力の整理:
B点まわりの力のモーメントのつりあい:
反時計回りを正として:$N_A$ のうでの長さ = $l\sin\theta$、重力のうでの長さ = $\frac{l}{2}\cos\theta$
$$N_A \cdot l\sin\theta = mg \cdot \frac{l}{2}\cos\theta$$ $$N_A = \frac{mg\cos\theta}{2\sin\theta} = \frac{mg}{2\tan\theta}$$鉛直方向の力のつりあい:
$$N_B = mg$$水平方向の力のつりあい:
$$F = N_A = \frac{mg}{2\tan\theta}$$壁に立てかけた棒の問題では、なめらかな面 = 垂直抗力のみ、あらい面 = 垂直抗力+摩擦力。回転軸は力が集中するB端(床の接点)に取ると効率的。
条件:棒がすべらないためには、摩擦力 $F$ が最大静止摩擦力 $\mu N_B$ 以下:
$$F \leq \mu N_B$$(1)の結果を代入して:
$$\frac{mg}{2\tan\theta} \leq \mu \cdot mg$$ $$\frac{1}{2\tan\theta} \leq \mu$$ $$\tan\theta \geq \frac{1}{2\mu}$$力を列挙する際は、①重力 ②垂直抗力 ③張力 ④摩擦力 ⑤弾性力 の順に確認し、接触力と遠隔力を分けて図示すると見落としを防げます。
剛体が倒れない(すべらない)条件は、摩擦力 $\leq$ 最大静止摩擦力 ($F \leq \mu N$) で表される。角度が小さいほど摩擦力が大きくなる点に注意。
棒の質量 \(m = 4.0\) kg、棒と床のなす角 \(\theta = 60°\)、重力加速度 \(g = 9.8\) m/s² として、各力の大きさと滑らない条件を実際に計算する。
重力の大きさ:
$$ mg = 4.0 \times 9.8 = 39.2 \text{ N} $$(1) 各力の大きさ:B端まわりのモーメントのつりあいから \(N_A\) が、力のつりあいから \(N_B,F\) が決まる。
$$ N_A = \frac{mg}{2\tan 60°} = \frac{39.2}{2 \times \sqrt{3}} \fallingdotseq 11.3 \text{ N} $$ $$ N_B = mg = 39.2 \text{ N(鉛直方向のつりあい)} $$ $$ F = N_A \fallingdotseq 11.3 \text{ N(水平方向のつりあい)} $$(2) すべらない条件 \(F \leq \mu N_B\) より、必要な静止摩擦係数:
$$ \mu \geq \frac{F}{N_B} = \frac{1}{2\tan 60°} = \frac{1}{2\sqrt{3}} \fallingdotseq 0.29 $$角度を 30° に下げると \(\mu \geq 1/(2\tan 30°) = \sqrt{3}/2 \fallingdotseq 0.87\) と急増し、滑りやすくなる。