基本例題13 運動方程式

設問(1) 張力148Nで引き上げるときの加速度

直感的理解
糸で物体を引き上げるとき、張力が重力より大きければ物体は上向きに加速します。張力と重力の差が「正味の力(合力)」となり、それが加速度を生み出します。スライダーで張力を変えると、加速度がどう変わるか体感できます。

設定:質量 $m = 10\;\text{kg}$、重力加速度 $g = 9.8\;\text{m/s}^2$、張力 $T = 148\;\text{N}$。鉛直上向きを正とする。

立式:物体にはたらく力は、上向きの張力 $T$ と下向きの重力 $mg$。上向きを正として運動方程式は:

$$ma = T - mg$$

計算:$a$ について解いて数値を代入します($m = 10$ kg、$T = 148$ N、$g = 9.8$ m/s$^2$)。

$$a = \frac{T - mg}{m} = \frac{148 - 10 \times 9.8}{10} = \frac{148 - 98}{10} = \frac{50}{10} = 5.0\;\text{m/s}^2$$
答え:
$$a = 5.0\;\text{m/s}^2 \quad \text{(鉛直上向き)}$$
Point

運動方程式 $ma = F$(合力)。正の向きを決め、力の符号に注意して立式する。

設問(2) 加速度2.0 m/s2で下降するときの張力

直感的理解
物体が下向きに加速しているとき、張力は重力より小さくなります。エレベーターが下降し始めるとき体が軽く感じるのと同じ原理です。

設定:鉛直下向きを正とし、加速度 $a = 2.0\;\text{m/s}^2$(下向き)。

立式:下向きを正として運動方程式を立てると:

$$ma = mg - T$$

計算:$T$ について解いて数値を代入します($m = 10$ kg、$a = 2.0$ m/s$^2$)。

$$T = mg - ma = m(g - a) = 10 \times (9.8 - 2.0) = 10 \times 7.8 = 78\;\text{N}$$
答え:
$$T = 78\;\text{N}$$
Point

加速度の向きに合わせて正の向きを設定すると立式しやすい。下向き加速なら $ma = mg - T$。

設問(3) 等速で上昇するときの張力

直感的理解
等速運動では加速度が0なので、物体にはたらく合力も0です。つまり張力と重力がつりあっています。「速さ4.0 m/s」という情報は張力の値には関係しません。

設定:等速($v = 4.0\;\text{m/s}$)で上昇 → 加速度 $a = 0$。

立式:$a = 0$ なので力がつりあっている:

$$T - mg = 0 \quad \Rightarrow \quad T = mg$$

計算:

$$T = mg = 10 \times 9.8 = 98\;\text{N}$$
答え:
$$T = 98\;\text{N}$$
Point

等速運動 → $a = 0$ → 合力 = 0。速さがいくらであっても、等速なら力はつりあっている。速さの数値に惑わされない!

💡 補足:次元解析による検算

計算結果の単位が正しいか確認する習慣をつけましょう。速度なら [m/s]、加速度なら [m/s²] になるはずです。数式の両辺で単位が一致するか(次元解析)を確認すると、立式ミスを防げます。