基本問題97 壁に立てかけた棒のつりあい

解法

直感的理解
壁に立てかけた棒では、なめらかな壁は水平に押し返すだけ、あらい床は「支えて滑りを止める」ので鉛直抗力と摩擦力の2つが働きます。未知の力が3つ($N_A, N_B, F$)あるので、力のつりあい2式+モーメント1式で解けます。

力の整理:

鉛直方向の力のつりあい:

$$N_B = W \quad \cdots (1)$$

水平方向の力のつりあい:

$$F = N_A \quad \cdots (2)$$

A まわりのモーメント(反時計回り正):

A 点に作用する $N_B$ と $F$ のモーメントは 0 なので、$N_A$ と $W$ のみ考えます。

$N_A$ は B 点で水平方向に作用。A からの垂直距離(うでの長さ)= $l\sin 60° = \frac{\sqrt{3}}{2}l$

$W$ は A から $\frac{l}{3}$ の点で鉛直下向きに作用。A からの水平距離 = $\frac{l}{3}\cos 60° = \frac{l}{6}$

$$N_A \cdot l\sin 60° = W \cdot \frac{l}{3}\cos 60°$$ $$N_A \cdot \frac{\sqrt{3}}{2}l = W \cdot \frac{l}{6}$$ $$N_A = \frac{W}{6} \cdot \frac{2}{\sqrt{3}} = \frac{W}{3\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}}{9}W$$

(2) より $F = N_A = \dfrac{\sqrt{3}}{9}W$

答え:
$$N_A = \frac{\sqrt{3}}{9}W, \quad N_B = W, \quad F = \frac{\sqrt{3}}{9}W$$
補足:棒の重さがある場合

棒自体に重さがあれば、A まわりのモーメントの式に棒の重心(A から $\frac{l}{2}$)での重力のモーメントを加えます。

Point

壁に立てかけた棒の典型問題。なめらかな壁 → 垂直抗力のみ。あらい床 → 垂直抗力+摩擦力。未知の力が多い方の点をモーメントの回転軸に選ぶと計算が楽。