基本問題296 音の反射

反射音と距離・風の影響

直感的理解
反射音が返ってくるまでの時間は、音が壁まで行って戻る「往復時間」です。風があると、行きと帰りで音速が変わりますが、往復の平均速度を考える必要があります。風速が音速に比べ小さければ影響はわずかです。

問題設定:地点 P から 22 m 離れた壁 O に向かって手を叩く。音速 $V = 340$ m/s。

(1) 無風のとき、反射音が聞こえるまでの時間:

音は P から壁 O まで距離 \(L = 22\) m を往復します。音速 \(V = 340\) m/s なので:

$$t = \frac{2L}{V} = \frac{2 \times 22}{340} = \frac{44}{340} \fallingdotseq 0.13 \text{ s}$$

(2) P から O に向かって速さ 10 m/s の風が吹いている場合:

風が P→O 方向に吹くとき、行き(P→O)の音速は \(V + w = 340 + 10 = 350\) m/s、帰り(O→P)の音速は \(V - w = 340 - 10 = 330\) m/s です。往復時間は:

$$t = \frac{L}{V+w} + \frac{L}{V-w} = \frac{22}{350} + \frac{22}{330}$$ $$= 0.0629 + 0.0667 = 0.1296 \fallingdotseq 0.13 \text{ s}$$

風速は音速に比べて十分小さいため、往復時間はほぼ変わりません。

答え:
(1) $t \fallingdotseq 0.13$ s
(2) $t \fallingdotseq 0.13$ s(風の影響はごくわずか)
補足:風の影響の一般式

一般に往復時間は:

$$t = \frac{L}{V+w} + \frac{L}{V-w} = \frac{2LV}{V^2 - w^2}$$

$w \ll V$ のとき $t \fallingdotseq 2L/V$ となり、風の影響はほぼ無視できます。$w = 10$ m/s、$V = 340$ m/s のとき $w^2/V^2 \fallingdotseq 0.087\%$ と非常に小さいことがわかります。

Point

反射音と風:無風時 $t = 2L/V$。風速 $w$ の風があるとき $t = L/(V+w) + L/(V-w) = 2LV/(V^2 - w^2)$。$w \ll V$ なら風の影響は微小。