応用問題391 平行板コンデンサーに金属板挿入

金属板挿入の効果

直感的理解
金属板内部は $E = 0$ なので、電場が存在する実効距離は $d - t$ に短縮。$C' = \varepsilon_0 S/(d-t)$ と容量が増えます。S閉なら $V$ 一定で $Q$ と $E$ が増加。S開なら $Q$ 一定で $V$ と $E$ の合計が不変(ただし電場が存在する領域は狭くなる)。

設問(1) 電気容量:金属板内部 $E = 0$ なので実効距離は $d - t$:

$$C' = \varepsilon_0 \frac{S}{d - t}$$

設問(2) S閉($V$ 一定)で金属板挿入:

$V$ 不変のまま $C$ が増加するので、電池から追加の電荷が供給されます:

$$Q' = C'V = \frac{\varepsilon_0 S}{d - t} \cdot V = \frac{d}{d - t}\,Q_0 \quad (\text{増加})$$ $$E' = \frac{V}{d - t} = \frac{d}{d - t}\,E_0 \quad (\text{増加})$$

設問(3) S開($Q$ 一定)で金属板挿入:

$Q$ 不変のまま $C$ が増加するので、$V$ は減少:

$$V' = \frac{Q}{C'} = \frac{Q(d-t)}{\varepsilon_0 S} = \frac{d-t}{d}\,V_0 \quad (\text{減少})$$

電場は $E = \sigma / \varepsilon_0 = Q/(\varepsilon_0 S)$ で $Q$ と $S$ が不変なので:

$$E' = E_0 \quad (\text{不変})$$
答え:
別解:直列合成で導出

金属板を入れると、上下に2つのコンデンサーが直列になったと考えられます:

$$\frac{1}{C'} = \frac{d_1}{\varepsilon_0 S} + \frac{d_2}{\varepsilon_0 S} = \frac{d_1 + d_2}{\varepsilon_0 S} = \frac{d - t}{\varepsilon_0 S}$$

$d_1 + d_2 = d - t$(金属板の厚さ $t$ を除いた距離の合計)となるため、金属板の位置によらず $C' = \varepsilon_0 S/(d-t)$。

Point

金属板挿入の本質は実効距離が $d - t$ に短縮すること。「何が一定か」($V$ or $Q$)で他の量の変化が決まる。金属板の位置は結果に影響しない。

🧮 数値計算で確認

\(q = 3.0 \times 10^{-6}\) C の点電荷から \(r = 0.30\) m の位置:

$$E = k\frac{q}{r^2} = 9.0 \times 10^9 \times \frac{3.0 \times 10^{-6}}{0.09} = 3.0 \times 10^5 \text{ N/C}$$ $$V = k\frac{q}{r} = 9.0 \times 10^9 \times \frac{3.0 \times 10^{-6}}{0.30} = 9.0 \times 10^4 \text{ V}$$