ドップラー効果の公式導出と、反射壁を用いたうなりの問題です。音源・観測者・反射壁が動く場合の振動数変化を体系的に求めます。
導出:音速を $v$、音源の速さを $v_s$(観測者に近づく向きを正)とすると、音源前方の波長は、
$$\lambda' = \frac{v - v_s}{f}$$
観測者が受け取る振動数は、
$$f' = \frac{v}{\lambda'} = \frac{v}{v - v_s} f$$
$v_s > 0$(近づく)のとき $f' > f$(高音に聞こえる)
数値例:振動数 \(f = 440\) Hz、波の速さ \(V = 340\) m/s のとき、波長は
\(\lambda = \dfrac{V}{f} = \dfrac{340}{440} = 0.773\) m ≒ 77 cm
弦の長さ \(L = 0.85\) m の基本振動では \(\lambda_1 = 2L = 2 \times 0.85 = 1.70\) m
音源が動くとき変化するのは波長。観測者が動くとき変化するのは相対的な波の速さ。この違いを明確に区別すること。
考え方:壁に反射した音は、壁を仮想音源として考えます。直接音の振動数 $f_1$ と反射音の振動数 $f_2$ の差がうなりの回数です。
$$\text{うなりの回数} = |f_1 - f_2|$$
1秒間のうなりの回数 $= |f_1 - f_2|$ 回
壁での反射を考える場合、壁は「静止した観測者」として音を受け取り、「静止した音源」として反射音を出す。このため反射音にもドップラー効果が二重に適用される。
一般公式:音源が速さ $v_s$ で観測者に近づき、観測者が速さ $v_o$ で音源に近づく場合、
$$f' = \frac{v + v_o}{v - v_s} f$$
近づく向きを正にとる。遠ざかる場合は符号が逆(分子の $+$ → $-$、分母の $-$ → $+$)。
「近づくと高くなる」→ 分子が大きくなる or 分母が小さくなる → 振動数が増加。観測者が近づくなら分子に $+v_o$、音源が近づくなら分母に $-v_s$。
ドップラー効果の公式では「近づく → 振動数増加、遠ざかる → 振動数減少」を確認する。符号を間違えないよう、結果が物理的に妥当か必ず検算すること。