基本問題113 弾性力による位置エネルギー

ばねの弾性力がする仕事

直感的理解
ばねの弾性力がする仕事は $W = \frac{1}{2}kx_1^2 - \frac{1}{2}kx_2^2$(初めの伸びから終わりの伸びへの弾性エネルギーの減少分)。ばね定数が大きいほど同じ変位でも大きな仕事をします。

設定:ばね定数の異なる 2 つのばね A, B がある。それぞれ一端を天井に固定し、もう一方に質量 $M$ のおもりを取り付ける。

弾性力の仕事

ばねの弾性力は $F = -kx$(伸びを戻す向き)。自然長からの伸び $x_1$ から $x_2$ まで変化するとき、弾性力がする仕事:

$$W = \int_{x_1}^{x_2} (-kx)\,dx = \left[-\frac{1}{2}kx^2\right]_{x_1}^{x_2}$$ $$= -\frac{1}{2}kx_2^2 + \frac{1}{2}kx_1^2 = \frac{1}{2}kx_1^2 - \frac{1}{2}kx_2^2$$

自然長($x = 0$)から伸び $x$ まで伸ばすときの弾性力の仕事($x_1 = 0$, $x_2 = x$):

$$W = \frac{1}{2}k \cdot 0^2 - \frac{1}{2}kx^2 = -\frac{1}{2}kx^2$$

(負の値 → 弾性力は伸びを戻す方向なので、伸ばす移動に逆らう仕事をする)

弾性力による位置エネルギー

弾性力の仕事の符号を反転させたものが弾性エネルギーの変化:

$$U = \frac{1}{2}kx^2$$
答え:
弾性力の仕事:$W = \frac{1}{2}kx_1^2 - \frac{1}{2}kx_2^2$
弾性力による位置エネルギー:$U = \frac{1}{2}kx^2$
補足:エネルギー保存と散逸

摩擦がある場合は力学的エネルギーの一部が熱エネルギーに変わりますが、全エネルギー(力学的+熱)は保存されます。

Point

弾性エネルギー $U = \frac{1}{2}kx^2$。ばねの弾性力がする仕事は弾性エネルギーの減少分に等しい。ばね定数 $k$ が大きいほど、同じ変位で大きなエネルギーを蓄える。

🧮 数値計算で確認

質量 \(m = 3.0\) kg の物体に \(F = 12\) N の力を加えると:

$$a = \frac{F}{m} = \frac{12}{3.0} = 4.0 \text{ m/s}^2$$ $$t = 2.0 \text{ s 後: } v = at = 4.0 \times 2.0 = 8.0 \text{ m/s}$$ $$x = \frac{1}{2}at^2 = \frac{1}{2} \times 4.0 \times 4.0 = 8.0 \text{ m}$$