応用問題43 自由落下と斜方投射

設問(1) 時刻 $t$ における P の座標

直感的理解
P は斜方投射、Q は自由落下です。P の座標は水平方向(等速)と鉛直方向(投げ上げ)に分解して表します。

P の座標:水平方向は等速直線運動、鉛直方向は投げ上げ運動です。

答え:
$$\left(v_0 \cos\theta \cdot t,\;\; v_0 \sin\theta \cdot t - \frac{1}{2}gt^2\right)$$
Point

斜方投射の座標は水平・鉛直に分解。$x = v_0\cos\theta \cdot t$、$y = v_0\sin\theta \cdot t - \frac{1}{2}gt^2$。

設問(2) P が $v_0$ によらず Q に衝突する条件

直感的理解
$y$ の衝突条件を書くと $\frac{1}{2}gt^2$ が両辺に現れて消えます(応用問題38と同じ構造)。残りの条件に $t$ を代入すると $v_0$ が消え、$\tan\theta = b/a$ が得られます。つまり P を Q の初期位置めがけて投げれば必ず衝突するのです。

衝突条件:$x_P = a$ かつ $y_P = y_Q$ を同時に満たす時刻 $t$ が存在。

$x$ 条件:$v_0\cos\theta \cdot t = a$ より $t = \dfrac{a}{v_0\cos\theta}$

$y$ 条件:$y_P = y_Q$ より

$$v_0\sin\theta \cdot t - \frac{1}{2}gt^2 = b - \frac{1}{2}gt^2$$

$-\frac{1}{2}gt^2$ が両辺で打ち消し合い

$$v_0\sin\theta \cdot t = b$$

$t = \dfrac{a}{v_0\cos\theta}$ を代入すると

$$v_0\sin\theta \cdot \frac{a}{v_0\cos\theta} = b \quad \Rightarrow \quad a\tan\theta = b$$ $$\therefore \quad \tan\theta = \frac{b}{a}$$

$v_0$ が約分されて消えるため、角度 $\theta$ だけで衝突条件が決まります。

答え:
$$\tan\theta = \frac{b}{a}$$
補足:物理的解釈(「狙い撃ち」の原理)

$\tan\theta = b/a$ は、投射方向が Q の初期位置 $(a, b)$ を向いていることを意味します。重力がなければ P は $(a, b)$ に直進します。重力があると P は下に曲がりますが、Q も同じだけ自由落下するので、結局同じ位置で出会うのです。

これは「モンキーハンティング」として有名な問題で、「狙った方向に投げれば、重力に関係なく当たる」ことを示しています。

Point

$\tan\theta = b/a$(Q の方向に向けて投射)ならば $v_0$ によらず衝突する。これは「モンキーハンティング」の問題として有名。重力の効果が両方の物体に等しく作用するため。

🧮 具体的な数値例

たとえば \(v_0 = 20\) m/s、\(\theta = 30°\) で投射した場合:

$$v_{0x} = 20 \times \cos 30° = 20 \times \frac{\sqrt{3}}{2} \fallingdotseq 17.3 \text{ m/s}$$ $$v_{0y} = 20 \times \sin 30° = 20 \times 0.5 = 10 \text{ m/s}$$ $$\text{最高点の高さ:} H = \frac{v_{0y}^2}{2g} = \frac{10^2}{2 \times 9.8} \fallingdotseq 5.1 \text{ m}$$