基本例題77 ジュール熱

設問(1) 100V用500Wの電熱器の抵抗

直感的理解
電力 $P = V^2/R$ から、同じ電圧なら電力が大きいほど抵抗は小さい。「パワフルな電熱器」は電流をたくさん流す=抵抗が小さい、ということです。

立式:$P = \dfrac{V^2}{R}$ を $R$ について解くと

$$R = \frac{V^2}{P}$$

数値代入:

$$R = \frac{100^2}{500} = \frac{10000}{500} = 20.0 \text{ }\Omega$$
答え:
$$R = 20.0 \;\Omega$$
Point

定格電力と定格電圧がわかれば、$R = V^2/P$ で抵抗値が求まる。

設問(2) 250Wの電熱器の抵抗は500Wの何倍か

直感的理解
同じ電圧で使う場合、電力が半分=電流が半分=抵抗が2倍。$P = V^2/R$ なので、$P$ と $R$ は反比例の関係です。

250Wの電熱器の抵抗:

$$R_{250} = \frac{V^2}{P} = \frac{100^2}{250} = \frac{10000}{250} = 40.0 \text{ }\Omega$$

比較:500W の電熱器は $R_{500} = 20.0\;\Omega$(設問(1)より)なので

$$\frac{R_{250}}{R_{500}} = \frac{40.0}{20.0} = 2.00$$
答え:
$$2.00 \text{ 倍}$$
Point

同じ電圧で使用する場合、電力と抵抗は反比例。電力が半分なら抵抗は2倍。

設問(3) 15分間の発生熱量

直感的理解
ジュール熱は「電力 × 時間」。500Wの電熱器を15分(=900秒)使えば、$500 \times 900 = 450000$ J の熱が発生します。

立式:ジュール熱 $Q = Pt$、時間を秒に換算すると $t = 15 \times 60 = 900$ s

$$Q = Pt = 500 \times 900 = 450000 = 4.5 \times 10^5 \text{ J}$$
答え:
$$Q = 4.5 \times 10^5 \text{ J}$$
Point

ジュール熱 $Q = Pt$。時間の単位を秒に統一するのを忘れずに(15分 = 900秒)。

設問(4) 電流

直感的理解
$P = IV$ から $I = P/V$。100Vで500Wを消費するには$I = 5.00$ Aの電流が必要です。家庭のコンセント(100V)で5Aは一般的なドライヤー並みです。

立式:$P = IV$ より $I = P/V$

$$I = \frac{P}{V} = \frac{500}{100} = 5.00 \text{ A}$$
答え:
$$I = 5.00 \text{ A}$$
補足:オームの法則から求める別解と電力公式の使い分け

設問(1)で $R = 20\;\Omega$ が既知なので、オームの法則 $I = V/R$ から直接求めることもできます。

$$I = \frac{V}{R} = \frac{100}{20} = 5.00 \text{ A}$$

電力公式の使い分けの指針:

  • $V$ と $R$ が既知 → $P = V^2/R$ を使う(設問(1)のパターン)
  • $I$ と $R$ が既知 → $P = I^2R$ を使う
  • $V$ と $I$ が既知 → $P = IV$ を使う

入試では「どの2つの量が与えられているか」を素早く判断し、適切な式を選ぶことがポイントです。

Point

電力の3つの表現 $P = IV = I^2R = V^2/R$ を場面に応じて使い分ける。既知の量が何かで選択が変わる。