応用問題191 糸でつながれた2物体の単振動

設問(1) 周期 $T$ と最大の速さ $v_0$

直感的理解
糸がたるまない限り、上のおもり($m$)と下のおもり($2m$)は一体となって運動します。一体の質量は $3m$ で、ばね定数 $k$ のばねに対する単振動の周期が決まります。

周期:合計質量 $3m$ のばね振り子として、角振動数と周期を求めます。

$$\omega = \sqrt{\frac{k}{3m}}, \qquad T = \frac{2\pi}{\omega} = 2\pi\sqrt{\frac{3m}{k}}$$

最大の速さ:振幅 $A = d$(初期変位)、速さは振動中心で最大になるので:

$$v_0 = A\omega = d\sqrt{\frac{k}{3m}}$$
答え:
$$T = 2\pi\sqrt{\frac{3m}{k}}, \qquad v_0 = d\sqrt{\frac{k}{3m}}$$
Point

糸でつながれた物体が一体で動く場合、合計質量でばね振り子の公式を適用する。$T = 2\pi\sqrt{M/k}$、$v_{\max} = A\omega$。

設問(2) $x$ の時間変化

直感的理解
$t = 0$ で $x = -d$(下に $d$ だけ引いた位置)、$v = 0$(静かにはなした)です。下向きを正とすると $x = -d\cos\omega t$ と表せます。これは $-\cos$ の形で始まるグラフです。

立式:$t = 0$ で $x = -d$, $v = 0$ の初期条件より:

答え:
$$x = -d\cos\left(\sqrt{\frac{k}{3m}}\,t\right)$$
Point

振動の端から始まる($v = 0$)場合、$x = \pm A\cos\omega t$ の形になる。初期変位が負なら $x = -A\cos\omega t$。

設問(3) 糸の張力 $S$

直感的理解
下のおもり($2m$)の運動方程式を立てることで、糸の張力 $S$ が求まります。張力は変位 $x$ に依存し、おもりが最も下にあるとき($x = -d$)に最小、最も上にあるとき($x = d$)に最大となります。

立式:下のおもり($2m$)の運動方程式(下向き正):

全体の運動方程式 $3ma = -kx$ より $a = -\dfrac{k}{3m}x$:

答え:
$$S = 2mg + \frac{2k}{3}x$$
Point

内力(張力)を求めるには、個々の物体の運動方程式を立てる。全体の運動方程式で加速度を求め、個別の運動方程式に代入して内力を求めるのが定石。

設問(4) $d$ の最大値

直感的理解
糸がたるむのは張力 $S$ がゼロ以下になるときです。$S = 2mg + \frac{2k}{3}x$ が最小になるのは $x$ が最小のとき、すなわち $x = -d$(最も下にいるとき)です。このとき $S_{\min} = 2mg - \frac{2kd}{3}$ で、これがゼロ以上であれば糸はたるみません。

立式:糸がたるまない条件 $S \ge 0$。$S$ の最小値は $x = -d$ のとき:

答え:
$$d_{\max} = \frac{3mg}{k}$$
補足:直列と並列の見分け方

2つの抵抗の両端が同じ2つの節点に接続されていれば並列、一方の抵抗を通った電流がそのまま次の抵抗に入れば直列です。

Point

糸がたるむ条件は $S = 0$。張力が最小になる位置(振動の端)で $S \ge 0$ を要求し、振幅の上限を求める。

🧮 数値計算で確認

質量 \(m = 3.0\) kg の物体に \(F = 12\) N の力を加えると:

$$a = \frac{F}{m} = \frac{12}{3.0} = 4.0 \text{ m/s}^2$$ $$t = 2.0 \text{ s 後: } v = at = 4.0 \times 2.0 = 8.0 \text{ m/s}$$ $$x = \frac{1}{2}at^2 = \frac{1}{2} \times 4.0 \times 4.0 = 8.0 \text{ m}$$