音源 S が振動数 $f_0$ [Hz] の音を出しながら、中心 O、半径 $r$ の円周上を速さ $v_s$ で等速円運動しています。観測者 A は円の中心 O から十分遠い位置に静止しています。音速 $V$ とします。
最大・最小振動数を求める:
観測者が十分遠い場合、O-A を結ぶ直線上で、音源が A に最も近い点 P(近づく方向に速度が向く)と最も遠い点 Q(遠ざかる方向に速度が向く)で、音源の速度が完全に観測者方向(またはその逆)になります。
点 P を通過するとき(音源が A に向かって動く):
速度が完全に観測者方向を向くので $v_s \cos\theta = v_s$:
$$f_{\max} = \frac{V}{V - v_s} f_0$$点 Q を通過するとき(音源が A から遠ざかるように動く):
速度が完全に観測者と逆方向を向くので $v_s \cos\theta = -v_s$:
$$f_{\min} = \frac{V}{V + v_s} f_0$$具体例:$f_0 = 500$ Hz、$v_s = 20$ m/s、$V = 340$ m/s の場合
$$f_{\max} = \frac{340}{340 - 20} \times 500 = \frac{340}{320} \times 500 = 1.0625 \times 500 \fallingdotseq 531 \text{ Hz}$$ $$f_{\min} = \frac{340}{340 + 20} \times 500 = \frac{340}{360} \times 500 = 0.9444 \times 500 \fallingdotseq 472 \text{ Hz}$$観測者が円の中心に近い場合は、音源の速度の観測者方向成分を正確に計算する必要があります。音源の位置角を $\theta$ として
$$v_{s,\text{comp}} = v_s \sin\alpha$$ここで $\alpha$ は速度ベクトルと音源-観測者方向のなす角です。観測者が遠い極限では P, Q で $\alpha = 0°, 180°$ となり、上の最大・最小公式が成り立ちます。
円運動の速さは $v_s = r\omega$($\omega$:角速度、$r$:半径)です。周期 $T = 2\pi / \omega = 2\pi r / v_s$ ごとに振動数が $f_{\max}$ と $f_{\min}$ の間を往復します。
円運動する音源のドップラー効果:観測者が十分遠ければ、最大・最小振動数は直線運動のドップラー効果と同じ式で求まる。$f_{\max} = \dfrac{V}{V - v_s} f_0$、$f_{\min} = \dfrac{V}{V + v_s} f_0$。