基本問題120 力学的エネルギーの保存

鉛直面内での糸と小球の運動

直感的理解
小球を糸でつないで斜め上から放すと、最下点で最も速くなります。そこから先は放物運動(投射)になります。高さと速さの関係はエネルギー保存で求めます。

設定:長さ $l$ の糸の一端を天井の点 O に固定し、他端に小球をつける。糸が鉛直と角度 $\theta$ をなす位置で軽く押して水平に速さ $v_0$ を与える。

(1) 最下点での速さ

糸が角 $\theta$ の位置(高さ $l\cos\theta$、支点を基準)で水平に速さ $v_0$ を与えます。最下点(高さ 0)を基準にすると、初期位置の高さは $h = l - l\cos\theta = l(1 - \cos\theta)$ です。

エネルギー保存則:

$$\frac{1}{2}mv_0^2 + mgl(1 - \cos\theta) = \frac{1}{2}mv^2$$ $$v = \sqrt{v_0^2 + 2gl(1 - \cos\theta)}$$

(2) 最下点から水平投射後の運動

最下点で糸から離れると、速さ $v$ で水平に飛び出します(水平投射)。

テーブルの高さを $H$ とすると、地面に着くまでの時間:

$$H = \frac{1}{2}gt^2 \quad \Rightarrow \quad t = \sqrt{\frac{2H}{g}}$$

水平到達距離:

$$x = vt = \sqrt{v_0^2 + 2gl(1 - \cos\theta)} \times \sqrt{\frac{2H}{g}}$$
答え:
最下点の速さ:$v = \sqrt{v_0^2 + 2gl(1 - \cos\theta)}$
落下時間:$t = \sqrt{2H/g}$、水平距離:$x = vt$
Point

糸につないだ小球:糸の張力は仕事をしない → 力学的エネルギー保存が成立。最下点の速さからの放物運動は水平投射として解く。

💡 補足:力のつり合いと運動方程式の使い分け

物体が静止または等速直線運動 → 力のつり合い(合力 = 0)。加速度がある → 運動方程式(\(ma = F\))。問題を読んだらまず「加速度があるかないか」を判断しましょう。

🧮 具体的な数値例

たとえば質量 \(m = 3.0\) kg の物体に \(F = 6.0\) N の力を加えた場合:

$$a = \frac{F}{m} = \frac{6.0}{3.0} = 2.0 \text{ m/s}^2$$ $$t = 5.0 \text{ s 後の速度:} v = at = 2.0 \times 5.0 = 10 \text{ m/s}$$