基本例題23 仕事

糸が引く力の仕事 $W_1$ と重力の仕事 $W_2$

直感的理解
糸の張力は常に糸の方向(おもりの速度に垂直な方向)にはたらくため、仕事はゼロです。一方、重力は鉛直下向きに一定で、おもりが高さ $h$ だけ下がるとき、重力は正の仕事 $mgh$ をします。振り子の問題では「高さの差」だけで重力の仕事が決まり、経路によりません。

設定:糸の長さ $l = 0.20\;\mathrm{m}$、質量 $m = 5.0\;\mathrm{kg}$、初期角度 $60°$、$g = 9.8\;\mathrm{m/s^2}$。

高さの差の計算:

AからBまでの高さの差 $h$:

$$h = l - l\cos 60° = l(1 - \cos 60°) = 0.20 \times (1 - 0.50) = 0.20 \times 0.50 = 0.10\;\mathrm{m}$$

$W_1$(糸が引く力の仕事):

糸の張力は常におもりの運動方向(円弧の接線方向)に垂直です:

$$W_1 = T \cdot s \cdot \cos 90° = 0\;\mathrm{J}$$

$W_2$(重力の仕事):

重力 $mg$ は鉛直下向きで、おもりは高さ $h = 0.10$ m だけ下がります:

$$W_2 = mgh = 5.0 \times 9.8 \times 0.10 = 4.9\;\mathrm{J}$$
答え:
$W_1 = 0$ J、$W_2 = 4.9$ J
補足:高さの差の求め方

支点Oから位置Aまでの鉛直距離は $l\cos 60° = 0.20 \times \frac{1}{2} = 0.10\;\mathrm{m}$

支点Oから位置B(最下点)までの鉛直距離は $l = 0.20\;\mathrm{m}$

したがって、AとBの高さの差は:

$$h = l - l\cos 60° = 0.20 - 0.10 = 0.10\;\mathrm{m}$$

Bを基準水平面にとれば、Aの高さは $h = 0.10\;\mathrm{m}$ です。

Point

力と移動方向が垂直なら仕事 = 0。振り子の糸の張力は常に速度に垂直なので仕事をしない。重力の仕事は高さの差 $h$ で決まり、$W = mgh$(下向き移動で正)。経路によらない。