基本例題25 力学的エネルギーの保存

設問(1) 点Aでの力学的エネルギー

直感的理解
なめらかな面では摩擦がないので、力学的エネルギーは保存されます。物体が高い位置Aにあるとき重力の位置エネルギーが最大で、水平面Bでは全てが運動エネルギーに、ばねが最も縮んだとき全てがばねの弾性エネルギーに変わります。エネルギーの総量は常に一定です。

水平面BCを高さの基準にとる:

$m = 2.0$ kg、$h = 2.5$ m、$k = 50$ N/m、$g = 9.8$ m/s² とします。

点Aでは物体は静止($K_A = 0$)、位置エネルギー $U_A = mgh$:

$$E_A = K_A + U_A = 0 + mgh = 2.0 \times 9.8 \times 2.5 = 49\;\mathrm{J}$$
答え(1):
$E_A = 49$ J

設問(2) 水平面BCに達したときの速さ $v$

力学的エネルギー保存則(Bでは $U_B = 0$):

$$E_A = \frac{1}{2}mv^2 + 0$$ $$49 = \frac{1}{2} \times 2.0 \times v^2 \quad \Rightarrow \quad v^2 = \frac{49}{1.0} = 49$$ $$v = 7.0\;\mathrm{m/s}$$
答え(2):
$v = 7.0$ m/s

設問(3) ばねの最大の縮み $x$

ばねが最も縮んだとき速さ $0$($K = 0$)。全エネルギーが弾性エネルギーに変換:

$$E_A = \frac{1}{2}kx^2$$ $$49 = \frac{1}{2} \times 50 \times x^2 \quad \Rightarrow \quad x^2 = \frac{49}{25} = 1.96$$ $$x = 1.4\;\mathrm{m}$$
答え(3):
$x = 1.4$ m
補足:力学的エネルギー保存則の成立条件

この問題では面がなめらか(摩擦なし)で、はたらく力は重力とばねの弾性力(ともに保存力)のみです。保存力のみがはたらく場合、力学的エネルギーは保存されます。

もし摩擦があると、力学的エネルギーの一部が熱エネルギーに変わるため、保存されなくなります。

Point

保存力のみなら $K + U = \text{一定}$。高さ $h$ の位置エネルギー $mgh$ → 運動エネルギー $\frac{1}{2}mv^2$ → ばねの弾性エネルギー $\frac{1}{2}kx^2$ と変換される。各状態でエネルギーの合計が等しいことを使う。