(1) 速さ \(v\):万有引力が向心力を提供するので:
$$G\frac{Mm}{r^2} = \frac{mv^2}{r}$$両辺を \(m\) で割り、\(r\) を掛けると:
$$v^2 = \frac{GM}{r} \quad \therefore \; v = \sqrt{\frac{GM}{r}}$$(2) 公転周期 \(T\):
円周 \(2\pi r\) を速さ \(v\) で割ると:
$$T = \frac{2\pi r}{v} = 2\pi r \cdot \frac{1}{\sqrt{GM/r}} = 2\pi\sqrt{\frac{r^3}{GM}}$$(3) \(T^2\) と \(r^3\) の関係:
(2) の両辺を2乗して整理すると:
$$T^2 = \frac{4\pi^2}{GM} \cdot r^3 \quad \therefore \; \frac{T^2}{r^3} = \frac{4\pi^2}{GM}$$右辺は惑星の質量 \(m\) や軌道半径 \(r\) を含まず、中心天体の質量 \(M\) と \(G\) だけで決まる定数です。これがケプラーの第三法則です。
数値検証(地球の場合):\(G = 6.67 \times 10^{-11}\) N·m²/kg², \(M = 1.99 \times 10^{30}\) kg, \(r = 1.50 \times 10^{11}\) m のとき:
$$v = \sqrt{\frac{6.67 \times 10^{-11} \times 1.99 \times 10^{30}}{1.50 \times 10^{11}}} = \sqrt{8.85 \times 10^{8}} \fallingdotseq 2.98 \times 10^{4} \text{ m/s} \fallingdotseq 30 \text{ km/s}$$ $$T = \frac{2\pi \times 1.50 \times 10^{11}}{2.98 \times 10^{4}} \fallingdotseq 3.16 \times 10^{7} \text{ s} \fallingdotseq 365 \text{ 日}$$実測値とよく一致します。
ケプラーの第三法則 \(T^2/r^3 = 4\pi^2/(GM)\) は万有引力の法則から導出できる。この式により中心天体の質量 \(M\) が求まる。
(1) 運動エネルギー \(K\):
[A](1) で求めた \(v^2 = GM/r\) を運動エネルギーの式に代入します:
$$K = \frac{1}{2}mv^2 = \frac{1}{2}m \cdot \frac{GM}{r} = \frac{GMm}{2r}$$力学的エネルギー \(E\):
万有引力による位置エネルギーは \(U = -\dfrac{GMm}{r}\) なので:
$$E = K + U = \frac{GMm}{2r} - \frac{GMm}{r} = -\frac{GMm}{2r}$$\(E\) と \(r\) の関係は \(E \propto -1/r\) の双曲線で、常に負。\(r\) が大きいほど \(E\) は 0 に近い(大きい)。
(2) \(E_A < E_B\) の場合:
\(E = -GMm/(2r)\) より、\(E\) が小さい(より負の値が大きい)ほど \(r\) は小さくなります:
$$E_A < E_B \;\Rightarrow\; -\frac{GMm}{2r_A} < -\frac{GMm}{2r_B} \;\Rightarrow\; \frac{1}{r_A} > \frac{1}{r_B} \;\Rightarrow\; r_A < r_B$$速さは \(v = \sqrt{GM/r}\) より \(r\) が小さいほど大きいので:
$$r_A < r_B \;\Rightarrow\; v_A > v_B$$したがって惑星Aの速さのほうが大きい。
数値例:地球(\(r_A = 1.50 \times 10^{11}\) m)と火星(\(r_B = 2.28 \times 10^{11}\) m)で比較(\(m = 1\) kg あたり):
$$K_A = \frac{GM}{2r_A} = \frac{6.67 \times 10^{-11} \times 1.99 \times 10^{30}}{2 \times 1.50 \times 10^{11}} = 4.43 \times 10^{8} \text{ J/kg}$$ $$K_B = \frac{GM}{2r_B} = \frac{6.67 \times 10^{-11} \times 1.99 \times 10^{30}}{2 \times 2.28 \times 10^{11}} = 2.91 \times 10^{8} \text{ J/kg}$$\(K_A > K_B\)(地球の方が運動エネルギーが大きい)。一方、\(E_A = -K_A < E_B = -K_B\)(地球の方が力学的エネルギーは小さい)。
(2) 惑星Aの速さのほうが大きい。\(E_A < E_B\) より \(r_A < r_B\) だから \(v_A > v_B\)。
\(E_A < E_B < 0\) なので惑星Aのほうが「深い重力井戸」にいます。太陽に近い分、激しく引っ張られて高速で回らなければ落下してしまいます。
注意: \(E_A < E_B\) は「Aのエネルギーが小さい」のであって「Aの速さが小さい」ではありません。これは \(K\) と \(E\) が逆符号の関係(\(K = -E\))にあるためです。
円軌道では \(K = -U/2 = -E\)。力学的エネルギーが小さい(より負の)惑星ほど、軌道が内側で速度が大きい。\(E\) と \(v\) は反対の大小関係になることに注意。