基本問題251 気体の状態変化

内部エネルギーの保存と熱力学第一法則

直感的理解
2つの断熱容器をつなぐと、外部との熱のやり取りも仕事もないので、全体の内部エネルギーは保存されます。高温側は冷え、低温側は温まり、やがて共通の温度に達します。

設定:断熱容器1に \(n_1\) mol の単原子分子理想気体(温度 \(T_1\))、断熱容器2に \(n_2\) mol(温度 \(T_2\))。コックを開いて混合させる。

内部エネルギー保存の適用:

断熱容器で外部への仕事もないため、$Q = 0$、$W = 0$ より $\Delta U = 0$。

混合前後で内部エネルギーの合計が等しい:

$$U_{\text{前}} = U_{\text{後}}$$ $$\frac{3}{2}n_1 RT_1 + \frac{3}{2}n_2 RT_2 = \frac{3}{2}(n_1 + n_2)RT$$

$\dfrac{3}{2}R$ で割ると:

$$n_1 T_1 + n_2 T_2 = (n_1 + n_2)T$$

$T$ について解くと:

答え:
$$T = \frac{n_1 T_1 + n_2 T_2}{n_1 + n_2}$$

(モル数で重みを付けた加重平均温度)

補足:体積が変化する場合との違い

もし一方が真空(\(n_2 = 0\))の容器につなぐ「自由膨張」の場合、気体は仕事をせずに膨張するので温度は変化しません(\(T = T_1\))。

ピストンを介した場合は気体が仕事をするため、温度は下がります。断熱自由膨張との違いに注意しましょう。

Point

断熱容器内の気体の混合では内部エネルギーが保存される。混合後の温度は各気体のモル数と温度の加重平均になります。\(\Delta U = Q - W\) で \(Q = W = 0\) であることを確認しましょう。