A方式2/2 大問1:小問集合

解法の指針

直感的理解

各分野から独立した小問が出題される。(1)ケプラーの第3法則、(2)自己誘導、(3)うなり、(4)光電効果の4題。それぞれ基本公式を正確に適用する。

出題分野
Point

小問集合は各分野の基本公式の正確な運用が試される。計算ミスに注意。

(1) — 小惑星の公転周期(ケプラーの第3法則)

直感的理解

ケプラーの第3法則は「軌道半径の3乗と公転周期の2乗は比例する」。地球の公転を基準にすれば、小惑星の周期は軌道半径から計算できる。

小惑星の公転軌道の半径は地球の \(\frac{4}{1}\) 倍の情報は問題文からは読み取れないが、問題文では「小惑星の軌道の手基軸の長さ」が言及される。地球の公転周期を365日とする。

ケプラーの第3法則より:

$$ \frac{T_{\text{ast}}^2}{T_E^2} = \frac{a_{\text{ast}}^3}{a_E^3} $$ $$ T_{\text{ast}} = T_E \left(\frac{a_{\text{ast}}}{a_E}\right)^{3/2} $$

問題文の数値(軌道半径比)を代入して計算する。

答え: ケプラー第3法則 \(T^2 \propto a^3\) より、軌道半径から公転周期を算出。
Point

ケプラーの第3法則は比の計算。地球のデータを基準にすれば、絶対値(万有引力定数)を使わずに計算できる。

(2) — 自己誘導(コイルの誘導起電力とエネルギー)

直感的理解

コイルに流れる電流が変化すると、その変化を妨げる向きに誘導起電力が生じる。自己インダクタンス \(L\) が大きいほど、電流変化への抵抗が大きい。

10 Aの直流電流を0.25秒かけて0にしたとき、72 Vの誘導起電力が生じた。

$$ V = L\frac{\Delta I}{\Delta t} = L \times \frac{10}{0.25} = 40L $$ $$ 72 = 40L \implies L = 1.8 \text{ H} $$

10 A流れているときの磁場エネルギー:

$$ U = \frac{1}{2}LI^2 = \frac{1}{2} \times 1.8 \times 10^2 = 90 \text{ J} $$
答え: \(L = 1.8\) H、\(U = 90\) J
Point

自己誘導起電力 \(V = L\frac{\Delta I}{\Delta t}\)、磁場エネルギー \(U = \frac{1}{2}LI^2\)。コンデンサーの \(\frac{1}{2}CV^2\) と対称的。

(3) — うなりと振動数の決定

直感的理解

振動数の近い2つの音を同時に鳴らすと、周期的に音が大きくなったり小さくなったりする「うなり」が生じる。うなりの回数から未知の振動数を特定する。

おんさの振動数は未知。Bの振動数は415 Hz、Cの振動数は420 Hz。

BとCを同時に鳴らすと毎秒 \(|420 - 415| = 5\) 回のうなりが聞こえる。

AとBを同時に鳴らすと毎秒2回のうなりが聞こえる → \(|f_A - 415| = 2\)。

AとCを同時に鳴らすと毎秒3回の「なり」が聞こえるとき → \(|f_A - 420| = 3\)。

AとBで2回:\(f_A = 413\) または \(f_A = 417\)

AとCで確認:

答え: \(f_A = 417\) Hz
補足:うなりの周波数の導出

振動数 \(f_1, f_2\) の音の合成は \(\cos(2\pi f_1 t) + \cos(2\pi f_2 t) = 2\cos\left(\pi(f_1-f_2)t\right)\cos\left(\pi(f_1+f_2)t\right)\)。包絡線の振動数は \(|f_1-f_2|\) であり、これが1秒間に聞こえるうなりの回数。

Point

うなりの回数 = 振動数の差。候補が2つ出たら、別のペアで確認して一方を排除する。

(4) — 光電効果(限界振動数と仕事関数)

直感的理解

金属に光を当てると、光子1個のエネルギーが仕事関数以上なら電子が飛び出す。限界振動数は \(h\nu_0 = W\)(仕事関数)で決まる。

限界波長 \(\lambda_0 = 5.3 \times 10^{-7}\) m より短い波長の光で電子が放出される。

限界振動数:

$$ \nu_0 = \frac{c}{\lambda_0} = \frac{3.0 \times 10^8}{5.3 \times 10^{-7}} \fallingdotseq 5.66 \times 10^{14} \text{ Hz} $$

仕事関数:

$$ W = h\nu_0 = 6.6 \times 10^{-34} \times 5.66 \times 10^{14} \fallingdotseq 3.7 \times 10^{-19} \text{ J} $$ $$ W = \frac{3.7 \times 10^{-19}}{1.6 \times 10^{-19}} \fallingdotseq 2.3 \text{ eV} $$
答え:

限界振動数:\(\nu_0 \fallingdotseq 5.7 \times 10^{14}\) Hz

仕事関数:\(W \fallingdotseq 3.7 \times 10^{-19}\) J \(\fallingdotseq 2.3\) eV

補足:光電効果のアインシュタインの式

アインシュタインの光電効果の式:\(h\nu = W + K_{\max}\)。光子エネルギーが仕事関数を超えた分が電子の最大運動エネルギーになる。\(\nu < \nu_0\) では光の強度をいくら上げても電子は放出されない(光量子説の核心)。

Point

光電効果では \(h\nu = W + K_{\max}\)。限界波長/限界振動数は仕事関数だけで決まり、光の強度には依存しない。