基本問題332 光の屈折と全反射

プリズムにおける屈折と全反射

直感的理解
直角プリズムでは、光が斜辺に45°で入射します。屈折率が $\sqrt{2}$ 以上なら臨界角が45°以下になるため全反射が起こり、光の進路を90°曲げることができます。双眼鏡や一眼レフのファインダーに使われています。

設定:頂角 $\gamma = 60°$ のプリズム($n = \sqrt{3}$)に空気中から光を入射角60°で入射させ、光の進路を追跡する。

(1) 面ABでの屈折:空気($n_0 = 1$)からプリズム($n = \sqrt{3}$)へのスネルの法則:

$$\sin 60° = \sqrt{3} \sin r_1$$ $$\sin r_1 = \frac{\sin 60°}{\sqrt{3}} = \frac{\frac{\sqrt{3}}{2}}{\sqrt{3}} = \frac{1}{2}$$ $$r_1 = 30°$$

(2) 面BCへの入射角:プリズムの幾何学から、頂角 $\gamma$ と面ABでの屈折角 $r_1$ の関係:

$$r_2 = \gamma - r_1 = 60° - 30° = 30°$$

(3) 臨界角:プリズム→空気の臨界角は

$$\sin\theta_c = \frac{1}{n} = \frac{1}{\sqrt{3}} \fallingdotseq 0.577$$ $$\theta_c \fallingdotseq 35.3°$$

$r_2 = 30° < \theta_c = 35.3°$ なので全反射は起こらない。光は面BCで屈折して外に出ます。

(4) 面BCでの屈折角:面BCでのスネルの法則(プリズム→空気):

$$\sqrt{3}\sin 30° = 1 \times \sin\theta_3$$ $$\sin\theta_3 = \sqrt{3} \times \frac{1}{2} = \frac{\sqrt{3}}{2}$$ $$\theta_3 = 60°$$
答え:
(1) 面ABでの屈折角 $r_1 = 30°$
(2) 面BCへの入射角 $r_2 = 30°$
(3) 臨界角 $\theta_c \fallingdotseq 35.3°$、全反射は起こらない
(4) 面BCでの屈折角 $\theta_3 = 60°$
補足:プリズム内の光路の幾何学

プリズム内部の光路と各面への入射角の関係は、プリズムの頂角 $\gamma$ を使って次のように表せます:

$$\theta_2 = \gamma - \theta_1$$

第1面での屈折角 $\theta_1$ と頂角 $\gamma$ から、第2面への入射角 $\theta_2$ が一意に決まります。

Point

プリズムの光路追跡:(1) 各面でスネルの法則を適用、(2) プリズム内部の幾何学で次の面への入射角を求める、(3) 全反射の判定は臨界角 $\sin\theta_c = 1/n$ との比較。

🧮 数値計算で確認

屈折率 1.41 の直角二等辺三角形プリズムを考えます。臨界角の正弦は 1 ÷ 1.41 = 0.707 rad で臨界角は 45° です。

臨界角:

$$\sin\theta_c = \frac{1}{n} = \frac{1}{1.41} = 0.707 \quad \Rightarrow \quad \theta_c = 45°$$

斜辺に垂直に入射した光が底面に当たる角度は 45° で、\(45° \geq 45°\) なので全反射が起こります。

光は 90° 方向転換して出射します。屈折率がさらに大きい \(n = 1.50\) のガラスなら:

$$\sin\theta_c = \frac{1}{1.50} = 0.667 \quad \Rightarrow \quad \theta_c \fallingdotseq 41.8°$$

\(45° > 41.8°\) なので確実に全反射します。