応用問題313 弦の振動

設問(1) 弦の振動数

直感的理解
うなりの回数は2つの振動数の差に等しいです。おんさの振動数 $200$ Hz と毎秒8回のうなりから、弦の振動数は $200 \pm 8 = 192$ Hz または $208$ Hz のどちらかです。弦を基本音として鳴らすと考えます。

設定:弦の長さ $l = 1.00$ m、おんさの振動数 $f_0 = 200$ Hz、うなり $= 8$ 回/秒。弦は基本音を出す。

うなりの回数 $= |f_1 - f_0|$ より

弦を長くするとうなりが生じなくなった(設問(3)の条件)ので、弦を長くすると振動数が下がり $200$ Hz に近づいたことがわかります。よって最初は $f_1 > 200$... ではなく、弦を少し長くしておんさと一致したということは $f_1 > f_0$ のはず。

しかし、問題文を再確認すると「$l$ を少し長くして弦をはじき、おんさを鳴らしたら、うなりが生じなかった」とあります。弦を長くすると $f = v/(2l)$ は小さくなるので、$f_1 > 200$ のとき長くすれば200に近づきます。よって

答え:
$$f_1 = 208 \text{ Hz}$$
Point

うなりの回数から $f = f_0 \pm N$。弦の長さを変えたときの振動数の変化方向から正負を判定する。

設問(2) 弦を伝わる波の速さ

直感的理解
弦の基本振動では $l = \dfrac{\lambda}{2}$ なので $\lambda = 2l$。$v = f\lambda$ で速さが求まります。

基本振動の波長:

$$\lambda = 2l = 2 \times 1.00 = 2.00 \text{ m}$$

波の速さ:

$$v = f_1 \lambda = 208 \times 2.00 = 416 \text{ m/s}$$
答え:
$$v = 416 \text{ m/s}$$
Point

弦の基本振動:$\lambda = 2l$、$v = f \times 2l = 2fl$。弦の張力と線密度が変わらなければ波の速さは一定。

設問(3) うなりが生じなくなる弦の長さ

直感的理解
うなりが生じないということは弦の振動数がおんさと一致する、すなわち $f = 200$ Hz です。波の速さ $v$ は弦の張力と線密度で決まるので、長さを変えても同じです。

うなりが0、つまり $f = f_0 = 200$ Hz。波の速さ $v = 416$ m/s は変わらないので:

$$f = \frac{v}{2l} \quad \Rightarrow \quad l = \frac{v}{2f} = \frac{416}{2 \times 200} = 1.04 \text{ m}$$
答え:
$$l = 1.04 \text{ m}$$
補足:波の独立性と重ね合わせの原理

2つの波が出会っても互いに影響を及ぼしません(波の独立性)。重なっている部分では変位の和が合成波の変位になります。

Point

弦の張力・線密度が同じなら波の速さは一定。$l = \dfrac{v}{2f}$ で、振動数を合わせる長さが求まる。