基本例題41 熱量の保存

設問(1) 容器の熱容量 C

直感的理解
熱平衡とは「高温物体が冷め、低温物体が温まって同じ温度になる状態」です。容器も熱を吸ったり放出したりするため、容器の熱容量を忘れないことが重要です。スライダーでCを変えて、高温側が失う熱量と低温側が得る熱量が一致する点を見つけてみましょう。

設定:熱量計に140gの水を入れ、容器も水も一様に温度27°Cになった。この中へ47°Cの水40gを追加したところ、全体の温度が31°Cになった。水の比熱は4.2 J/(g·K)。

立式:高温物体が失った熱量 = 低温物体が得た熱量

高温側(追加した水40g、47°C → 31°C)が失った熱量:

$$Q_{\text{失}} = 40 \times 4.2 \times (47 - 31) = 40 \times 4.2 \times 16 = 2688 \text{ J}$$

低温側(元の水140g + 容器、27°C → 31°C)が得た熱量:

$$Q_{\text{得}} = 140 \times 4.2 \times (31 - 27) + C \times (31 - 27) = 2352 + 4C$$

熱量の保存:$Q_{\text{失}} = Q_{\text{得}}$ より

$$2688 = 2352 + 4C$$ $$4C = 2688 - 2352 = 336$$ $$C = \frac{336}{4} = 84 \text{ J/K}$$
答え:
$$C = 84 \text{ J/K}$$
Point

熱量の保存:高温物体が失う熱量 = 低温物体が得る熱量。容器の熱容量も忘れずに考慮する。

設問(2) 金属球の比熱 c

直感的理解
100°Cの金属球を31°Cの水に入れると、金属球は冷えて水は温まります。金属球の比熱が小さいほど「温度は高いが蓄えている熱量は少ない」ということになります。スライダーで比熱を調節して、失った熱量と得た熱量が一致する値を探してみましょう。

設定:設問(1)の後の状態(水180g + 容器、31°C、C = 84 J/K)に、100°Cに熱した150gの金属球を入れたところ、全体の温度が40°Cになった。

立式:金属球が失った熱量 = 水+容器が得た熱量

金属球が失った熱量(100°C → 40°C):

$$Q_{\text{失}} = 150 \times c \times (100 - 40) = 9000c$$

水180g + 容器($C = 84$ J/K)が得た熱量(31°C → 40°C):

$$Q_{\text{得}} = 180 \times 4.2 \times (40 - 31) + 84 \times (40 - 31)$$ $$= 180 \times 4.2 \times 9 + 84 \times 9 = 6804 + 756 = 7560 \text{ J}$$

方程式を解く:

$$9000c = 7560$$ $$c = \frac{7560}{9000} = 0.84 \text{ J/(g·K)}$$
答え:
$$c = 0.84 \text{ J/(g\cdot K)}$$
補足:比熱から物質を推定

比熱 $c = 0.84$ J/(g·K) は鉄(0.45)より大きく水(4.2)より小さい値です。アルミニウム(0.90)に近いですが、金属球の正体は問題文の情報のみでは特定できません。

Point

熱量の保存:高温物体が失う熱量 = 低温物体が得る熱量。容器の熱容量 C も「得た側」に含めること。