着目:人+板の系全体(質量 $m_1 + m_2$)
はたらく力:重力 $(m_1 + m_2)g$(下)、ひもの張力 $T_1$(上)
つりあいの式(鉛直方向、上向き正):
$$ T_1 - (m_1 + m_2)g = 0 $$ $$ T_1 = (m_1 + m_2)g $$例えば $m_1 = 60$ kg, $m_2 = 30$ kg, $g = 9.8$ m/s² のとき:
$$ T_1 = (60 + 30) \times 9.8 = 90 \times 9.8 = 882 \text{ N} $$滑車の問題では、着目する系(物体のまとまり)を適切に選ぶことで式が簡単になる。内力(系内の力)は考えなくてよい。
人+板の系全体のつりあい:
ひもは「板に固定された端」と「人が持つ端」の2箇所で系に接しているので、上向きの力は $2T_2$ です。
$$ 2T_2 - (m_1 + m_2)g = 0 $$ $$ T_2 = \frac{(m_1 + m_2)g}{2} $$人だけの鉛直方向のつりあい:
人にはたらく力:重力 $m_1 g$(下)、板からの垂直抗力 $N_2$(上)、ひもの張力 $T_2$(上)
$$ N_2 + T_2 - m_1 g = 0 $$ $$ N_2 = m_1 g - T_2 = m_1 g - \frac{(m_1 + m_2)g}{2} $$ $$ N_2 = \frac{2m_1 g - (m_1 + m_2)g}{2} = \frac{(m_1 - m_2)g}{2} $$$T_1 = (m_1 + m_2)g$ に対して $T_2 = \dfrac{(m_1 + m_2)g}{2}$。つまり $T_2 = \dfrac{T_1}{2}$。
自分でひもを引く場合は、ひもが系に2箇所で接するので必要な力が半分になります。これは動滑車と同じ原理です。
ただし $m_1 > m_2$ が必要条件です。$m_1 < m_2$ では $N_2 < 0$ となり、人が板から浮いてしまうので実現不可能です。
滑車の問題では、ひもが系に何箇所で接しているかを数えることが大切。自分で引く場合は2箇所接するので力は半分。「着目する物体」を変えると別の未知量が求まる。