基本問題80 あらい水平面上の運動

動摩擦力がはたらく水平面上の運動

直感的理解
あらい面上を滑る物体は動摩擦力を受けて減速する。動摩擦力は一定($f' = \mu' N$)なので等加速度(減速)運動になる。摩擦が大きいほど早く止まる。

あらい水平面上に質量 $m$ [kg] の物体を初速 $v_0$ [m/s] で滑らせる。動摩擦係数 $\mu'$、重力加速度 $g$ [m/s$^2$]。

運動方程式:

水平面上なので垂直抗力は $N = mg$。動摩擦力は運動方向と逆向きに $f' = \mu' N = \mu' mg$。

運動方向を正として運動方程式を立てると:

$$ma = -f' = -\mu' mg$$

(1) 物体の加速度:

両辺を $m$ で割ると:

$$a = -\mu' g$$

負号は減速を意味します。加速度の大きさは $|a| = \mu' g$ です。

(2) 停止するまでの時間:

$v = v_0 + at = 0$ より:

$$0 = v_0 - \mu' g \cdot t$$ $$t = \frac{v_0}{\mu' g}$$

(3) 滑った距離:

$v^2 - v_0^2 = 2ax$ で $v = 0$ を代入すると:

$$0 - v_0^2 = 2(-\mu' g) \cdot x$$ $$x = \frac{v_0^2}{2\mu' g}$$
答え:
(1) 加速度の大きさ $|a| = \mu' g$ [m/s$^2$](運動方向と逆)
(2) 停止時間 $t = \dfrac{v_0}{\mu' g}$ [s]
(3) 滑った距離 $x = \dfrac{v_0^2}{2\mu' g}$ [m]
補足:静止摩擦力との違い

動摩擦力 $f = \mu N$ は一定ですが、静止摩擦力は加えた力に応じて $0$ から最大静止摩擦力 $\mu_0 N$ まで変化します。

$$f_{\text{max}} = \mu_0 N > \mu N = f$$

したがって最大静止摩擦力は動摩擦力より大きい値です。

Point

動摩擦力の特徴:$f' = \mu' N$ は速度に依存せず一定。水平面では $N = mg$ なので $a = -\mu' g$ の等加速度(減速)運動。停止距離は初速の2乗に比例する。