基本問題9 相対速度

雨の相対速度と速度の分解

直感的理解
電車の中から見ると、まっすぐ降る雨は斜めに見えます。これは電車の速度分だけ雨が横に流れて見えるから。見かけの角度と電車の速さがわかれば、雨の本当の速さがわかります。

設定:水平面上を速さ $v_{\rm T} = 8.0$ m/s で走る電車。雨は鉛直に降っている。電車内からは鉛直から $30°$ 傾いて見える。

考え方:電車から見た雨の相対速度は、雨の速度から電車の速度を引いたベクトル:

雨は鉛直下向きに速さ $v_{\rm R}$、電車は水平方向に $v_{\rm T} = 8.0$ m/s。相対速度の水平成分は $v_{\rm T}$(逆向き)、鉛直成分は $v_{\rm R}$。

角度の関係:

電車内で見た雨の傾き角 $30°$ と、速度の鉛直成分 $v_{\rm R}$、水平成分 $v_{\rm T}$ の関係は:

$$\tan 30° = \frac{v_{\rm T}}{v_{\rm R}}$$

雨の速さ:

$\tan 30° = \dfrac{1}{\sqrt{3}}$ を代入して $v_{\rm R}$ を求めます。

$$v_{\rm R} = \frac{v_{\rm T}}{\tan 30°} = \frac{8.0}{1/\sqrt{3}} = 8.0\sqrt{3} \fallingdotseq 14 \text{ m/s}$$
答え:
$$v_{\rm R} = 8.0\sqrt{3} \fallingdotseq 14 \text{ m/s}$$
Point

雨と乗り物の相対速度:鉛直に降る雨を速さ $v$ で走る乗り物から見ると、$\tan\theta = \dfrac{v}{v_{\rm R}}$ の関係。雨の速さが大きいほど傾きは小さくなる。

💡 補足:次元解析による検算

計算結果の単位が正しいか確認する習慣をつけましょう。速度なら [m/s]、加速度なら [m/s²] になるはずです。数式の両辺で単位が一致するか(次元解析)を確認すると、立式ミスを防げます。