基本問題167 鉛直面内の円運動

鉛直面内の円運動(ループ)

直感的理解
ジェットコースターのループのように、鉛直面内の円形レール上を小球が動きます。最上点ではレールからの垂直抗力 \(N\) と重力 \(mg\) の両方が中心(下向き)を向き、その合力が向心力になります。最上点を通過できる条件は \(N \geq 0\) から決まります。

設定:半径 \(R\) の鉛直面内の円形ループの中を質量 \(m\) の小球が通過する。最上点Bでの速さを \(v_B\)、最下点Aでの速さを \(v_A\) とする。重力加速度 \(g\)。

(1) 最上点Bでの垂直抗力 \(N_B\)

最上点では mg と \(N_B\) の両方が中心(下向き)方向を向くので:

$$ mg + N_B = \frac{mv_B^2}{R} \quad \Rightarrow \quad N_B = \frac{mv_B^2}{R} - mg $$

(2) 最上点を通過する条件

\(N_B \geq 0\) より:

$$ \frac{mv_B^2}{R} - mg \geq 0 \quad \Rightarrow \quad v_B^2 \geq gR \quad \Rightarrow \quad v_B \geq \sqrt{gR} $$

(3) 最下点Aでの速さとの関係

エネルギー保存(最下点A → 最上点B、高さ差 \(2R\)):

$$ \frac{1}{2}mv_A^2 = \frac{1}{2}mv_B^2 + mg \cdot 2R $$ $$ v_A^2 = v_B^2 + 4gR $$

最上点を通過する条件 \(v_B^2 \geq gR\) を用いると:

$$ v_A^2 \geq gR + 4gR = 5gR \quad \Rightarrow \quad v_A \geq \sqrt{5gR} $$

(4) 最下点での垂直抗力 \(N_A\)

最下点では \(N_A\) が上向き(中心向き)、mg が下向きなので:

$$ N_A - mg = \frac{mv_A^2}{R} \quad \Rightarrow \quad N_A = mg + \frac{mv_A^2}{R} $$
答え:
(1) \(N_B = \dfrac{mv_B^2}{R} - mg\)

(2) \(v_B \geq \sqrt{gR}\)

(3) \(v_A \geq \sqrt{5gR}\)

(4) \(N_A = mg + \dfrac{mv_A^2}{R}\)
補足:向心加速度の導出

等速円運動の加速度は常に中心を向き、大きさは $a = \frac{v^2}{r} = r\omega^2$ です。速度の大きさは変わりませんが、方向が変わり続けるため加速度が存在します。

Point

鉛直ループの円運動:最上点 \(N = mv^2/R - mg\)、最下点 \(N = mv^2/R + mg\)。最上点で \(N = 0\) となる臨界条件は \(v = \sqrt{gR}\)。エネルギー保存と組み合わせて最下点の条件 \(v_A \geq \sqrt{5gR}\) を導く。