基本問題303 弦の振動

弦を伝わる波の速さと振動数

直感的理解
弦に定在波が立つとき、腹の数が $n$ 個なら $n$ 倍振動です。外部の振動子の振動数は一定なので、何次の定在波が立つかで波長が決まり、そこから弦を伝わる波の速さが求まります。弦の張力を変えると速さが変わり、立つ定在波の次数も変わります。

問題設定:間隔 $L = 0.80$ m で弦を張り、振動数 $f = 2.0 \times 10^2$ Hz の振動子で弦を振動させる。

(1) 定在波の腹の数が $n$ 個のとき($n$ 倍振動)、弦を伝わる波の速さ:

$n$ 倍振動では弦の長さ $L$ 内に腹が $n$ 個あるので、波長は

$$\lambda_n = \frac{2L}{n}$$

波の基本式 $v = f\lambda$ より、弦を伝わる波の速さは

$$v = f \cdot \lambda_n = f \cdot \frac{2L}{n} = \frac{2Lf}{n}$$

数値を代入すると

$$v = \frac{2 \times 0.80 \times 2.0 \times 10^2}{n} = \frac{320}{n} \text{ m/s}$$

(2) 基本振動($n = 1$):

$n = 1$ を代入すると、波の速さは

$$v = \frac{320}{1} = 320 \text{ m/s}$$

波長は

$$\lambda_1 = \frac{2L}{1} = 2 \times 0.80 = 1.60 \text{ m}$$

(3) 2倍振動($n = 2$):

$n = 2$ を代入すると、波の速さは

$$v = \frac{320}{2} = 160 \text{ m/s}$$

波長は

$$\lambda_2 = \frac{2L}{2} = \frac{2 \times 0.80}{2} = 0.80 \text{ m}$$
答え:
波の速さ:$v = 320/n$ m/s($n$ は定在波の腹の数)
基本振動($n=1$):$v = 320$ m/s、$\lambda = 1.60$ m
2倍振動($n=2$):$v = 160$ m/s、$\lambda = 0.80$ m
補足:振動数が固定の場合の注意

外部振動子で弦を振動させる場合、振動数 $f$ は振動子の振動数で固定されます。弦を伝わる波の速さ $v$ は張力と線密度で決まるため、$v$ が変わると定在波の次数 $n$ が変わります。自由振動の場合は逆に、$v$ が一定で $n$ によって振動数 $f_n$ が変わります。

Point

外部振動の場合:振動子の振動数 $f$ は固定。弦の張力・線密度で $v$ が決まり、$n = 2Lf/v$ の関係から何次の定在波が立つかが決まる。$v = f \cdot 2L/n$。