基本例題52 定在波(定常波)

設問(1) \(t = 0\) の合成波形

直感的理解
定在波は「進まない波」。2つの波が逆方向に進むと、ある点は常に大きく振動し()、ある点は全く動かない()。腹と節は \(\lambda/4\) 間隔で交互に並びます。再生ボタンで波 a, b の重ね合わせを見ると、合成波が進行せず「その場で振動」する様子がわかります。

(1) 合成波形:\(t = 0\) で波 a(実線)と波 b(破線)を重ね合わせます。

重ね合わせの原理より、各 \(x\) での合成変位は \(y = y_a + y_b\) です。

答え: \(t = 0\) の合成波形は上図の太線の通り(グラフ参照)
Point

重ね合わせの原理:各点で2つの波の変位を足し合わせる。定在波の合成波形は時刻によって大きく形が変わる。

設問(2) 定在波の腹の位置

直感的理解
定在波の腹は、2つの波が常に強め合う位置です。腹と腹の間隔は \(\lambda/2\)、腹と節の間隔は \(\lambda/4\) です。

波長:図より \(\lambda = 4.0\) cm

腹の間隔:\(\lambda / 2 = 2.0\) cm

腹の位置:合成波形で変位の絶対値が最大になる位置を探すと、

$$x = 1.5 \text{ cm},\quad 3.5 \text{ cm}$$
答え:
$$x = 1.5 \text{ cm},\quad 3.5 \text{ cm}$$
Point

定在波の腹の間隔 = \(\lambda/2\)節の間隔 = \(\lambda/2\)。腹と節は \(\lambda/4\) 間隔で交互に並ぶ。

設問(3) 腹の変位が最大になる最初の時刻

直感的理解
定在波の腹の変位が最大になるのは、2つの進行波がちょうど山と山(または谷と谷)が重なる瞬間です。これは \(T/4\) ごと、または波が \(\lambda/4\) だけ進む時間ごとに起こります。

周期:\(T = \lambda / v = 4.0 / 2.0 = 2.0\) s

\(t = 0\) の状態から、波 a が \(\lambda/8\) 進み、波 b も \(\lambda/8\) 逆向きに進むと、山と山(谷と谷)が重なります。これに要する時間は:

$$t = \frac{\lambda / 8}{v} = \frac{4.0 / 8}{2.0} = \frac{1}{8}T = \frac{1}{8} \times 2.0 = 0.25 \text{ s}$$
答え:
$$t = 0.25 \text{ s}$$
補足:定在波の数式的表現

2つの進行波 \(y_a = A\sin(kx - \omega t)\) と \(y_b = A\sin(kx + \omega t)\) の合成は:

$$y = y_a + y_b = 2A\sin kx \cos\omega t$$

これが定在波の式です。\(\sin kx\) が空間的な振幅分布(節と腹の位置)、\(\cos\omega t\) が時間変化を表します。

腹の変位が最大になるのは \(\cos\omega t = \pm 1\)、すなわち \(t = 0, T/2, T, \ldots\) のときです。ただし今回は \(t = 0\) で波 a, b の位相関係により最大ではないので、次に最大になる時刻を求めます。

Point

定在波の式 \(y = 2A\sin kx \cos\omega t\) で、\(\cos\omega t = \pm 1\) のとき腹の変位が最大(振幅 \(2A\))になる。