基本問題349 薄膜による光の干渉

石けん膜(薄膜)による光の干渉

直感的理解
石けん膜では上面が「空気→膜($n$ 増)」で位相反転あり、下面が「膜→空気($n$ 減)」で位相反転なし。反転が1回(奇数回)なので、強め合いの条件に半波長のずれが入ります。膜の厚さが特定の値のとき特定の色だけが強め合い、石けん膜が色づいて見えるのです。

条件の整理

石けん膜の屈折率 $n = 1.3$、厚さ $d = 4.0 \times 10^{-7}$ m。垂直入射を考えます。

位相反転の確認:

位相反転は1回(奇数回)なので、光路差に半波長分のずれを加えます。

光路差と干渉条件

垂直入射($\cos r = 1$)のとき光路差は

$$\Delta = 2nd = 2 \times 1.3 \times 4.0 \times 10^{-7} = 1.04 \times 10^{-6}\;\text{m}$$

位相反転が奇数回(1回)なので、強め合い(反射光が明るい)の条件は

$$2nd = \left(m + \frac{1}{2}\right)\lambda \quad \Rightarrow \quad \lambda = \frac{2nd}{m + \frac{1}{2}} = \frac{1.04 \times 10^{-6}}{m + 0.5}$$

可視光の範囲($3.8 \times 10^{-7}$ m 〜 $7.7 \times 10^{-7}$ m)で強め合う波長を求めます:

弱め合い(透過光が明るい)の条件

弱め合いの条件は $2nd = m\lambda$ より $\lambda = \dfrac{2nd}{m} = \dfrac{1.04 \times 10^{-6}}{m}$:

答え:
反射光が強め合う可視光の波長:$\lambda \fallingdotseq 6.9 \times 10^{-7}$ m(赤)、$\lambda \fallingdotseq 4.2 \times 10^{-7}$ m(紫)
透過光が明るくなる可視光の波長:$\lambda \fallingdotseq 5.2 \times 10^{-7}$ m(緑)
補足:なぜ石けん膜は虹色に見えるか

石けん膜は重力で下ほど厚くなります。厚さが場所ごとに異なるため、各場所で強め合う波長が変わり、虹色の縞模様として観察されます。膜が非常に薄い($d \fallingdotseq 0$)部分では $2nd \fallingdotseq 0$ で位相反転のみが残り、反射光は弱め合って暗く見えます。

Point

薄膜干渉の位相反転パターン

反射光と透過光は補色の関係(一方が明るいとき他方は暗い)。

🧮 具体的な数値例

たとえばヤングの実験でスリット間隔 \(d = 0.50\) mm、スクリーン距離 \(L = 1.5\) m、波長 \(\lambda = 600\) nm の場合:

$$\Delta y = \frac{\lambda L}{d} = \frac{600 \times 10^{-9} \times 1.5}{0.50 \times 10^{-3}} = 1.8 \times 10^{-3} \text{ m} = 1.8 \text{ mm}$$