基本例題42 熱と仕事

水温の上昇 ΔT

直感的理解
おもりが落下するたびに位置エネルギーが羽根車を回す仕事に変わり、その仕事が水との摩擦で熱に変換されます。50回繰り返すことで蓄積された仕事がすべて温度上昇に使われます。「仕事=熱量」がジュールの実験の本質です。

設定:水と容器と羽根車の熱容量は \(C = 2.1 \times 10^2\) J/K。おもりの質量 \(m = 2.0\) kg、落下距離 \(h = 1.5\) m、\(g = 9.8\) m/s²。50回くり返し落下させる。

立式:50回の落下で重力がおもりにした仕事の合計が、温度上昇に使われる熱量となる。

$$W = n \times mgh = 50 \times 2.0 \times 9.8 \times 1.5 = 1470 \text{ J}$$

これが熱量 \(Q = C\Delta T\) に等しいので:

$$W = C\Delta T \quad \therefore \quad \Delta T = \frac{W}{C} = \frac{1470}{2.1 \times 10^2}$$

計算:

$$= \frac{1470}{210} = 7.0 \text{ °C}$$
答え:
$$\Delta T \fallingdotseq 7.0 \text{ °C}$$
補足:ジュールの実験の意義

ジュール(James Joule)は1840年代にこの実験を行い、力学的エネルギーと熱エネルギーの等価性を示しました。この実験により、熱が「カロリック」のような物質ではなくエネルギーの一形態であることが確立されました。

熱の仕事当量:\(J = 4.19\) J/cal(1 calの熱量は4.19 Jの仕事に相当する)

Point

力学的エネルギーが熱に変換される場合、仕事 \(W = mgh\) がそのまま熱量 \(Q\) になる。\(Q = C\Delta T\) で温度上昇を求める。