(1) 正の向きに動きだして 4.0 秒後に 16 m/s
静止状態から正の向きに動きだしたので、初速度 $v_1 = 0$ m/s、4.0 秒後の速度 $v_2 = +16$ m/s です。
平均の加速度の定義式に代入します:
$$a = \frac{\Delta v}{\Delta t} = \frac{v_2 - v_1}{t_2 - t_1}$$ $$a = \frac{16 - 0}{4.0} = \frac{16}{4.0} = 4.0 \text{ m/s}^2$$$a > 0$ なので、加速度は正の向きに 4.0 m/s² です。速度が正の向きに増加しており、直感と一致します。
(2) 正の向き 1.0 m/s → 負の向き 3.0 m/s
正の向きに $1.0$ m/s で進んでいた力学台車が、4.0 秒後に負の向きに $3.0$ m/s になりました。速度を符号付きで表すと:
$$v_1 = +1.0 \text{ m/s}, \quad v_2 = -3.0 \text{ m/s}$$平均の加速度を計算します:
$$a = \frac{v_2 - v_1}{\Delta t} = \frac{(-3.0) - (+1.0)}{4.0} = \frac{-4.0}{4.0} = -1.0 \text{ m/s}^2$$$a < 0$ なので、加速度は負の向きに 1.0 m/s² です。途中で向きが反転した場合でも、$\Delta v$ の符号で加速度の向きが決まります。
(3) 負の向き 15 m/s → 負の向き 3.0 m/s(核心)
負の向きに $15$ m/s で走っていた自動車が減速し、6.0 秒後に負の向きに $3.0$ m/s になりました。速度を符号付きで表すと:
$$v_1 = -15 \text{ m/s}, \quad v_2 = -3.0 \text{ m/s}$$平均の加速度を計算します:
$$a = \frac{v_2 - v_1}{\Delta t} = \frac{(-3.0) - (-15)}{6.0} = \frac{+12}{6.0} = +2.0 \text{ m/s}^2$$$a > 0$ なので、加速度は正の向きに 2.0 m/s² です。物体は負の向きに進んでいるのに、加速度は正の向き——これが最大のポイントです。「減速」は進行方向と逆向きの加速度を受けることなので、負の向きに進む物体が減速すると加速度は正になります。
「加速度の向き=運動の向き」という誤解は非常に多いです。正しくは:
加速度の向き=速度変化 $\Delta v$ の向き
(3) では速度が $-15$ m/s から $-3.0$ m/s に変化しました。数直線で考えると:
$$\Delta v = v_2 - v_1 = (-3.0) - (-15) = +12 \text{ m/s}$$$\Delta v > 0$(正の向き)なので加速度も正の向きです。
物理的には、「負の向きの速さが小さくなった」=「速度が正の方向に近づいた」ということ。ブレーキをかけると、進行方向と逆向きの力が加わります。負の向きに走る車にブレーキをかければ、力は正の向き → 加速度も正の向きです。
一般に次の表が成り立ちます:
| 運動の向き | 加速/減速 | 加速度の向き |
|---|---|---|
| 正 | 加速 | 正 |
| 正 | 減速 | 負 |
| 負 | 減速 | 正 ← (3) |
| 負 | 加速 | 負 |
覚え方:加速度と速度が同じ向き → 加速、逆向き → 減速。
平均の加速度 $a = \dfrac{\Delta v}{\Delta t} = \dfrac{v_2 - v_1}{t_2 - t_1}$ を使うとき、速度は必ず符号付きで代入する。正の向きを $+$、負の向きを $-$ と定めて計算すれば、結果の符号が加速度の向きを自動的に教えてくれる。
「減速 = 負の加速度」ではない。減速とは進行方向と逆向きの加速度のこと。負の向きへの減速は加速度が正になる。