基本問題304 おんさと弦の共振

おんさと弦の共振(共鳴)

直感的理解
おんさの振動数で弦が共振するには、弦の固有振動数のいずれかがおんさの振動数と一致する必要があります。弦の固有振動数は $f_n = nv/(2L)$ なので、おんさの振動数 $f$ に対して $n = 2Lf/v$ が整数になる条件で共振が起こります。

問題設定:弦の長さ $L = 1.2$ m、線密度 $\rho = 4.9 \times 10^{-3}$ kg/m、張力 $S$ [N](質量 2.0 kg のおもり)。おんさの振動数 60 Hz で共振させる。弦には 3 個の腹ができた。

(1) 弦を伝わる波の速さ \(v\):

弦の \(n\) 倍振動の固有振動数は次の式で表されます:

$$f_n = \frac{nv}{2L}$$

腹が 3 個 → 3 倍振動(\(n = 3\))で、おんさの振動数 \(f = 60\) Hz と共振しています。\(f_3 = f\) として \(v\) を求めます:

$$60 = \frac{3v}{2 \times 1.2} = \frac{3v}{2.4}$$ $$v = \frac{60 \times 2.4}{3} = \frac{144}{3} = 48 \text{ m/s}$$

(2) 張力 \(S\) の計算:

弦を伝わる横波の速さと張力・線密度の関係式:

$$v = \sqrt{\frac{S}{\rho}} \quad \Rightarrow \quad S = \rho v^2$$

\(\rho = 4.9 \times 10^{-3}\) kg/m、\(v = 48\) m/s を代入:

$$S = 4.9 \times 10^{-3} \times 48^2 = 4.9 \times 10^{-3} \times 2304 \fallingdotseq 11.3 \text{ N} \fallingdotseq 11 \text{ N}$$
答え:
(1) $v = 48$ m/s
(2) $S = \rho v^2 \fallingdotseq 11$ N
補足:張力とおもりの質量の関係

おもりの質量 $m$ から張力を求める場合:$S = mg$。逆に $m = S/g = 11.3/9.8 \fallingdotseq 1.15$ kg。これは問題で与えられた 2.0 kg とは異なる場合、滑車の摩擦等の影響を考慮する必要があります。

Point

弦の速さと張力:$v = \sqrt{S/\rho}$($S$:張力[N]、$\rho$:線密度[kg/m])。共振条件は $f_{\text{おんさ}} = nv/(2L)$ で $n$ が正整数のとき。腹の数 $= n$。