設定:
立式:
川幅方向の移動距離は垂直成分 $v_1$ のみで決まるので:
$$v_1 = \frac{d}{t} = \frac{30}{15} = 2.0 \text{ m/s}$$実際の進行方向が川岸に対して $30°$ なので、速度の三角形より:
$$\sin 30° = \frac{v_1}{v} \quad \Rightarrow \quad v = \frac{v_1}{\sin 30°} = \frac{2.0}{0.50} = 4.0 \text{ m/s}$$実際の進行方向は川岸に対して $30°$ なので、船が実際に移動した距離を $L$ とすると、川幅との関係は:
$$ \sin 30° = \frac{d}{L} \quad \Longrightarrow \quad L = \frac{d}{\sin 30°} = \frac{30}{0.5} = 60\,\text{m} $$この距離を $t = 15\,\text{s}$ で移動したので:
$$ v = \frac{L}{t} = \frac{60}{15} = 4.0\,\text{m/s} $$三角関数を使わず、移動距離と時間から直接求められる方法です。
川を横切る問題では、川幅方向の移動は静水上での速度成分だけで決まることを利用して、まず $v_1$ を求めるのが定石。合成速度 $v$ は三角関数の関係から逆算する。
立式:
船首を川岸に垂直に向けているので、船の静水上での速さ $v_1$ はそのまま川幅方向の速度成分です。川幅と渡河時間から:
$$v_1 = \frac{d}{t} = \frac{30}{15} = 2.0 \text{ m/s}$$船首の向き=静水上での速度の向き。船首を川岸に垂直に向けているなら、静水上での速度はそのまま垂直成分になる。川幅と渡河時間から直接算出できる。
立式:
速度の直角三角形において、$v^2 = v_1^2 + v_2^2$ なので $v_2$ について解くと
$$v_2 = \sqrt{v^2 - v_1^2}$$数値代入:$v = 4.0$ m/s、$v_1 = 2.0$ m/s を代入すると
$$v_2 = \sqrt{4.0^2 - 2.0^2} = \sqrt{16 - 4} = \sqrt{12} = 2\sqrt{3} \fallingdotseq 3.5 \text{ m/s}$$速度の直角三角形において $v^2 = v_1^2 + v_2^2$ が成り立つので:
$$ v_2 = \sqrt{v^2 - v_1^2} = \sqrt{4.0^2 - 2.0^2} = \sqrt{16 - 4} = \sqrt{12} = 2\sqrt{3}\,\text{m/s} $$三角関数を使わず、三平方の定理だけで同じ結果が得られます。
$v_2 = 2\sqrt{3} \fallingdotseq 3.5\,\text{m/s}$ は船の静水上での速さ $v_1 = 2.0\,\text{m/s}$ より大きいです。これは実際の進行方向が川岸からわずか $30°$ しか傾いていない(かなり流されている)ことと整合します。もし川の流れがなければ真っすぐ対岸に渡れるはずですが、$30°$ という浅い角度で流されるのは、川の流れがかなり強いことを示しています。
速度の分解は力の分解とまったく同じルールに従います。ベクトル量である速度を、直交する2方向に分けるのが基本です。川の問題では「川幅方向(垂直)」と「川岸方向(水平)」の2成分に分けることで、各方向の運動を独立に扱えます。力の合成・分解の考え方がそのまま速度にも適用できることを意識しておきましょう。
摩擦がある場合は力学的エネルギーの一部が熱エネルギーに変わりますが、全エネルギー(力学的+熱)は保存されます。
川を横切る問題では、速度の合成は直角三角形になる($v_1 \perp v_2$)。「川岸に対する角度」がどの角度かを正確に読み取り、$\sin$ と $\cos$ を間違えないことが重要。