応用問題146 ばねでつながれた物体との衝突

設問(1) 衝突直後のA, Bの速さ

直感的理解
等質量の弾性衝突では「速度が交換」されます。AがBに衝突すると、Aは止まり、Bが \(v_0\) で飛び出します。これはニュートンの揺り籠(カチカチ玉)と同じ原理です。

AとBの衝突(弾性衝突, \(e = 1\), 等質量 \(m\)):

運動量保存則:

$$mv_0 + m \times 0 = mv_A' + mv_B' \quad \cdots (1)$$

反発係数の式(\(e = 1\)):

$$e = \frac{v_B' - v_A'}{v_0 - 0} = 1 \quad \Rightarrow \quad v_B' - v_A' = v_0 \quad \cdots (2)$$

(1) を $m$ で割ると $v_A' + v_B' = v_0$。(2) は $v_B' - v_A' = v_0$。

(1) + (2) より $2v_B' = 2v_0$、すなわち $v_B' = v_0$。(1) に代入して $v_A' = 0$。

答え:
衝突直後の速さ:\(A\) は \(0\)(静止)、\(B\) は \(v_0\)
Point

等質量の弾性衝突:速度が完全に交換される。静止物体に衝突すると、衝突した物体が止まり、相手が元の速度で飛び出す。

設問(2) ばねが最も縮んだ瞬間のB, Cの速さ

直感的理解
ばねが最も縮むとき、BとCは同じ速度で動いています(相対速度ゼロ)。この瞬間、B+C系の運動量保存から速度が求まります。ばねの弾性エネルギーが最大の瞬間でもあります。

B+C系で運動量保存(ばねの力は内力):

ばねが最も縮んだ瞬間、BとCは同じ速度 \(V\) で動く。

$$mv_0 + m \times 0 = (m + m)V$$ $$mv_0 = 2mV$$ $$V = \frac{v_0}{2}$$
答え:
ばねが最も縮んだ瞬間のB, Cの速さはともに \(\dfrac{v_0}{2}\)
Point

ばねが最も縮む(伸びる)瞬間 → 2物体の速度が等しい。運動量保存で共通速度を求める。

設問(3) ばね定数 \(k\)、最大縮み \(d\)、\(v_0\) の関係

直感的理解
衝突直後のBの運動エネルギーが、最大縮み時に「B+Cの運動エネルギー」と「ばねの弾性エネルギー」に分配されます。エネルギー保存から関係式が得られます。

エネルギー保存(衝突直後 → ばね最大縮み時):

衝突直後のBの運動エネルギーが、最大縮み時のB+Cの運動エネルギーとばねの弾性エネルギーに変わる:

$$\frac{1}{2}mv_0^2 = \frac{1}{2}(2m)\!\left(\frac{v_0}{2}\right)^2 + \frac{1}{2}kd^2$$

右辺第1項を計算:

$$\frac{1}{2}(2m) \times \frac{v_0^2}{4} = \frac{mv_0^2}{4}$$

したがって:

$$\frac{1}{2}mv_0^2 = \frac{mv_0^2}{4} + \frac{1}{2}kd^2$$ $$\frac{1}{2}kd^2 = \frac{mv_0^2}{2} - \frac{mv_0^2}{4} = \frac{mv_0^2}{4}$$ $$kd^2 = \frac{mv_0^2}{2}$$ $$d = v_0\sqrt{\frac{m}{2k}}$$
答え:
$$kd^2 = \frac{1}{2}mv_0^2$$ すなわち \(d = v_0\sqrt{\dfrac{m}{2k}}\)
補足:力の見落とし防止チェックリスト

力を列挙する際は、①重力 ②垂直抗力 ③張力 ④摩擦力 ⑤弾性力 の順に確認し、接触力と遠隔力を分けて図示すると見落としを防げます。

Point

ばねの最大縮みでは運動エネルギーの一部がばねの弾性エネルギーに変わる。運動量保存 + エネルギー保存の組み合わせで解く。

🧮 数値計算で確認

ばね定数 \(k = 200\) N/m、質量 \(m = 0.50\) kg のばね振り子の場合:

$$\omega = \sqrt{\frac{k}{m}} = \sqrt{\frac{200}{0.50}} = 20 \text{ rad/s}$$ $$T = \frac{2\pi}{\omega} = \frac{2\pi}{20} \fallingdotseq 0.31 \text{ s}$$ $$\text{振幅 } A = 0.10 \text{ m のとき } v_{\max} = A\omega = 0.10 \times 20 = 2.0 \text{ m/s}$$