基本問題429 直線電流がつくる磁場の合成

2本の平行電流がつくる合成磁場

直感的理解
2本の導線がつくる磁場は、それぞれを独立に計算してベクトルとして合成します。この問題では、右ねじの法則で方向を調べると両方とも同じ向き(上向き)になるため、単純に足し算になります。逆向き電流なら引き算です。

各導線がつくる磁場:A, B それぞれが中点 O(距離 $h/2$)につくる磁場は:

$$H_A = H_B = \frac{I}{2\pi \cdot (h/2)} = \frac{I}{\pi h}$$

方向の判定:右ねじの法則より、A(紙面裏向き)が O につくる磁場は上向き。B(紙面手前向き)が O につくる磁場も上向き。

合成:同じ向きなので単純に和をとります:

$$H = H_A + H_B = \frac{I}{\pi h} + \frac{I}{\pi h} = \frac{2I}{\pi h}$$
答え:
$$H = \frac{2I}{\pi h} \text{ [A/m](上向き)}$$
補足:電流が同じ向きの場合

2本の導線に同じ向きの電流が流れる場合、中点では $H_A$ と $H_B$ が逆向きになり打ち消し合うため、$H = 0$ になります。

Point

磁場の合成はベクトルの足し算。まず各電流が観測点につくる磁場の大きさと方向を個別に求め、同じ向きなら和、逆向きなら差をとる。

🧮 数値計算で確認

\(B = 0.40\) T の磁場中を速さ \(v = 5.0\) m/s で移動する長さ \(l = 0.30\) m の導体棒:

$$\mathcal{E} = Blv = 0.40 \times 0.30 \times 5.0 = 0.60 \text{ V}$$ $$R = 3.0 \text{ Ω のとき } I = \frac{\mathcal{E}}{R} = \frac{0.60}{3.0} = 0.20 \text{ A}$$ $$F = BIl = 0.40 \times 0.20 \times 0.30 = 0.024 \text{ N}$$