基本問題249 気体の内部エネルギー

単原子分子理想気体の内部エネルギー

直感的理解
単原子分子理想気体の内部エネルギーは、全分子の運動エネルギーの合計です。温度を上げると分子が速く動き、内部エネルギーが増加します。\(U = \frac{3}{2}nRT\) は温度にのみ比例し、体積や圧力によらないことが理想気体の特徴です。

設定:1 mol の単原子分子理想気体。気体定数 \(R = 8.3\) J/(mol·K)。

内部エネルギーの公式:

単原子分子1個の平均運動エネルギーは \(\dfrac{3}{2}k_\mathrm{B}T\) です。\(n\) mol(= \(nN_\mathrm{A}\) 個)の合計は:

$$U = nN_\mathrm{A} \cdot \frac{3}{2}k_\mathrm{B}T = \frac{3}{2}nRT$$

(\(N_\mathrm{A} k_\mathrm{B} = R\) を利用)

(1) \(T = 300\) K における内部エネルギー:

\(n = 1\) mol, \(R = 8.3\) J/(mol·K) を代入:

$$U = \frac{3}{2} \times 1 \times 8.3 \times 300 = \frac{3}{2} \times 2490 = 3735 \fallingdotseq 3.7 \times 10^3 \text{ J}$$

(2) 温度変化 \(\Delta T\) に対する内部エネルギーの変化:

温度が \(\Delta T\) だけ変化すると、内部エネルギーの変化は:

$$\Delta U = \frac{3}{2}nR\Delta T$$

これは体積や圧力の変化によらず、温度変化 \(\Delta T\) のみで決まります(理想気体の性質)。

答え:

(1) \(U = \dfrac{3}{2}nRT = 3.7 \times 10^3\) J

(2) \(\Delta U = \dfrac{3}{2}nR\Delta T\)

補足:二原子分子の内部エネルギー

二原子分子では回転の自由度が加わり、内部エネルギーは

$$U = \frac{5}{2}nRT$$

高校物理では特に断りがなければ単原子分子(\(\frac{3}{2}nRT\))を使います。問題文に「単原子分子」と明記されているか確認しましょう。

Point

単原子分子理想気体の内部エネルギー \(U = \dfrac{3}{2}nRT\)。温度のみの関数であり、体積や圧力の変化だけでは \(U\) は変化しません(等温変化で \(\Delta U = 0\))。