10⁻⁷ × 1000 × 2.0 ≒ 2.5 × 10⁻³ T。断面積 S = 5.0 × 10⁻⁴ m² のとき磁束は Φ = 2.5 × 10⁻³ × 5.0 × 10⁻⁴ = 1.25 × 10⁻⁶ Wb。
ソレノイド内部の磁場は一様であり、位置によらず一定。外部の磁場はほぼゼロ。$n = N/L$(全巻数÷長さ)であることに注意。
立式:ファラデーの電磁誘導の法則より、$N$ 巻コイルに誘導される起電力は、
$$V = -N\frac{d\Phi}{dt}$$
ソレノイド内の磁束は $\Phi = BS = \mu_0 n I \cdot S$ なので、電流 $I$ が時間変化すると、
$$V = -N\mu_0 n S \frac{dI}{dt}$$
$\Phi$-$t$ グラフの傾きが誘導起電力に対応する。傾きが急なほど起電力は大きく、傾きゼロの瞬間(極大・極小)では起電力もゼロ。
考え方:磁石をコイルに近づけると、コイルを貫く磁束が増加します。レンツの法則より、誘導電流はこの磁束増加を打ち消す方向の磁場を作る向きに流れます。
磁束が増加するとき → 誘導電流は磁束を減らす向きに流れる(磁石を遠ざける向き)
磁束が減少するとき → 誘導電流は磁束を増やす向きに流れる(磁石を引き寄せる向き)
レンツの法則は「自然は変化を嫌う」という原理。誘導電流が作る磁場は、常に元の磁束変化を妨げる向き。右ねじの法則で電流の向きを決定する。
キルヒホッフの第2法則(電圧則)\(\sum V = 0\) を閉回路に適用しても同じ結果が得られる。複数のループがある回路では、この方法が系統的で見通しがよい。