基本問題96 棒のつりあい

(1) 糸の張力 $T$

直感的理解
壁のちょうつがいA には未知の力が2成分あるので、A まわりのモーメントを使うとそれらが消えて $T$ が直接求まります。糸 CB は鉛直(A の真上の C から B へ水平に向かう)なので、$T$ は水平方向です。

設定:棒は水平から角度 $\theta$ = 30° で壁に固定。C は A の真上にあり、BC は水平。

A まわりのモーメント(反時計回り正):

糸の張力 $T$ は B 点で水平方向(壁に向かう方向)に作用。A からの垂直距離(うでの長さ)は $l\sin\theta$。

重力 $W$ は重心(棒の中点)で鉛直下向きに作用。A からの水平距離(うでの長さ)は $\frac{l}{2}\cos\theta$。

$$T \cdot l\sin\theta = W \cdot \frac{l}{2}\cos\theta$$

両辺を $l$ で割ると:

$$T\sin\theta = \frac{W\cos\theta}{2}$$ $$T = \frac{W\cos\theta}{2\sin\theta} = \frac{W}{2\tan\theta}$$
答え (1):
$$T = \frac{W}{2\tan\theta}$$

(2) 壁からの抗力 $\vec{R}$ の水平・鉛直成分

直感的理解
ちょうつがいからの抗力は水平・鉛直の2成分をもちます。力のつりあいの式から直接求められます。

水平方向の力のつりあい:

$$R_x = T = \frac{W}{2\tan\theta}$$

($R_x$ は壁から外向き、$T$ は壁に向かう方向で釣り合う)

鉛直方向の力のつりあい:

$$R_y = W$$

(ちょうつがいの鉛直成分が棒の重さを支える)

抗力の大きさと向き:

$$R = \sqrt{R_x^2 + R_y^2} = \sqrt{\left(\frac{W}{2\tan\theta}\right)^2 + W^2}$$
答え (2):
$$R_x = \frac{W}{2\tan\theta} \quad (\text{壁から外向き})$$ $$R_y = W \quad (\text{鉛直上向き})$$
補足:力の見落とし防止チェックリスト

力を列挙する際は、①重力 ②垂直抗力 ③張力 ④摩擦力 ⑤弾性力 の順に確認し、接触力と遠隔力を分けて図示すると見落としを防げます。

Point

ちょうつがいの抗力は未知2成分をもつ。ちょうつがいの点まわりのモーメントで他の未知力を先に求め、あとで力のつりあいから抗力成分を求める手順が定石。

🧮 具体的な数値で確認

この問題の物理量に具体的な数値を当てはめて確認してみましょう。

たとえば質量 \(m = 2.0\) kg の物体に力 \(F = 5.0\) N を加えると:

$$a = \frac{F}{m} = \frac{5.0}{2.0} = 2.5 \text{ m/s}^2$$ $$t = 4.0 \text{ s 後の速度: } v = at = 2.5 \times 4.0 = 10 \text{ m/s}$$ $$\text{移動距離: } x = \frac{1}{2}at^2 = \frac{1}{2} \times 2.5 \times 16 = 20 \text{ m}$$

数値を代入して単位が合うことを確認する習慣をつけましょう。