基本問題73 斜面上の運動

なめらかな斜面上の力と加速度

直感的理解
斜面上では力を斜面方向と垂直方向に分解する。垂直抗力の値から加速度を逆算したり、加速度から必要な力を計算したりする。斜面方向は $mg\sin\theta$ が基本。

傾き角 $30°$ のなめらかな斜面上に質量 $m = 5.0$ kg の物体を置く。$g = 9.8$ m/s$^2$。

(1) 垂直抗力が $N = 40$ N のとき、物体の加速度を求める。

斜面方向の運動方程式(斜面下向きを正):重力の斜面成分のみが加速を生みます。

$$ma = mg\sin 30°$$

数値を代入:

$$a = g\sin 30° = 9.8 \times 0.50 = 4.9 \text{ m/s}^2 \quad \text{(斜面下向き)}$$

(参考:通常の垂直抗力は $mg\cos 30° = 5.0 \times 9.8 \times 0.866 = 42.4$ N。$N = 40$ N が与えられている場合、斜面に垂直な方向にも加速度がある可能性があるが、なめらかな斜面では斜面方向の加速度は同じ。)

(2) 物体の加速度が斜面下方に $1.5$ m/s$^2$ のとき、斜面方向の力 $F$ の大きさを求める。

斜面方向の運動方程式(斜面下向きを正)。力 $F$ は斜面上向き(負の向き)にはたらくとすると:

$$ma = mg\sin 30° - F$$

$F$ について解いて数値を代入:

$$F = mg\sin 30° - ma = m(g\sin 30° - a)$$ $$F = 5.0 \times (9.8 \times 0.50 - 1.5) = 5.0 \times (4.9 - 1.5) = 5.0 \times 3.4 = 17 \text{ N}$$

$F > 0$ なので、力は斜面上向きにはたらいている。

答え:
(1) $a = 4.9$ m/s$^2$(斜面下向き)
(2) $F = 17$ N(斜面上向き)
Point

斜面上の力の分解:重力を斜面に平行な成分 $mg\sin\theta$ と垂直な成分 $mg\cos\theta$ に分ける。斜面方向の合力が加速度を決め、垂直方向は通常つり合う。

💡 補足:次元解析による検算

計算結果の単位が正しいか確認する習慣をつけましょう。速度なら [m/s]、加速度なら [m/s²] になるはずです。数式の両辺で単位が一致するか(次元解析)を確認すると、立式ミスを防げます。