応用問題388 平行板コンデンサーの電場と静電エネルギー

S閉($V$ 一定)で $d \to 3d$

直感的理解
S閉(電池接続中)では $V$ が一定。$d$ を3倍にすると $E = V/d$ が $1/3$ 倍に。$C = \varepsilon S/d$ が $1/3$ 倍。$U = CV^2/2$ が $1/3$ 倍。一方 S開(電池切断後)では $Q$ が一定。$E = Q/(\varepsilon S)$ は不変。$U = Q^2/(2C)$ は3倍。

設問(1)(2) S閉($V$ 一定)で $d \to 3d$

電場:$E = V/d$ より:

$$E' = \frac{V}{3d} = \frac{1}{3}\,E \quad \text{(}\frac{1}{3}\text{ 倍)}$$

電気容量:$C = \varepsilon_0 S/d$ より:

$$C' = \frac{\varepsilon_0 S}{3d} = \frac{1}{3}\,C$$

静電エネルギー:$V$ 一定なので $U = \dfrac{1}{2}CV^2$ を使う:

$$U' = \frac{1}{2}C'V^2 = \frac{1}{2} \cdot \frac{C}{3} \cdot V^2 = \frac{1}{3}\,U \quad \text{(}\frac{1}{3}\text{ 倍)}$$
答え(S閉):
電場:$\dfrac{1}{3}$ 倍、静電エネルギー:$\dfrac{1}{3}$ 倍

設問(3)(4) S開($Q$ 一定)で $d \to 3d$

電場:$E = \sigma/\varepsilon_0 = Q/(\varepsilon_0 S)$ は $d$ に依存しないので:

$$E' = \frac{Q}{\varepsilon_0 S} = E \quad \text{(変化なし)}$$

電気容量:$C' = C/3$(S閉と同じ)

静電エネルギー:$Q$ 一定なので $U = \dfrac{Q^2}{2C}$ を使う:

$$U' = \frac{Q^2}{2C'} = \frac{Q^2}{2 \cdot C/3} = 3 \cdot \frac{Q^2}{2C} = 3U \quad \text{(3倍)}$$
答え(S開):
電場:変化なし(1倍)、静電エネルギー:3倍
補足:エネルギーが増える理由

S開で極板間隔を広げるとエネルギーが増加します。これは極板間に引力がはたらいているのに逆らって引き離すため、外力が正の仕事をするからです。その仕事分がエネルギー増加に対応します。

Point

コンデンサーの問題は「何が一定か」を最初に判断する。S閉→$V$一定、S開→$Q$一定。この判断で全量の変化が決まる。

🧮 数値計算で確認

\(q = 3.0 \times 10^{-6}\) C の点電荷から \(r = 0.30\) m の位置:

$$E = k\frac{q}{r^2} = 9.0 \times 10^9 \times \frac{3.0 \times 10^{-6}}{0.09} = 3.0 \times 10^5 \text{ N/C}$$ $$V = k\frac{q}{r} = 9.0 \times 10^9 \times \frac{3.0 \times 10^{-6}}{0.30} = 9.0 \times 10^4 \text{ V}$$