設定:エレベーターの床に台ばかりを置き、質量 \(m\) の人が乗っている。エレベーターが静止している場合と、上向きに加速度 \(a\) で加速する場合を考える。重力加速度 \(g\)。
静止時は \(N = mg\) なので台ばかりの読みは \(mg\)。
地上(慣性系)から見た運動方程式(上向きを正):
$$ ma = N - mg $$垂直抗力 \(N\) について解くと:
$$ N = mg + ma = m(g + a) $$はかりの読みは垂直抗力 \(N\) に等しいので、\(m(g+a)\) となり、静止時より大きくなります。
エレベーター内から見ると物体は静止。下向きに慣性力 \(ma\) が加わる:
$$N = mg + ma = m(g + a)$$下向き加速度 \(a\) で動く場合(下降加速 or 上昇減速)の運動方程式(上向きを正):
$$ m(-a) = N - mg \quad \Rightarrow \quad N = m(g - a) $$はかりの読みは \(m(g-a)\) となり、静止時より小さくなるため体が軽く感じられます。
加速するエレベーター内の見かけの重さ:上向き加速 → \(N = m(g+a)\)(重くなる)、下向き加速 → \(N = m(g-a)\)(軽くなる)。慣性力 \(-ma\) は加速度と逆向きに現れる。
上で導いた結果に具体的な数値を代入し、計算の流れを確認します。
電車の加速度 \(a = 3.0\) m/s\(^2\) (進行方向), \(m = 2.0\) kg, \(g = 9.8\) m/s\(^2\) とする:
$$F_{in} = ma = 2.0 \times 3.0 = 6.0 \text{ N (後ろ向き)}$$ $$\tan\theta = \frac{a}{g} = \frac{3.0}{9.8} \fallingdotseq 0.306$$ $$\theta \fallingdotseq 17.0°$$記号の式に具体的な数値を代入することで、オーダー (桁) と単位を同時に検算できる。入試でも概数での検算は有効。