基本例題51 縦波

縦波の横波表示と密・疎の判定

直感的理解
縦波の横波表示では、\(y\) 軸の値は「媒質が \(x\) 方向にどれだけずれたか」を示します。横波表示の傾きが負(右下がり)の場所が「密」、傾きが正(右上がり)の場所が「疎」です。直感的には、変位の「谷」に向かって両側から媒質が集まるのが密、「山」から両側に離れるのが疎です。

(1) 最も密な点:

縦波の変位 $y(x)$ に対して、密度変化は $-\partial y / \partial x$ に比例します。横波表示で $y = 0$ かつ傾きが負(右下がり)の位置が「密」です。

横波表示が $y = A\sin(kx)$ のとき、$\dfrac{\partial y}{\partial x} = Ak\cos(kx)$ なので、$\cos(kx) < 0$ かつ $\sin(kx) = 0$ の点が密:

$$kx = \pi,\; 3\pi,\; 5\pi,\; \ldots \quad \Rightarrow \quad x = \frac{\lambda}{2},\; \frac{3\lambda}{2},\; \ldots$$

(2) 最も疎な点:

$y = 0$ かつ傾きが正(右上がり)の位置が「疎」です:

$$kx = 0,\; 2\pi,\; 4\pi,\; \ldots \quad \Rightarrow \quad x = 0,\; \lambda,\; 2\lambda,\; \ldots$$

(3) 振動の速度が 0 の点:

速度は $v_y = \partial y / \partial t = -A\omega\cos(kx - \omega t)$ です。$v_y = 0$ は $\cos = 0$ のとき、すなわち変位が最大($y = \pm A$)の山と谷の位置です:

$$|y| = A \quad \Rightarrow \quad v_y = 0$$

(4) 振動の速度が左向きに最大の点:

波が正方向に進むので「ちょいずらし」して確認。変位 \(y\) がこれから減少する位置(\(y = 0\) で右下がり → 密の位置)の媒質は左向きに速度最大です。

答え: A, E
答え: C
答え: 横波表示の山(B)と谷(D)の点
答え: C
補足:波の干渉条件

2つの波源からの経路差 $\Delta r$ と干渉条件:

$$\text{強め合い:} \Delta r = n\lambda \quad (n = 0, 1, 2, \ldots)$$ $$\text{弱め合い:} \Delta r = \left(n + \frac{1}{2}\right)\lambda$$
Point

縦波の横波表示で密 = 右下がりの零点疎 = 右上がりの零点。速度の向きは「ちょいずらし法」で判定。\(x\) の正の向きの変位を \(y\) 軸の正にとる。

🧮 数値計算で確認

振動数 440 Hz、波長 0.773 m の縦波(音波)を考えます。速さは 440 × 0.773 = 340 m/s です。

波の速さ:

$$v = f\lambda = 440 \times 0.773 = 340 \text{ m/s}$$

振幅 \(A = 0.020\) mm のとき、媒質の最大速度:

$$|v_y|_{\max} = A\omega = A \times 2\pi f = 0.020 \times 10^{-3} \times 2\pi \times 440 = 0.0553 \text{ m/s}$$

密と疎の間隔は半波長:

$$\frac{\lambda}{2} = \frac{0.773}{2} = 0.387 \text{ m}$$