基本問題47 力の図示

(1)〜(7) 力の図示

直感的理解
力を見つけるコツは「重力は必ずある」→「接触している物体を1つずつチェック」です。面からは垂直抗力と摩擦力、糸からは張力、ばねからは弾性力がはたらきます。タブをクリックして各場面を確認しましょう。

力を見つける手順:まず重力(常に存在)、次に接触面ごとの力を列挙します。

力のつりあい条件:静止している物体では、はたらく力の合力が 0 です。

$$ \sum \vec{F} = \vec{0} \quad \Longleftrightarrow \quad \sum F_x = 0 \text{ かつ } \sum F_y = 0 $$

(1) 水平面上の物体:物体にはたらく力は重力 $mg$(下向き)と垂直抗力 $N$(上向き)の2力です。

鉛直方向のつりあい:

$$ N - mg = 0 \quad \Longrightarrow \quad N = mg $$

(2) 糸でつるされた小球:重力 $mg$(下向き)と張力 $T$(上向き)の2力がつりあいます。

$$ T = mg $$

(3) なめらかな斜面上:重力 $mg$ を斜面に垂直な成分と平行な成分に分解します。

斜面に垂直な方向のつりあい:

$$ N = mg\cos\theta $$

斜面に平行な方向では垂直抗力は成分を持たないため、この物体はなめらかな斜面を滑り始めます(静止は不可能です)。

(5) 投げ上げの最高点:空中にあるので接触力はなく、はたらく力は重力 $mg$(下向き)のみです。速度がゼロでも力はゼロではありません。

$$ F = mg \quad (\text{鉛直下向き}) $$

(6) あらい斜面:重力の斜面方向成分が摩擦力とつりあい、垂直方向成分が垂直抗力とつりあいます。

斜面に垂直:

$$ N = mg\cos\theta $$

斜面に平行(物体が斜面上で静止している場合):

$$ f = mg\sin\theta $$
答え:
(1) 重力 \(mg\)↓、垂直抗力 \(N\)↑ の2力
(2) 重力 \(mg\)↓、張力 \(T\)↑ の2力
(3) 重力 \(mg\)↓、垂直抗力 \(N\)⊥ の2力
(4) 重力 \(mg\)↓、弾性力 \(F\)↑、張力 \(T\)↑ の3力
(5) 重力 \(mg\)↓ のみ(1力)
(6) 重力 \(mg\)↓、垂直抗力 \(N\)⊥、摩擦力 \(f\)// の3力
(7) 重力 \(mg\)↓、垂直抗力 \(N\)⊥、押す力 \(F\)//、静止摩擦力 \(f\)// の4力
補足:力の見落としを防ぐチェックリスト

非接触力:

  • 重力 \(mg\)(常に鉛直下向き)— 必ず存在
  • 静電気力、磁力(電磁気の問題のみ)

接触力:接触面ごとに以下をチェック

  • 面 → 垂直抗力 \(N\)(面に垂直)+ 摩擦力 \(f\)(面に平行、あらい面のみ)
  • 糸・ロープ → 張力 \(T\)(糸に沿って引っ張る方向)
  • ばね → 弾性力 \(F = kx\)(縮み/伸びに応じた方向)

よくある間違い:投げ上げの最高点で「速度が 0 だから力も 0」と考えるのは誤り。最高点でも重力 \(mg\) は下向きにはたらいています。

Point

力を見つける手順:(1) 重力は常にある(2) 接触物ごとに力を考える(面→N+f、糸→T、ばね→F)。空中なら重力のみ。

🧮 具体的な数値例

たとえば質量 \(m = 3.0\) kg の物体に \(F = 6.0\) N の力を加えた場合:

$$a = \frac{F}{m} = \frac{6.0}{3.0} = 2.0 \text{ m/s}^2$$ $$t = 5.0 \text{ s 後の速度:} v = at = 2.0 \times 5.0 = 10 \text{ m/s}$$